ブラジル産エメラルドの特徴は?産地別の特徴

ブラジル産エメラルド

エメラルドの産出量が多く高品質であることから、世界で最も重要な供給国のひとつであるブラジル。鉱山が続々と発見され、土地によって原石の特徴もさまざまです。

こちらでは、ブラジル産エメラルドが発見された年代と鉱山、さらに鉱山ごとのエメラルドの特徴についてをお伝えしていきます。

ブラジル産エメラルドの歴史と鉱山

ブラジル
ブラジルで本格的にエメラルドの採掘が盛んになったのは、1970年代初頭に入ってからです。同じ南米のコロンビア産ほど有名ではありませんが、良質のものが産出されています。

ポルトガル人がエメラルドを探す

1520年代にスペイン人が南米のコロンビアを征服し、エメラルド鉱山で本格的に採掘を始めました。同じ頃ブラジルを征服していたポルトガル人もこの土地で宝石の採掘を始めていました。

そんな折、ポルトガル人はブラジルのミナス・ジェライス州で緑色の原石を発見します。
しかしこれはエメラルドではなくトルマリンでした。

バイア州

サリニンハ鉱山

ブラジルでエメラルドが発見されたのは、1963年。トルマリンが発見されてからおよそ400年後のことでした。この鉱山はすぐ枯渇したことから産出量が極めて少なく、全部でおよそ135㎏ほどを産出したのみでした。

カルナイーバ鉱山

1965年になると、同じバイア州のジャコビナでもエメラルドが発見されます。大きくて良質のものが量産されることから採掘が盛んになり、この一帯はカルナイーバ鉱山として有名になります

ミナス・ジェライス州

イタビラ/ノヴァ・エラ鉱区

1979年にはミナス・ジェライス州でエメラルドが発見されます。特にイタビラとノヴァ・エバ近くにある鉱山では、高品質のものが安定した量で産出されています。

中でもイタビラ近くのベルモント鉱山は最も有名。世界中からの需要も高く、設備の整った環境で採掘が行われています。

カポイエラナ鉱山

1988年にはイタビラ鉱区から地層続きの場所にある「カポイエラナ鉱山」が発見されます。当時から個人の鉱夫が手作業で採掘を行っており、最近では採掘作業が困難になってきているということです。同地区にある「モンテベロ」鉱山はこの一帯で最も規模が大きく、整った設備で採掘作業を行っています。

ピテイラス鉱山

1998年にイタビラから続く鉱脈帯で発見された鉱山です。現在は閉山しており、採掘作業は行われていません。

ゴイアス州

サンタ・テレジーニャ鉱山

1981年にゴイアス州にあるサンタ・テレジーニャ地区で鉱山が発見され、1970年~90年代には主要なエメラルドの採掘地となります。この一帯には原石が均一に分布していたことから採掘しやすく、鉱山の枯渇も早かったのだろうと言われています。

トカンチンス州

パライソ鉱山

1996年にはトカンチンス州のパライソで鉱山が発見されています。

トラピッチェエメラルド

トラピッチェエメラルド ルース
トラピッチェはコロンビアのムゾー産特有のものでしたが、1994年代には、ブラジルのゴイアス州でも発見されています。トラピッチェの原石を見ると、6個の結晶がカーボンによる6つの線で区切られており、これを輪切りにカットすると、表面に真っ直ぐな6本の黒い線が現れて星のように見えるものです。

まとめ

ブラジル産エメラルド3
ブラジル産エメラルドの歴史と鉱山別の特徴をお伝えしました。ちなみに、バイア州では341㎏もある世界最大のエメラルドも発見されています。

ブラジル産のエメラルドは高品質で、世界で最も需要の高い産地のひとつです。ジュエリーとして購入される際にも、ぜひ参考にしてくださいね。

カラッツ編集部 監修