2022年11月12、13日、「宝石の街」山梨県甲府市で初の試みとなる「ジュエリーツーリズム」が開催されました!
甲府市では、2年前より毎年11月に約2週間、ジュエリーウィークと称し、その期間中、ジュエリーにまつわるイベントが幾つか催されます。
今年初開催された「ジュエリーツーリズム」は、甲府市内にある宝石研磨工房やジュエリー関連企業などを参加者が巡るというもので、今年の目玉の一つとして注目を集めました。
宝石研磨体験やジュエリー加工体験などの体験イベント、工房見学、宝石にまつわるセミナーなどを催していた企業もあり、この日限りの体験ができるところも♪
体験イベントなどは参加人数などの関係で、原則事前申し込みが必要でしたが、空き状況によっては当日飛び込み参加できたところもあったようですよ。
13日(日)にはカラッツ代表小山の講演などもあり、秋が深まりつつある甲府の街を訪れ、色々体験&取材させていただきました。
残念ながら時間的に全ての会社さんを巡ることはできませんでしたが、少しでも雰囲気が伝われば幸いです!
目次
移動はレンタサイクルがオススメ
![](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141816/jewelry-tourism_2.jpg)
新宿駅から特急列車に乗って、甲府駅まで。
甲府駅に着いたら、まずは移動手段の確保。
事前に色々調べた結果、特設サイトにも紹介されていた甲府ホテル旅館協同組合が運営されるレンタサイクルを借りることに。
無料シャトルを利用するのも良いですが、時間の制限が出てしまうため、効率良く回るためには自分の都合で自由に移動できるレンタサイクルが便利。
今回訪れた会社がたまたま甲府駅近くと南甲府駅近くに集中していたこともありますが、甲府駅と南甲府駅は自転車で大体約20~25分程度の距離。気候の良さも手伝い、良い運動にもなりました。
慣れない土地での運転に抵抗がない方であれば、レンタサイクルはとてもオススメです♪
甲府市役所で受付、ジュエリーツーリズムスタート!
![ジュエリーツーリズム パンフレット](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24154625/jewelry-tourism_3.jpg)
ジュエリーツーリズムをスタートするにはまずは受付をする必要があり、甲府市役所へ。
簡単なアンケートなどに答え、スタンプラリー用の資料などをもらったら手続き完了。
スタンプラリーとは、各訪問先でスタンプを押してもらい、規定個数を達成すると豪華景品が当たる抽選会に参加できるというもの。
![ジュエリーツーリズム パンフレット スタンプラリー](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24154635/jewelry-tourism_3-2.jpg)
失くさないよう大事に持って、最初の訪問先である詫間宝石彫刻さんへ向かいます!
詫間宝石彫刻
![ジュエリーツーリズム 詫間宝石彫刻](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141820/jewelry-tourism_4.jpg)
最初の訪問地である詫間宝石彫刻さんでは、工房見学と研磨体験に申込させていただきました。
それぞれ予約が別だったこともあり、時間を分けての参加となりました。
まずは工房見学から。
詫間宝石彫刻さんのメインのお仕事は会社名にある通り宝石彫刻。
山梨県で行われる宝石彫刻は、甲州水晶貴石細工と呼ばれ、国が指定する伝統工芸の一つで、現在伝統工芸士の資格をもつ方が県内に30名程いらっしゃるそうです。
宝石を削る技術は、平面的に研磨する方法(平面研磨)と立体的に形作る方法(宝石彫刻)の大きく2種類あり、ジュエリー加工するための貴金属加工も入れると、主な技術は3つ。
![ジュエリーツーリズム 詫間宝石彫刻2](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141822/jewelry-tourism_4-2.jpg)
全く異なる技術であることから、通常は分業で行われるのですが、詫間宝石彫刻さんは全てを自社で行えるだけの設備と技術力を誇ります。
元々現社長である康二氏が高校卒業後、貴金属加工の会社に入り加工技術を学んだことをきっかけに宝石彫刻と貴金属加工を請け負うようになり、その後、平面研磨の技術も習得し、今では全ての作業を自社で行えるようになったということです。
工房見学では、康二氏のお話を聞きながら実演が見られるほか、ギャラリーで商品を直接見て購入することもできました。
研磨体験は、ペーパーウェイトかリングスタンドのいずれかが選べ、最初に40年程前に買い付けられたという、ブラジル産クォーツの中から石を選びます。
![ジュエリーツーリズム 詫間宝石彫刻3](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141824/jewelry-tourism_4-3.jpg)
自分好みの一石が選べたら、機械を使って手摺りで研磨していきます。
![ジュエリーツーリズム 詫間宝石彫刻4](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141827/jewelry-tourism_4-4.jpg)
レクチャーを受けながらの研磨はとても楽しかったですが、なかなか思うように削れず、研磨士さんの偉大さを肌で感じた時間でした。
ある程度好みの形が出来たら一旦石を預け、この日は終了。後日、詫間宝石彫刻さんの方で仕上げまで行って頂き、出来上がり次第発送してもらえます。
完成まで2ヶ月近く掛かるとのことですが、どんな風に仕上がってくるか、とても楽しみです♪
美馬貴石
![ジュエリーツーリズム 美馬貴石](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141834/jewelry-tourism_5.jpg)
美馬貴石さんでは主に販売を行われていました。
美馬貴石さんといえば、先代の社長が世界で初めて瑪瑙を赤く均等に染める技術を開発したことで知られます。
先代の後を継いだ現社長が更に技術発展させ、現在は一つの石の中で5色を染め分けられるようになりました。
そしてその技術開発により生まれたのが、ピクチャーメノウ。
![ジュエリーツーリズム 美馬貴石2](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141839/jewelry-tourism_5-2.jpg)
あの芸術的な宝石は、メイドインジャパンの高い技術力から生み出されたものだったのですね。
現在この技術をもつのは、世界でも美馬貴石の現社長のみなのだそうですよ。
そんなピクチャーメノウを始めとした宝石たちが所狭しと並び、直接見て購入することができました。レアストーンなども数多く取り扱っており、目移りしてしまうほど。
![ジュエリーツーリズム 美馬貴石3](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141844/jewelry-tourism_5-3.jpg)
通常は、業者向けに卸すだけのところ、ジュエリーツーリズムの期間限定で一般消費者の方へも販売を行っているとのことでした。
GSTV甲府事業所
![ジュエリーツーリズム GSTV甲府事業所](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141849/jewelry-tourism_6.jpg)
GSTV甲府事業所では、GSTVさんで販売されているジュエリーの加工過程を見ることができました。
ジュエリーがどんな風に作られるのかなどをマンツーマンで案内して頂け、実際に職人さんが作業をしている姿を間近で見ることもできました。
ジュエリーは、多くの工程を経て完成に至ります。機械などを使って、ある程度まとめて製作できる工程もありますが、全てではありません。
これほどまでにパソコンや機械が発達した現代にあっても、人間の手ですべきことが少なからずあり、熟練職人さんの腕や目が不可欠な工程もあります。
![ジュエリーツーリズム GSTV甲府事業所2](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141853/jewelry-tourism_6-2.jpg)
普段何気なく身に着けているジュエリーですが、こうして製作工程を間近に見ると、一つ一つ手をかけて作られたことがよく分かり、大切に使っていきたいと改めて感じました。
2階に移動すると販売コーナーもあり、直接購入もできました。
![ジュエリーツーリズム GSTV甲府事業所3](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141857/jewelry-tourism_6-3.jpg)
GSTVさんが誇る豪華なジュエリー達に思わず目を奪われてしまいました。
ストーンカメオミュージアム
![ジュエリーツーリズム ストーンカメオミュージアム](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141901/jewelry-tourism_7.jpg)
ストーンカメオとは主にドイツで作られている宝石彫刻の一つです。
アンティークジュエリーなどでも多く見られるため、写真などで目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
![ジュエリーツーリズム ストーンカメオミュージアム2](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141905/jewelry-tourism_7-2.jpg)
ストーンカメオミュージアムには、常時約500点のストーンカメオが展示してあり、ストーンカメオ単独のミュージアムとしては日本で唯一の場所です。
ストーンカメオミュージアムを運営するのは、株式会社古屋。
先代のご兄弟が、ドイツに住んでいた1970年代に、ストーンカメオに出会いその技術と美しさに感動。ある若い彫刻家を日本に招へいしたことをきっかけに事業を開始されました。
ストーンカメオミュージアムでは、同社が47年にわたり集めてきた、様々な彫刻家の作品が見られるほか、カメオジュエリーを購入することもできます。
ストーンカメオは主に瑪瑙(アゲート)に施されることが多いのですが、その理由は瑪瑙の層状で構成された性質を利用して作るから。
先にご紹介した美馬貴石さんの染めの技術にも繋がる話ですが、瑪瑙は層によって染色分けができます。そのため、彫る深さを変えることで、一つの石の中に立体的に絵を描くことができるのです。
![ジュエリーツーリズム ストーンカメオミュージアム4](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141911/jewelry-tourism_7-4.jpg)
横から見ると、その仕組みがよく分かり、感動を覚えます。
こちらもジャンルとしては彫刻ですが、甲府の宝石彫刻とは機械も技術も大きく異なり、現在日本国内でストーンカメオを制作される方は残念ながら居ないとのこと。
ストーンカメオミュージアムでは、1グループに1人スタッフの方が付き、ストーンカメオがどのように作られるかなどの初歩的な話からそれぞれの作品の特徴や技術的な深い話まで丁寧にご紹介頂けます。
これまで知らなかったストーンカメオの奥深い世界が垣間見え、とても興味深く楽しい時間を過ごすことができました。
![ジュエリーツーリズム ストーンカメオミュージアム3](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141907/jewelry-tourism_7-3.jpg)
SoëL(ソエル)
![ジュエリーツーリズム SoëL(ソエル)](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141917/jewelry-tourism_8.jpg)
SoëL(ソエル)さんは、創業75年の老舗メーカーが手がける使い心地にこだわったブランドで、商品販売や工場見学、制作体験が実施されていました。
今回はその中から、淡水パールブレスレットの制作体験に参加させて頂きました!
価格的に小さなパールを数個付けるだけかと思いきや、想像以上に大粒で質の良いパールの連ブレスレットがセットされており、とても驚きました。
![ジュエリーツーリズム SoëL(ソエル)2](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141920/jewelry-tourism_8-2.jpg)
作業としては、
1.ワイヤーに通ったパールの両端にアジャスターと引き輪を通す
2.ワイヤーを引っ張り長さを整える
3.根元に一緒に通しておいたカシメ玉をヤットコで潰す
4.余分なワイヤーを切る
といった感じ。説明を聞いた時は簡単そうに思ったのですが、実際にやってみると、ワイヤーが固くて上手く引っ張れなかったりと、意外と難しかったです。
![ジュエリーツーリズム SoëL(ソエル)3](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141922/jewelry-tourism_8-3.jpg)
普段何気なく使っているジュエリーですが、実際に作ってみると思いのほか手が掛かっていることが分かり、良い体験になりました。
ラッキーアンドカンパニー(ラッキー商会)
![ジュエリーツーリズム ラッキー商会](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141925/jewelry-tourism_9.jpg)
ラッキーアンドカンパニー(ラッキー商会)さんでは工場見学、ネックレスまたはリングの石留めと研磨体験、商品販売などが行われていました。
商品販売スペースでは、ラッキーアンドカンパニーさんのオリジナルブランド「L&Co.」などの商品のほか、エメラルドハンター清水さんのコロンビア産エメラルドの販売コーナーなどもあり、充実のラインナップといった感じ。
![ジュエリーツーリズム ラッキー商会2](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141927/jewelry-tourism_9-2.jpg)
実は偶然、エメラルドハンター清水さんにもお会いしご挨拶させて頂きました。(ライブ配信の本番直前でお忙しいところでしたので、写真は撮影できず。。)
また、カフェコーナーも特設されており、エメラルドパフェとエメラルドソーダの販売も!
![ジュエリーツーリズム ラッキー商会3](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141931/jewelry-tourism_9-3.jpg)
時間の関係で見学や体験には参加できませんでしたが、新鮮なシャインマスカットがたっぷり入ったエメラルドソーダとエメラルドパフェを堪能。癒やしの時間を過ごさせて頂きました♪
山梨ジュエリーミュージアム
![ジュエリーツーリズム ジュエリーミュージアム](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141934/jewelry-tourism_10.jpg)
山梨ジュエリーミュージアムでは、貴金属加工体験、宝石研磨体験などが開催されていました。
貴金属加工体験や宝石研磨体験は土日祝日に開催されているものと基本的には同じ内容でしたが、12日(土)の宝石研磨体験のご担当がいつもお世話になっているシミズ貴石の大城かん奈さんだったこともあり、参加させて頂きました!
宝石の種類、形、ジュエリーの種類(ストラップかペンダント)を選ぶことができ、今回はキューブのルチルをペンダントにしてもらうことに。
体験できるのは磨きの工程。艶出しともいわれる最後の工程です。
研磨剤を塗り付けたフェルトの研磨盤に、キューブ状の宝石の磨きたい面を押し付けて磨いていきます。数十秒押し付けるだけですぐにツヤっとし感動。成果が目に見えて分かるため、終始楽しく進められました。
![ジュエリーツーリズム ジュエリーミュージアム2](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141937/jewelry-tourism_10-2.jpg)
平面部分が終わったら角のエッヂ部分を磨き、磨きの工程としては終了。洗浄機にかけて、ヒートン穴などに入った研磨剤を除去してもらいます。
![ジュエリーツーリズム ジュエリーミュージアム3](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141940/jewelry-tourism_10-3.jpg)
その後、ミュージアムの方が接着剤でヒートンをつけてくれ完成です!
常に先生が近くに居てくれ、うまく磨けなければ気軽に相談できます。その度に的確なアドバイスを頂けるので安心して進めることができました。
初めての方でもきっとキレイに仕上げることができるためオススメです!
最後に
![ジュエリーツーリズム ジュエリーミュージアム ステージ](https://d1wax4cn5bepyu.cloudfront.net/online/wp-content/uploads/2023/01/24141946/jewelry-tourism_11.jpg)
13日(土)の夕方にはステージでカラッツ代表小山の講演も催されたジュエリーウィーク。
あっという間の2日間でした。
普段なかなかできない体験をさせて頂き、宝石をより身近に感じることができました。
今のところ来年以降も続く予定とのことですので、機会があればぜひ参加してみてください。
宝石と「宝石の街」甲府の魅力をきっと堪能することができると思います♪
カラッツ編集部 監修