アップルグリーンといわれる明るい色合いをもった宝石クリソプレーズ。
水晶と同じ石英グループの一つ、カルセドニーに属します。
翡翠に似ていることでも有名ですね。
今回はそんなクリソプレーズの魅力や特徴とともに、種類も交えてお話しします!
クリソプレーズとは?

明るいグリーンが印象的な宝石クリソプレーズは、和名では緑玉髄(みどりぎょくずい)と呼ばれています。
かつてはお城や教会の中を飾る装飾石として使われていたこともある歴史ある宝石です。
今でもカボションカットや球体に研磨され、ジュエリーやアクセサリーにされることが多い宝石として知られていますね。
クリソプレーズの名前はギリシャ語で“金色”という意味の「chrysos」、“西洋ねぎ”という意味の「prason」に由来して名付けられたといいます。
モース硬度は7。
原石の状態では白や茶色い部分が多く見られ、発色が良く半透明で内包物が少ないものは稀少なことから高く評価されます。
特徴
クリソプレーズの特徴的な美しいグリーンはニッケルに起因しており、長時間太陽の光の下にさらしたり、熱を加えると退色してしまうといわれています。
保管する際には、直射日光の当たる場所は避け、暗所にて保管しましょう。
また、半透明で艶やかな色合いのクリソプレーズは翡翠ともよく似ていることから、オーストラリア産のクリソプレーズが「オーストラリアンジェイド」という名前で売られていることもあるそうです。
翡翠との違いは、クリソプレーズの方がより明るく鮮やかなグリーンだといわれていますが、翡翠にも明るく鮮やかなグリーンが存在するので、見た目だけで見分けるのは非常に難しいとされています。
産地
オーストラリア、ロシア、アメリカ、タンザニアなど。
色
ライトグリーン、グリーン、イエローグリーンなど。
原石の形
クリソプレーズは肉眼では結晶が確認できない、塊状結晶鉱物の石英(せきえい)です。
コロイド状に固まって産出し、プルンとした艶やかで半透明なさまから“石のゼリー”のようだと表現されることも。
クォーツのように結晶状で産出しないため、原石には母岩が残り、茶色や白い部分や内包物が多く存在します。
クリソプレーズの仲間たち

クリソプレーズはグリーンのカルセドニーと前述しましたが、カルセドニーには様々な色があり、色によって名前が異なります。
例えば、赤いカルセドニーはカーネリアン。
褐色のものはサードと呼ばれます。
クリソプレーズの偽物って?

偽物と一口に言っても何を偽物とするかによって変わってきますが、ここでは「着色して色を変えたもの」と「クリソプレーズとは別の宝石をクリソプレーズとして販売すること」を偽物としてお話しさせていただきますね。
着色したクリソプレーズ
クリソプレーズは“表面に小さな穴がたくさん存在する”「多孔質」であることから、古くから着色されてきました。
現在では、処理の有無を明確にすることが一般的になっていますが、昔は処理の有無を区別せずに流通していたこともあるとされ、着色されたクリソプレーズが混在していると聞いたことがあリます。
多くは無色のカルセドニーをグリーンに着色し、クリソプレーズとして流通させているそうです。
同じカルセドニーとはいえ、「無色のカルセドニーをアップルグリーンに着色したもの」をクリソプレーズとして販売することは個人的にはとても違和感を覚えます。
別の宝石
クリソプレーズは着色処理されたものだけでなく、グリーンアゲートをクリソプレーズとして販売されているケースもあるといわれています。
成分としては全く同じですし、カルセドニーとアゲートは同じ石英の仲間でもあるのですが、厳密にいうとグリーンアゲートのグリーンは深みのあるグリーンで、クリソプレーズとは色の印象が異なります。
販売店によっては区別されていないことも多いので、注意が必要です。
また、レモンクリソプレーズという名前で販売されているものの多くはマグネサイトだといわれています。
分かった上で処理されたクリソプレーズやグリーンアゲートを購入するのはいいのですが、天然だと思って気に入ったクリソプレーズが着色だった・・・なんてことがないよう、購入の際には信用のおける販売店で買うことをお勧めします!
クリソプレーズの価格相場

クリソプレーズの価格相場は、ガイ※(1ctあたり)で100円~1,500円位で販売されていることが多いようです。
大きいサイズのものでも比較的手に入れやすい宝石といえますね。
※石のお値段はお肉がグラムいくらと出てるように、1ctあたりの金額が「ガイ」という単位で表されます。
最後に
多くの色が存在するカルセドニーのの中でひときわ美しく輝くグリーンの宝石、クリソプレーズ。
品のあるグリーンカラーは、丸みのあるカットを施すと艶やかな照りを放ち、クリソプレーズの魅力を最大限に引き出してくれます。
ネックレスやリング、ブローチにもピッタリですよ♪
カラッツ編集部 監修