レアストーンをお探しのみなさまの中には、お店やミネラルショーでもなかなか見つけられずにインターネットで探す方も多いはず。大手ショッピングサイトであれば、欲しいものがあることもあるんですが、お高いんですよね~。
「ほしいなー。高いなー」とパソコンを眺め倒している時、ふと相場よりも安くて手の届く値段、しかも高品質な商品が検索に引っかかったらどうしますか?
今回は見つけたサイトを事例に、少し前の話で恐縮ですが、検証のために詐欺サイトでお買い物をして返金まで迫ってみた、過去の体験談をご紹介します。
目次
安すぎず、でも安い!という微妙なところをついてくる手口
なぜこの記事を書こうかと思ったのかというと、久しぶりにこんなサイトを見かけたからです。
…これ、安くないですか?
ちょっと色は薄そうだけど、ちゃんとカラーチェンジしてるみたいだし(白熱灯を当てた感じがないのが不思議ではありますが)。
サイズの選択の幅が妙に広すぎる気はしますけど、これはお買い得!
でも待って!このサイトは明らかに詐欺サイトです。どこが詐欺なのかについて、その手口や対策、チェックポイントをお伝えしますね。
チェックポイント①運営会社の情報
一昔前のサイトであれば、運営会社情報がない詐欺サイトも多かったのですが、最近はそこまであからさまだと誰も引っかからないからか、細かいところも作り込まれています。
こんな感じでそれっぽい内容が書かれていますが、電話番号とFAX番号がおかしいですよね。メールアドレスもちょっと変だし。
サイト名も自分の名字に通販サイトという名前をつける人います?
また、調べた感じだと、住所は高級マンションのようです。そんなところに会社はないと思います…。
チェックポイント②銀行振込は要注意
それでは、実際に購入してみましょう。
購入のカート画面はこんな感じです。
ん?確認画面に「銀行振込」というやたらでかいアイコンがあります。しかし、サイトの下には下記のような表記が…。
もともと「カード」や「コンビニ」での決済もできるよと謳っているのに、実際の決済画面では「銀行振込」とだけしか書いていません。
典型的な手口なのですが、詐欺サイトはとにかく「銀行振り込み」です。それ以外の決済方法がない場合は警戒するに越したことはないですね。
チェックポイント③商品ページをいくつかチェック
商品ページをいくつかチェックしてみると、さらに矛盾点が見つかります。
たとえばこちらは「問い合わせID」という、いったい何に使うのか分からないID情報や、リンクされていない「レビュー」などがあります。
こんな風にいきなり決済方法が書かれているとかも違和感です。
それ以外にも別の利用規約や他の会社概要、支払い方法についてまで書かれているページもあります。
これ要は、まったく別のサイト(恐らく楽天さん・・・?)から商品画像やページ情報をまるまるコピーしているという手口に見えるのです。
もちろん、インターネット上のセレクトショップもありますが、一般的なセレクトショップであれば、購入は本家サイトに飛ばされるはずですしね。
他にも、「店長の部屋はじめました!」がリンク切れだったり、セールのバナーもリンクがなかったりしますが、閲覧履歴まであって作り込まれていますよね。
商品一覧を見てみると、商品の画像が無理なリサイズでぐにゃっとしていたり、不揃いだったりするのも気になります。
楽天さんのサービスである「あす楽」というアイコンまでありますね。「あす楽」は楽天以外のサイトで使えないと思うのですが・・・。
事例:詐欺にあったら何が起きるの?
さて、先程のサイトではないのですが、私は数年前にもレアストーンを求めて怪しいサイトを見かけたことがありました。
当時はそれほどルースがメジャーなものではなかったので、「レアストーンの詐欺サイトなんて本当にあるのかな?」と興味を持ったんです。
そこで、3,000円以内の当時は珍しかったアパタイトのルースを1つ注文してみました。
https://recarat.com/online/2018/06/01/apatite/
この記事のトップ画像のようなブルーのアパタイトです。
その後、すぐにメールで振込先の連絡が届きます。
ここで対策として、本気で騙されたくない人は必ずやっておいた方がいいことがあります。
インターネットでその口座情報を検索してみるのです。詐欺口座として情報が公開されているケースもあります。
私の場合はとりあえず振込みをしてみました。
詐欺にあったと分かった後にできる対策
案の定、振込みをしたあとはパタリと連絡が途絶え、商品も届く気配がありません。
1週間経過して、銀行に問い合わせの電話をしてみました。その結果が、詐欺の疑いによる口座凍結中という回答。
その時、銀行の方に「凍結中の口座にはお金が残っていて、希望者で分配する」と言われました。
正直、3,000円ほどの金額は興味本位で詐欺に投資したようなものだったので、戻ってこなくても良かったんですが、ここでまた好奇心がフツフツ。
「分配をお願いします!」と全力で伝えてみました(笑)。
その後の流れはこんな感じでした(今は仕組みが変わっているかもしれないですが)。
返金申請用の書類が送られてきて、それに必要事項を記入して銀行に送ります。私の場合は書類に不備があったとかで、結構手間取りました。
何度も電話したり、書類を出したりして、最終的には2,000円ほど返金されました。確か、損失は600円程度で済んだ気がします。
というわけで私が「対策」としてお伝えできるのは「銀行に懇願してみる」という正面作戦です。
しかし、中には数十万も振込をしてしまった人もいて、その人にはさすがに全額は戻らなかったとか。せつなすぎます…。
一番の対策は「君子危うきに近寄らず」
もちろん、詐欺はインターネット上だけではありません。
宝石の世界は定価がないからこそ、いくらでも詐欺ができるのだと思います。
ここまでの詐欺でなくても、商品ページで見たのとは似ても似つかない品質のジュエリーが届いたという声もよく聞きます。
口を酸っぱくして何度も言っていますが、一番の対策は「変な冒険をしないこと」。
とにかく信頼できるお店、相手、または実物を見て購入しましょう!
下記の「悪質な海外ウェブサイト一覧」などでチェックすれば、被害にあうのを防ぐことができる可能性もあります!
他にも、ネットには情報がたくさんありますので、できる限り調べてみてから購入ボタンを押してくださいね。
カラッツ編集部 監修