ダイヤモンドの性質と美しさの秘密

ダイヤモンド

ダイヤモンドと聞くと、どんなことを思い浮かべますか?

丈夫で硬い石、キラキラ輝く、婚約指輪、高価・・・そんなイメージでしょうか?

ココではただキレイなだけじゃない、ダイヤモンドの性質とその美しさの秘密についてお伝えします。

世界でいちばん硬く丈夫な鉱物

ダイヤモンド研磨

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ダイヤモンドは和名金剛石と言い、「極めて硬い物」を意味します。

地球上にこれ以上硬い鉱物はありません。

それがダイヤモンドの一番の特徴とも言えますが、実はその硬さは意外にも「もろさ」をも合わせ持っているのです。

それはなぜなのでしょうか?

ダイヤモンドの硬さ

ダイヤモンドは炭素原子の集合体です。

「炭素原子結合間隔と方向に歪みがなく、どの方向から見ても一定である」ということが、炭素の結合を非常に強く硬いものにしています。

ダイヤモンドの安定性

また、ダイヤモンドが丈夫である理由は、硬いということのほかにもう一つ、「安定性」にもあります。

言い換えれば「ほかの物質からの影響の受けにくさ」です。

日光や空気、水からの影響を受けず、酸にも溶けにくいことから、ダイヤモンドは安定性が高い鉱物と言えるのです。

ダイヤモンドのもろさ

しかし非常に硬く丈夫に見えるダイヤモンドですが、ある一定方向からの衝撃に弱く割れやすいという特徴があります。

これを「劈開性(へきかいせい)」と呼びます。

状況に依っては、落としたりぶつけたりしただけで驚くほど簡単にヒビが入ったり欠けてしまう恐れがありますので、硬くて丈夫だからと油断せず、日々大切に取り扱ってくださいね。

美しい輝きの秘密

ダイヤモンド2
次に、ダイヤモンドがなぜ輝くか、ご存知でしょうか。

その秘密の一つは、ダイヤモンドに施されるカットにあります。

現在、ダイヤモンドのカット技法で最もポピュラーなものは「ラウンドブリリアントカット」です。

上部から入った光が内部で全反射し、上部で放たれるよう58面体で設計されています。

このラウンドブリリアントカットが、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き立て、その美しさを最も際立たせることができる究極のカット方法と言われています。

三種類の光の反射

また、ダイヤモンドとほかの宝石の一番の違いは、光を当てた時の屈折率です。

ダイヤモンドに光を当てると、一部は表面に反射し、一部は内部の反射で反射を返し残りは光を分解してプリズム反射を見せるのです。

この三種類の光の反射があることが、ダイヤモンドがほかの宝石と一線を画し、美しい輝きを放っている2つ目の秘密です。

数字で表すと、ダイヤモンドの屈折率は2.417、ほかのほとんどの宝石は1.5~1.7前後。

ダイヤモンドの屈折率がいかに高いか、お分かりいただけますよね。

輝きを決定する三つの要素

そして3つ目の秘密、ダイヤモンドの輝きを決定するのは、次の三つの要素の相乗効果からきています。

ブリリアンシー

クラウン」というダイヤモンドの上半分に入った光が、石の下まで届き何度も屈折して、再びクラウンに出てくることを「ブリリアンシー」または「ブリリアンス」と呼びます。

ファイア(ディスパーション)

ファイアには、「光を分散する」という意味の「ディスパーション」という呼び方もあります。

これは、内部に入った光が、プリズム効果で七色に分散されて輝くことを指します。

シンチレーション

シンチレーションは「閃光」という意味です。

クラウン部分に入った光が、フラッシュのようにチカチカと輝きます。

豊富なカラー

ファンシーカラーダイヤモンド
ダイヤモンドは透明なイメージが強いのですが、実は「ない色はない」と言われるほど、カラーバリエーションが豊富です。

無色透明なダイヤモンドが「Dカラー」と称されますが、『全くの無色透明』というものはごく稀で、通常は薄い黄や茶色を帯びています。

とても珍しい天然のピンクダイヤモンドブルーダイヤモンドは、無色透明のダイヤモンドよりも高値が付くこともあります。

万能なダイヤモンドジュエリー

正装をした男女
ダイヤモンドジュエリーは、普段使いからあらたまったシーンまで使える「万能選手」と言えます。

冠婚葬祭で使える宝石の種類は限られてしまいますが、ダイヤモンドは、お葬式以外の多くの場面で身につけることができる数少ない宝石です。

まとめ

ダイヤモンド3
ダイヤモンドは永遠の輝き」という有名なキャッチコピーがありますが、強さと美しさを兼ね備えたまさに「宝石の王様」と呼ばれるのに相応しい宝石ダイヤモンド。
その魅力を少しでも伝えられたでしょうか。

しかしその輝き方は千差万別。
いろいろなダイヤモンドを見比べてみてぜひ自分だけの特別な一つを見つけて下さいね。

カラッツ編集部 監修