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話題の色鉛筆画家、安部祐一朗氏✕KARATZコラボイラストが出来るまで

安部祐一朗 コラボ イラスト 猫 オレゴンサンストーン

SNSを中心に活躍し、テレビなどでも話題の色鉛筆画家安部祐一朗氏

特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」(2022年2月19日~6月19日国立科学博物館、7月9日~9月19日名古屋市科学館にて開催)のために描き下ろしたイラストも話題になりましたね。

そんな安部氏にこの度カラッツの宝石画像を使って、新たな作品を描き下ろして頂きました!!

今回のコラボ作品が出来上がるまでの過程と苦労した点拘った点などを伺いましたので、ご紹介したいと思います!

安部氏に作って頂いた動画も公開しています!

こちらを見ると、いかに細かく手を入れられているかがよく分かると思いますので、ぜひあわせてご覧くださいね。

※記事内に使用している動画および画像は、一部を除き、安部祐一朗氏にご提供頂いたものです。それらの著作権は安部氏に帰属します。

安部祐一朗氏ってどんな方?

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン

話題の方ではありますが、万が一ご存知ないという方のために、簡単に安部氏のプロフィールをご紹介しますね。

安部祐一朗氏は、2002年京都府京都市生まれの20歳。

2018年、高校在学時にSNSに投稿した宝石の色鉛筆画が話題を呼び、それをきっかけにテレビをはじめとする各種メディアより取材を受け注目を集めました

2020年生き物×宝石・鉱物の融合をテーマとした色鉛筆画を描き始め、現在、個展ライブドローイングなど、活動の幅を広げています。

また、2022年4月に発売された、著書「安部祐一朗の色鉛筆画「生物×宝石」の描き方」(グラフィック社)や冒頭でもお伝えした、特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」でのコラボ作品も話題を呼びました。

安部氏とカラッツは、その特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」の国立科学博物館での報道内覧会で知り合い、今回のコラボ作品へと繋がりました。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」

【宝石展】原石からジュエリーまで宝石の全てが学べる展覧会!

安部祐一朗✕KARATZ コラボ絵画

今回、カラッツから安部氏に提案した宝石モチーフは、アメリカの熟練研磨職人KEN氏が手掛ける、ボルテックスカットオレゴンサンストーン

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン2

ボルテックスカットの特徴的な形とオレゴンサンストーン特有の光学効果インクルージョン(内包物)を上手く描いて欲しいということを第一の要望としてお伝えしました。

それを受けた安部氏から融合させるモチーフとして提案されたのが

そしてこのような作品が出来上がりました!

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン

猫の毛のフワフワ感優しい表情に思わず抱きしめたい衝動にかられてしまいそうな、何とも可愛らしい作品です。

実はここに至るまでに、ラフ案を幾つも提出して頂くなど試行錯誤した時期もありました。

そんな誕生秘話も交えながら、完成までの道のりについてご紹介したいと思います。

作品が完成するまで

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン3

ボルテックスカットのオレゴンサンストーンと猫を融合させること自体は、打ち合わせの割合早い段階で決まりました

当初の予定では、肉球にボルテックスカットを融合させるという方向で話がまとまり、まずはラフ案を幾つか提出して頂くことになりました。

ラフ

そして頂いた最初のラフ案がこちらです。

案1
案2

打ち合わせ時から、肉球に融合させた際、大きさ的にボルテックスカットの特徴上手く映し出せるか、という懸念がありました。

そのため、猫の全身を描くパターン上半身だけのパターン2案をご提案頂きましたが、懸念を拭い切れず、勝手ながら、耳の中お腹部分、足裏などにも宝石を融合させられないかとご相談させて頂きました。

その提案を快く受けていただいた安部氏から、その後幾つかご提案頂いたものの、最初の案に追加する形ではどれもしっくりこない状況でした。

そんななか、別案として頂いたのが、丸まって寝ている猫ラウンドのボルテックスカットを融合させたもの。

この提案を見た瞬間、当初の課題であった、ボルテックスカットの特徴を上手く映し出せそうな大きさと構図にスタッフ一同感動するとともに、一気に期待が膨らみました。

ちなみにこの案誕生のきっかけは、寝転がっている猫の画像を撮るために訪れたという猫カフェ。純粋に可愛いと思って撮った写真インスピレーションを得て、とのことでした。

当初耳は寝ている状態でご提案頂いたのですが、トリリアントカットのボルテックスも併せて使って頂きたいという要望を伝え、こちらの最終案が出来上がりました。

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン6

本制作

ココからは、制作中に安部氏に撮影頂いた画像制作過程のコメントに沿ってご紹介していきましょう。

線画

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン7

『鉛筆の消し跡など紙に汚れが残らないよう、最小限の線線画をトレースします。』

色入れ

1
安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン8

『今回は宝石の色をベース全体の色を決めたかったため、まずはオレゴンサンストーンの耳から描いていきます。カラッツ様のご要望で耳もオレゴンサンストーンにさせていただきましたが、とても可愛らしくなったと思います!』
※制作の順番は作品によってバラバラです。

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安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン9

は事前に鉄筆(てっぴつ)という道具で毛並みを彫ります。そうすることで、色を塗った時、溝に色が入らず線が浮かび上がります。』

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安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン10

『先程とは違い、毛並みを1本1本描き込みます。』

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安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン11

メインとなる、ラウンドカットのオレゴンサンストーンを猫全体の色味に馴染ませるように描きます。この時、鉄筆で事前に紙に点を彫ったり、描いたりしてインクルージョンを表現しています。』

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安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン12

『メインのボルテックスカットに馴染むように茶トラのシマ模様を描いていきます。この時より馴染みやすいようにオレゴンサンストーンの中にも毛並みを描いています。』

完成

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン13

『最後にしっぽの模様を描き、完成です。』

今回の課題と最も難しかった点

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン14

特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」の取材時もそうだったのですが、お話を伺っていると、安部氏は作品ごとにテーマと課題を見つけ、毎回何かしらのチャレンジをされているように思います。

そこで、今回の課題最も難しかった点などについても伺ってみました。

課題

ボルテックスカットの実物を見た安部氏がまず感じたのは、

輝きが凄く、素敵なカット

ということ。

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン15

そして今までに見たことのないカッティング方法魅力を感じ、今回の課題として

『ボルテックスカット特有のカッティングを活かしつつ、一目で融合している箇所が分かるような作品にする』

ということを挙げられたといいます。

前述したように、初めは猫の肉球にボルテックスカットを当てはめるという方向で話が進んでいました。

しかしラフに落とした際、当初からの懸念点でもあった大きさという問題が重くのしかかります。

特に、出来上がったイラストはその後グッズ化し、カラッツ主催のイベントで販売するという予定もあったため、小さいグッズに入れた場合にもオレゴンサンストーンやボルテックスカットの特徴が上手く伝わるような作品にする必要がありました。

そんな時に思い付いた、丸まって眠る猫の体に大きくボルテックスカットを入れるという妙案。

この構図にしたことにより、グッズ化した際も猫と宝石の融合がひと目で分かり、かつ、ボルテックスカット特有の渦を巻いたようなカッティングを活かした作品に仕上げるという課題の達成も見えてきました。

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン16

最も難しかった点

今回の作品において最も難しかった点

毛並みがある生物宝石とをいかに自然に融合させるかだった』

と安部氏は語ります。

安部氏が動物の毛並みを描く際、通常、鉄筆(てっぴつ)という道具を使うことが多いといいます。

鉄筆紙に彫りを入れた後に色を加えることで、鉄筆で彫った部分(溝)には色が入らないため、白く浮き上がって見え、白い毛並み上手く表現することができるのだそうです。

例えば、国立科学博物館での特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」に展示されていた「ハチ公×モルガナイト」ハチ公の体部分などはその手法を使って描かれました。

しかし今回は、鉄筆を使ったのは顔と手のみで、体の部分は全て色鉛筆で描かれています。

安部氏の作品の中では比較的珍しいパターンなのだそうですが、そうした理由は、鉄筆を使った手法だと、猫とオレゴンサンストーンの部分キッパリと分かれて見えてしまい、二つを自然に融合させ難くなる恐れを感じたため。

これはかつて別の作品に試した際感じた違和感で、この経験から今回は、体の部分は色鉛筆だけで描くことに決めたといいます。

結果、猫の柔らかい毛並みをリアルに表現するとともに、猫の体オレゴンサンストーンを一体化するための工夫もさまざま取り入れることができました。

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン17
鉄筆を使って描いた部分
安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン18
色鉛筆だけで描いた部分

特に拘った点

この作品において最も拘った点は、宝石を通してシマ模様が透けて見えるようにしたり、ボルテックスカットの渦に巻き込むように猫の毛を描き入れたりしたこと。

こういった融合のさせ方は、今回初めての試みだったといいます。

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン19

肉球に入れる方向で考えていた時は、猫の体に宝石をただ当てはめるようなイメージだったようですが、変更した案において、ボルテックス特有のカッティングを活かしつつ猫の体にいかに自然に溶け込ませるかを模索していた際、模様にしたら面白いと思い付いたといいます。

また、猫の種類として茶トラを選んだことも同じ理由から。

ただ、だけは、イエローやブラウン味を帯びた通常の茶トラの色合いのままではなく、メインとなった宝石の色に合わせてオレンジっぽく調整されました。

完成品を見て感じること

前述した通り、今回のチャレンジテーマは、

『宝石のカッティングを活かした作品にする』

というもの。

特徴的なカッティングを活かした上で、猫の可愛らしさも残しつつ、自然かつ面白い、そして今までにない形での融合にチャレンジすることが最大の目標でした。

試行錯誤の結果、当初の案から大きく変わりましたが、今となっては「変えて本当に良かった」と感じているそうです。

完成した作品を見て一番思うことは

特有の輝きを放つオレゴンサンストーンのボルテックスカット寝ている猫融合させたことで、色々なギャップが感じられとても良い作品ができた。
(カラッツ側からの要望に応え)耳にも宝石を入れることになったが、結果的にとても良かった。想像以上に馴染んでくれ、耳飾りを付けているみたいでとても可愛らしい仕上がりになったと思う。』

とのこと。

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン20

確かに、柔らかくしなやかな猫の体硬質の宝石、という相反する二つ見事に融合し、かつ、穏やかな表情で寝ている猫と特有のカッティングから強い輝きを放つオレゴンサンストーン、という「静」「動」バランス良く組み合わさった作品ではないかと思います。

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン24

宝石を描き始めたきっかけ

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン21

安部氏が宝石を描き始めたきっかけは、

絵の練習に最適なモチーフだったから』

宝石は、部分的に見るのと全体で見るのとで色合いが異なって見えたり光の入り方など勉強になる要素が多く色鉛筆で最初に描いたモチーフブルーサファイアだったそうです。

しかし当時はサファイアとルビーが同じ鉱物ということさえ知らなかったほど宝石に疎く生物と融合させ始めた頃も単に面白いと思って描いていただけだったようです。

社会人となった今、作品に対する思い責任感が強くなり、描く前に対象となる宝石について調べたり実際に購入するなど、色々と変化が現れてきたといいます。

実物を買って見るようになったことでより興味が深まり、最近は原石を集めたり、少しずつ沼にハマりつつある、のだとか。

安部氏にとって宝石は、

『自分の人生に彩りを与えてくれるもの』

であり、

『描いていて良かったと本当に思う』

とのこと。

もし可能であれば、いつか自分でも採ってみたい、のだそうです。

最後に

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン22

若手色鉛筆画家として、注目を浴び続ける安部祐一朗氏とカラッツのコラボ作品についてご紹介させて頂きました。

構成がなかなか決まらずラフ段階で少し時間を要すなど、大変な思いをさせてしまった部分もありますが、結果的にとても愛着のもてる素敵な作品が出来上がり、安部氏に対しては感謝の気持ちしかありません。

オレゴンサンストーン最大の特徴である、光学効果インクルージョンも上手く表現頂き、宝石の魅力も深く感じられる作品ではないかと思います。

また、後日談として、イベント終了後のインスタライブに生出演して頂いた際、猫に名前を付けて欲しいとお願いしたところ

オレゴンサンストーンの鉱物名であるラブラドライトから

『ララちゃん』

と名付けても頂きました。

穏やかで可愛らしい寝顔で眠るララちゃんが入ったグッズは、今後もカラッツのイベントを中心販売予定です。

安部祐一朗 コラボ イラスト ネコ✕オレゴンサンストーン23

近くは、10月21日(金)~23日(日)福岡県・博多マルイにて開催予定です。お近くの方はぜひララちゃんに会いにいらして下さいね。

カラッツ編集部 監修