【宝石展】原石からジュエリーまで宝石の全てが学べる展覧会!

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」

2022年2月19日(土)より国立科学博物館(東京・上野)にて、特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」がついに始まりました!!

待ち望んでいた方、早速行かれた方も多いことと思います!

今回カラッツ編集部は、前日である2月18日(金)に開催された報道内覧会に参加させて頂きました!

内覧会に先立って行われたカズレーザーさんの取材会の様子や監修者挨拶会場風景などあらゆる方向から宝石展の魅力についてご紹介したいと思います!!

監修者の1人である諏訪貿易諏訪恭一(すわやすかず)会長から伺ったイベント開催までの秘話描き下ろし3作品が展示されている長靴をはいた描(ねこ)こと安部祐一朗氏のインタビューもあります!!

カズレーザーさん取材会

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」 カズレーザー

内覧会の前に、音声ガイドのナビゲーターを担当されたカズレーザーさんの取材会フォト&ムービーセッションが行われました。

キレイなものが大好きだという、カズレーザーさん。

カズレーザーさんが見どころとして一番に挙げられたのは、年代順に並んだ指輪の展示(国立西洋美術館所蔵 橋本コレクション)。

宝石展 橋本コレクション 指輪

古代エジプト時代の指輪から現代のものまでが一堂に会しており、時代とともにデザインカット方法使われる素材移り変わりを見ることができます。

宝石展 橋本コレクション 指輪4

ある時代を境に装飾が急に華美になるのが分かったりするのも面白いとカズレーザーさん。

また、キレイな宝石が沢山並んでいるので、その中で自分の推し宝石一つ見つけることも、特にお子さまにはオススメだとお話されていました。

宝石は特徴性質などがそれぞれ異なります

見つけた推し宝石について調べてみることで、そこから派生する多くのことが分かり知識を深めることができるから、とのことですよ。

開催秘話

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」2

カラッツ編集部がこのイベントのことを初めて知ったのは、実は約2年前。

諏訪貿易の諏訪恭一会長に取材させて頂いた時でした。

橋本コレクションのお話などを目をキラキラさせながらお話頂き、スタッフ一同、開催をとても楽しみにしてきました。

報道内覧会が始まる前に少しだけ諏訪会長とお話させて頂く機会があり、開催までの道のりについても伺いましたのでご紹介させて頂きますね。

宝石展 諏訪恭一

実はこのイベント開催に関わるプロジェクト約5年前に始まったといいます。

その頃はまだ新型コロナウィルスが発生する前、世界が今のような状況になることを誰も知るよしもなかった頃です。

当初は、海外の博物館が所蔵する品々を貸し出してもらい展示する計画もあったそうですが、新型コロナウィルス感染拡大の影響から断念し、国内にあるものだけで組み立てることに変更されたそうです。

それでも多くの原石、宝石、豪華なジュエリーたちが立ち並ぶ様子を見ると、当初の計画通りに進んでいたら、どんなスゴイことになっていたのだろうと、むしろ想像すら難しい状況です。

今回の展示品の中で、諏訪会長が皆さんにぜひ見ていただきたいと熱く語られる宝石があります。

それは、あるジュエリーにセッティングされた誰もが知る有名宝石なのですが、それが何かについては、後ほど改めてご紹介いたしましょう。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」

特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」誕生秘話!監修者宮脇律郎氏に聞いた、開催への思い

報道内覧会開始!

報道内覧会の冒頭には、監修された先生たちの紹介ご挨拶がありました。

向かって右から、国立科学博物館 地学研究部 部長 宮脇律郎氏、同じく国立科学博物館 地学研究部 門馬綱一氏、愛知大学教授 西本昌司氏、そして、諏訪貿易会長 諏訪恭一氏です。

宮脇氏の挨拶の後、いよいよ内覧会開始です!

原石発掘から始まる宝石の歴史

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」3

特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」は、全部で5つの章で構成されています。

第1章:原石の誕生

第2章:原石から宝石へ

第3章:宝石の特性と多様性

第4章:ジュエリーの技巧

第5章:宝石の極み

原石ができるところからジュエリーとして人の手に渡るまで、順に追って見ることができ、お子さまや宝石に詳しくない方でも楽しく学べる工夫が所々に散りばめられています。

カズレーザーさんがナビゲーターを担当された音声ガイド(一般・大学生:600円)を聞きながら回ると、クイズやパネルにはない小ネタも入り、より楽しく学べますよ。

第1章:原石の誕生

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第1章

第1章原石どのような場所生成されるかの説明と生成場所別展示された原石たちを見ることができます。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第1章2

場所によって結晶が大きく育ちやすかったり、逆に小さい結晶しかできにくかったりするそうです。

その理由についてもパネル音声ガイドで説明してくれます。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第1章3
画像左上:アクアマリン(ミュージアムパーク茨城県自然博物館所蔵)
左下:トルマリン(神奈川県立生命の星・地球博物館所蔵)
右下:ペグマタイト 晶洞(ミュージアムパーク茨城県自然博物館所蔵)

原石の展示のには隕石の紹介もあります。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第1章5
パラサイト<エスクエル隕石>(ミュージアムパーク茨城県自然博物館所蔵)

コラボ企画の一つである、『七つ屋 志のぶの宝石匣』(二ノ宮 知子著 講談社)の登場人物が紹介するパネルの展示も至るところにあります。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」七つ屋志のぶの宝石匣 展示パネル
©二ノ宮知子/講談社

2つ巨大なアメシストドームの展示もあり、写真を撮ることもできます。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」 カズレーザー
カズレーザーさんの取材会の様子

第2章:原石から宝石へ

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第2章

第2章原石がどのように宝石へと変わるか、原石の採掘宝石研磨について、動画パネル展示物で紹介されています。

特にラウンドブリリアントカット研磨工程模型は分かりやすかったです。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第2章 ブリリアントカットの工程見本
ブリリアントカットの工程見本(山梨県立宝石美術専門学校所蔵)

宝石の研磨についての展示が終わると、橋本コレクションの展示コーナーに移ります。

宝石展 橋本コレクション 指輪5

カズレーザーさんもオススメの橋本コレクションは、古美術収集家であった橋本貫志氏(1924-2018)がその生涯で収集した指輪のコレクションです。

国立西洋美術館寄贈された800点あまりのコレクションの内、宝石がセットされており、かつ、製造年が分かる約200点が展示されています。

先述したとおり、年代順に並べられているため時代とともに素材変遷技術発展目に見えて分かります。

宝石展 橋本コレクション 指輪2

上に掲げられた歴史年表も合わせて見ると、技術発展のタイミングなども分かり、より面白いですよ。

宝石展 橋本コレクション 指輪6

ただ、貴重なコレクション数々に思わず足を止めてじっくり見たくなってしまうため、混みやすいコーナーでもあります。

じっくり見たい方は、平日朝イチの比較的空いている時間帯時間の余裕をもって行かれることをオススメします。

第3章:宝石の特性と多様性

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第3章

橋本コレクションが終わると、宝石の特性バリエーションなどについての展示がある第3章に入ります。

色々な説明パネルとともに、本当に多くの原石ルースたちが並んでおり、ここもゆっくり見ようとする時間が掛かるかもしれません。

しかし、種類性質ごとに並べられた宝石たちを見ているだけでも勉強になりますし、時間が経つのを忘れる位充実したコーナーが続きます。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第3章2 宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第3章3 宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第3章4

中にはネギそっくりの見た目をしたトルマリンなど個性豊かな宝石もありました。

トルマリン(神奈川県立生命の星・地球博物館所蔵)

蛍光する石が並べられた小部屋もあり、宝石好きにはたまらない仕掛けも。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第3章5 蛍光する鉱物 宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第3章6 蛍光する鉱物

 

ご覧ください、この指輪にセッティングされた宝石、美しく輝くブルーが見事だと思いませんか。

 

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第3章7 カシミール産サファイアリング
サファイア カシミール産 (個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート)

こちらが、かの有名なインドカシミール産コンフラワーブルーサファイアの指輪でございます。

 

このコーナーには、3つ有名な産地ミャンマー(左)、カシミール(中央)、スリランカ(右)で採れたブルーサファイアの指輪が一緒に展示されています。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第3章8 産地別サファイアリング

それぞれの色合いの違い特徴がお分かりになるでしょうか。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第3章9 カシミール産 ミャンマー産 スリランカ産 サファイアリング
左:サファイア 15.06ct ミャンマー産 
(個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート)
中央:サファイア 16.18ct カシミール産 
(個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート)
右:サファイア 20.14ct スリランカ産 (協力:翡翠原石館)

カシミール産サファイアのベルベットのような少しシルキー感のある色合いは本当に美しく、一見の価値ある展示だと思います。

個人的凄いと感じたのは、所々に飾られているクォリティスケールと色とりどりの宝石が並べられた宝石の色相環(ともに、諏訪貿易所蔵)。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第3章11
左:ルビー(ルース)のクォリティスケール、右:宝石の色相環 (ともに、諏訪貿易所蔵)

クォリティスケールとは、宝石ごとに色や透明度で価値の違いが分かるように並べられた見本帳のようなもの。

以前、諏訪会長の取材をさせて頂いた際、諏訪会長仕事を始められた当時、日本には宝石の勉強ができる場所価値の違い教えてくれる人おらず、分からないことだらけだったとおっしゃられていました。

そのため、誰が見ても価値がひと目で分かり判断がしやすくなるように、クォリティスケールを作られたといいます。

ルビーやサファイアといった有名宝石だけではなくターコイズラピスラズリといった不透明石まであり、細部まで拘りを感じました。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第3章12

宝石商を目指している方や宝石の価値を知りたい方は、このクォリティスケールを本にしたGEMSTONES QUALITY GUIDEも勉強になりますよ。(初日はお土産ショップでも販売されていました。)

他にも、日本産宝石レアストーン巨大宝石の展示など、本当に見どころが盛りだくさんで、全てをご紹介できないことがとても残念です。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第3章10

第4章:ジュエリーの技巧

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第4章

第4章は、趣向が大きく変わり、ここからはジュエリーの展示に移ります。

ヴァン クリーフ&アーペルギメルの作品が並びます。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第4章2
宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第4章3
「アメンタ ネックレス」
(アトランティド コレクション ヴァン クリーフ&アーペル所蔵)

日本の四季をイメージした作品たちや

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第4章6
画像右下:向日葵 ブローチ (ギメルトレーディング所蔵)

珍しいトラピッチェエメラルドを使ったユニークなジュエリーなど、

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第4章5
画像左:トラピチェ・エメラルド亀 ピンズ
右:”一輪車にのって” ピンズ (ともに、ギメルトレーディング所蔵)

まさに眼福な製品たちが次々と出てきます。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第4章4
「ランビタシオン ネックレス」(<パル ド レシャンド(伝説の舞踏会)> コレクション ヴァン クリーフ&アーペル所蔵)
宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第4章5
パンカ セット
(ヴァン クリーフ&アーペル所蔵)

ジュエリー加工にまつわる説明パネルなどもありますので、ここでも楽しく勉強ができます。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第4章7

第5章:宝石の極み

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第5章

第5章は、宝石の極み豪華絢爛アンティークジェエリーたちが艶やかに並びます。

ここに前述した、諏訪会長がぜひ見ていただきたいといわれた宝石があります。

それがこのジュエリー。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第5章10
アール・ヌーヴォー ローレンス作
エメラルドのクローバー・リング
20世紀初期
(個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート)

メイン石としてセッティングされている最高品質コロンビア産エメラルドの美しさをぜひ多くの方に見て頂きたいとのこと。

コロンビア60回以上行き、数多くのコロンビア産エメラルドを見てきた諏訪会長でも今まで見た中で3本の指に入る程の美しさだといいます。

第5章の中央付近にありますので、ぜひご覧ください。

その他にも豪華絢爛なジュエリーたちが立ち並びます。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第5章2
ウェリントン公爵のシャトレーヌ・ウォッチ
1809年頃
(個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート)
宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第5章7
アールヌーヴォー ブシュロン作
彫刻を施したダイヤモンドとルビーのバタフライのブローチ
1892年頃
(個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート)
宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第5章8
ヴィクトリアン デマントイド・ガーネット サラマンダーブローチ
1880年頃
(左:個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート、右:アルビオン アート・コレクション所蔵)
宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第5章9
ベルエポック 伝ブシュロン
ダイヤモンド、スターサファイア、エメラルドのピーコック・フェザー・エイグレット/ブローチ 1880年頃
(個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート)

第2会場へ

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第2会場

第5章が終わると、音声ガイド返却場所があり、順路第2会場へと続きます。

第2会場には、桜石ダイヤモンドのインクルージョンについての展示のほか、昨年の「JJAジュエリーデザインアワード」(一般社団法人日本ジュエリー協会(JJA)主催)の入賞作品などが並びます。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第2会場2

そして、色鉛筆画家長靴をはいた描(ねこ)』こと、安部祐一朗氏の描き下ろし3作品が展示されているコーナーへと続きます。

色鉛筆画家 安部祐一朗氏インタビュー

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」 長靴をはいた描(ねこ)1

お待たせいたしました!

ここからは、色鉛筆画家長靴をはいた描(ねこ)』こと安部祐一朗氏のインタビューの様子をご紹介したいと思います。

プロフィール

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」 長靴をはいた描(ねこ)2

安部祐一朗氏は、2002年生まれ現役大学生でありながら、TwitterInstagramなどSNSを中心活動されており、生物宝石や鉱物融合させた人気を博している色鉛筆画家です。

今回の宝石展のために3点描き下ろし、出展されています。

コラボすることになったきっかけは?

監修者のお一人である門馬綱一氏(国立科学博物館 地学研究部)がSNSを通し安部氏の活動を知り主催者に推薦されたことがきっかけだったそうです。

安部氏自身も門馬氏が監修された本を持っており、以前からご存知だったそうで、そんな方にお声がけ頂き大変光栄に思っているとのことでした。

展示されている作品のコンセプト

今回の3作品のコンセプトはずばり「挑戦」。

今まで発表してきた作品とは異なる分野に挑戦してみたく、モチーフや宝石も色々考えて選ばれたそうです。

最初に決まったのはモチーフの方。

主催者から国立科学博物館にある標本をモチーフに描いて欲しいとの要望を受け、提示された5点の中から3点選び、その後それぞれにどの宝石を融合させるかストーリーテーマ考えながら決めたといいます。

それぞれどういった理由で選んだか一つ一つご紹介しましょう。

フタバスズキリュウ 化石 オパール化

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」 長靴をはいた描(ねこ)描き下ろし原画1

フタバスズキリュウ選んだ理由としては、今まで色々な作品を描いてきた中で、恐竜の化石モチーフにしたことはなかったため。

この作品については、モチーフで挑戦されたとのこと。

宝石としてオパールを選ばれた理由は、化石がオパール化することがあるということは、以前から知っており、いつか作品にしてみたいと思っていたそう。

ただ、生物とどう融合すべきか上手くイメージできずにいたところ、今回の話を受けて、挑戦することにしたといいます。

最も拘った部分は

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」 長靴をはいた描(ねこ)描き下ろし原画2

でしか表現できないオパールの美しさを表現したかったとのことで、特に顔の部分重点的に描かれたといいます。

制作には塗りの部分だけで約10日掛かったとのことですが、実はこの作品、一度ボツにして描き直されたものだそうです。

作品をボツにするのは、これまでも含めて初めてだったそうで、それ程、オパールを絵で表現するのはとても難しかったとのことです。

ご本人も「新しく開拓できた作品」といわれる程、拘りぬいた作品です。ぜひそういった観点でも見て頂きたいと思います。

ハチ公×モルガナイト

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」 長靴をはいた描(ねこ)描き下ろし原画3

ハチ公と合わせたのはモルガナイト

何故、モルガナイトを選んだかと伺うと、まず、今回出展された作品で使う宝石はダイヤモンドやサファイアのように誰もが知っているような有名宝石以外のものを主に使いたかったとのこと。

有名ではないけれど、知っている人は知っている宝石を使うことで、今まで宝石に興味がなかった方宝石好きな方両方楽しんでもらえたら、という思いがまず根底にあったといいます。

その中でモルガナイトを選んだ理由は、主人を駅で待ち続けたハチ公深い愛を表現するのに、モルガナイトの象徴とされている「優美」「愛情」といったイメージ優しい色合い合致したからだそうです。

モルガナイトといえば、昨年12月末に全国宝石卸商協同組合より4月の誕生石追加されたとして注目を浴びている宝石の一つでもありますね。

モルガナイト ルース
カラッツSTOREのモルガナイト

この作品は、前出のフタバスズキリュウとは異なり、これまでの作品の延長線上というか、今まで得た技術経験を存分に出し切った作品に仕上がったとのことです。

尻尾の部分に原石を生えさせたのは、標本のハチ公が白っぽくてのようなイメージももてたので、原石もどこかに使いたかったそうです。

よく見ると、爪の先ピンク色に塗られていたり、細部の拘りまで見て頂きたい作品です。

シロナガスクジラ×ダイオプテーズ

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」 長靴をはいた描(ねこ)描き下ろし原画4

ダイオプテーズもなかなかマニアックな宝石を選んだな、という印象でしたが、この宝石をシロナガスクジラと融合させた理由を伺うと、

シロナガスクジラは、全長30m近くになることもある巨体をもちながら、繊細さ持ち合わせている生き物とのこと。絶滅危惧種にも指定されていますね。

シロナガスクジラの繊細さを表現したくて、モース硬度が5と低めで2方向に劈開性をもつダイオプテーズが選ばれたとのこと。

実は今回モデルとなったダイオプテーズ宝石展の中に展示されているものだそうです。

どこに展示されているか、ぜひ探してみてくださいね。(ヒントは第3章です)

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」シロナガスクジラ ダイオプテーズ
この2つの融合作品です

また、この作品における挑戦部分としては、大きさ

先の2作品A4サイズなのですが、こちらはF6という一回り大きいサイズの紙に描かれており、これまでで最も大きい紙に描かれた作品とのことです。

シロナガスクジラは地球上最も大きい生物といわれ、前出のフタバスズキリュウの約2倍程の大きさになるそうで、紙のサイズを変えることでも大きさを表現できればということだそうです。

安部祐一朗氏は、一つの作品を平均10日2週間程度作られることが多いそうなのですが、この作品については、大体20日程度掛かったとのこと。

シロナガスクジラのダイナミックさと繊細さ、そしてそこに組み合わされた際立つグリーンが美しいダイオプテーズとの融合じっくり感じて頂きたい作品です。

見て欲しいポイント

安部祐一朗氏の今までの作品は、自然に溶け込ませることをテーマに描かれたものが多かったそうですが、今回は宝石展ということで、宝石を主張させるべく、強め描いているので、宝石をメインに見てもらえたらとのことでした。

オパール遊色織りなす美しさ、原石からカットされたものまで色々な形をしたモルガナイトの優美さ希少石ダイオプテーズ存在その魅力など、ぜひ色々な角度から楽しんで下さいね。

『七つ屋 志のぶの宝石匣』著者二ノ宮知子描き下ろし作品

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」七つ屋志のぶの宝石匣 描き下ろし原画

安部祐一朗氏の3作品の横には、会場の至るところにパネル展示があった『七つ屋 志のぶの宝石匣』の作者である二ノ宮知子先生の描き下ろし作品もあります。

実はこの作品に描かれている宝石たちは全て第1会場に展示されているものです。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」七つ屋志のぶの宝石匣 描き下ろし原画2

第2会場から第1会場に戻ることはできないため、先にあたりをつけてから見られることをおすすめします。

顕定が付けているブローチ以外は第3章、ブローチは第5章にあります。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」
画像左上:トルマリン<ラフ>(日本彩珠宝石研究所所蔵)
右上:ロッククリスタル<ラフ>(日本彩珠宝石研究所所蔵)
左下:アマゾナイト<ラフ>(国立科学博物館所蔵)
右下:インペリアル・トパーズ<ラフ>(国立科学博物館所蔵)
宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」第5章11
ヴィクトリアン ミャンマー産
サファイアとダイヤモンドのブローチ
1840年頃 (個人蔵、協力:アルビオン アート・ジュエリー・インスティテュート)

お土産品も充実!

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」お土産ショップ

特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」は、最後まで気を抜くことができません

第2会場の隣りに特設されたお土産ショップではオリジナル商品を始めとした数多くの品々が並びます。

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」オリジナルグッズ 宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」オリジナルグッズ2

この他、監修された先生たちの本宝石鉱物アクセサリーなど目移りする程多くの商品があり、お土産選びにも時間を費やすこと必至です。

出口付近には、鉱物ガチャまでありました。

宝石展の思い出やご家族、ご友人へのお土産用にぜひ立ち寄ってみて下さいね。

最後に

宝石展 特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」

特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」の内覧会の様子をご紹介しました。

実は、内覧会では写真撮影とインタビューのことで頭がいっぱいできちんと味わえなかったこともあり、翌日である開催初日改めて行って来ました。(一部その時に撮った写真もあります)

予約時間が夕方だったため多くの方で賑わってはいましたが、予約人数の制限をされていることもあり、ごった返していてゆっくり見られない、ということはありませんでした。

ただ、橋本コレクションルースが並んでいるコーナーなどは作品数も多く間近でゆっくり見るためには並ぶ必要がありました。

また、第5章アンティークジュエリーのところ以外写真撮影可能です(※フラッシュおよび動画撮影はNG)。

一つ一つゆっくり見たい方写真が沢山撮りたい方は、平日朝イチ比較的空いている時間帯か、余裕をもって行かれることをオススメします。

どちらかと言うと、ジュエリーの方が比較的ゆっくり見られるものが多かったように思います。

美しいものを見ながら楽しく勉強でき、全身で宝石を感じることができる、特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」は、6月19日(日)まで、国立科学博物館 地球館地下1階 特別展示室 にて開催中です。

良かったらぜひ足を運んでみてください、きっと宝石を通して、地球の奥深さ再認識することもできると思いますよ。

特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」から生まれた書籍「起源がわかる宝石大全」も好評発売中です。監修者4名の拘りがつまった素晴らしい本です。

この書籍について紹介した記事もありますので、宜しければこちらも併せて読んでみて下さい。

宝石大全

特別展「宝石」から生まれた新刊「宝石大全」何が凄い?どこが違う?著者4人を直撃インタビュー!

カラッツ編集部 監修