黄金色に輝くシトリンは、11月の誕生石です。
色はレモンイエローから褐色がかったイエロー、オレンジとバリエーションがあります。
秋が深まるこの時期のイメージにぴったりですね。
シトリンは「明るく輝く美しい宝石でありながらお手軽な価格である」ということで、とても人気があります。
シトリンとはどんな石なのでしょうか?その魅力を探ってまいりましょう。
希少価値の高い天然のシトリン

語源はフランス語でレモンを意味する「シトロン」。※諸説あり
まるでレモン(シトロン)のような鮮やかな水晶なので、シトリンと名付けられました。
クォーツのグループに属する宝石で、和名は「黄水晶」といいます。
天然のシトリンはとても珍しく、市場に出回ることはめったにありませんでした。
しかし、ある時紫水晶(アメジスト)を加熱すると黄水晶(シトリン)に変化するということが発見がされ、以来アメジストを加熱処理してシトリンを作るようになりました。
そのため、現在市場に出回っているシトリンの殆どは、アメジストを加熱処理したものです。
シトリンの特徴と種類

本来は無色透明である水晶に、鉄イオンが混じることで黄色へと変化したものがシトリンです。
「ほとんどのシトリンはアメジストを加熱処理している」と前述しましたが、「加熱処理した宝石は本物の宝石なの?」と疑問を持たれるかもしれませんね。
しかしこれは天然と養殖の違いと同じ。
天然のウナギも養殖のウナギも、どちらも本物のウナギですよね?
それと同じように、加熱処理をしたシトリンも本物であるといえるのです。
また、シトリンは水に強く傷つきにくい宝石ではありますが、太陽光には弱いので長時間直射日光に当てないように気をつけて下さいね。
アメトリン

アメトリンはアメジストのパープルと、シトリンのイエローがグラデーションになった美しい宝石です。
パープルとイエローという組み合わせが、とても神秘的ですね。
詳しくはこちらをお読みください。
マデイラシトリン

マデイラシトリンは深いオレンジ色のシトリンです。
ポルトガルのマデイラ島の「マデイラ・ワイン」に色合いが似ていることから、商業的にそう呼ばれることもあるようです。
シトリンのそっくりさん?

「シトリントパーズ」と表記されていることがありますが、そのような宝石は実在するのでしょうか?
シトリンとトパーズは、なかなか見分けがつかないほど似ています。
しかし、鉱物としての構成が全く異なる別の宝石です。
中世ヨーロッパでは、トパーズが上流階級の人々に非常に愛されていました。
そのため、シトリンがトパーズの代用にされることもあり、その当時の名残で今でもシトリンのことを「シトリントパーズ」と呼ぶ人がいるようです。
なのでもし「シトリントパーズ」と書かれた宝石を見かけたら、それはほぼシトリンだと思って良いでしょう。
1800年代のトパーズ人気から、いつしかシトリンの人気にも火がつき今に至ります。
そういえば、トパーズもシトリンと同じ、11月の誕生石ですね。
シトリンとトパーズ。
見た目も似ているので素人がこの二つを判別することは難しいです。必ず専門家に鑑別してもらいましょうね。
シトリンにまつわる言い伝えと石言葉

シトリンの石言葉は、繁栄、富、成功、幸福、希望。
古くから「富」と「商売繁盛」「金運」の象徴として大切にされてきました。
きっとシトリンの輝かしい色のイメージから来ているのでしょうね。
まとめ

シトリンの明るい輝きは、パーティにも普段使いにも向いています。
クォーツですので成分的にも安定しており、加工もしやすいタイプの石です。
年代を越えて男女ともに好まれる宝石なので、11月生まれの方へのプレゼントにもおすすめです。
カラッツ編集部 監修