クォーツの中で、無色透明のものをロッククリスタルといいます。
ロッククリスタルと聞くとあまりなじみがないな…と思われる方もいるかもしれませんが、占い師が持っているようなイメージの、透明な「水晶玉」というと想像しやすいのではないでしょうか?
水や氷のように透明で透き通ったもの程評価が高いとされるロッククリスタル。
今回はそんなロッククリスタルの特徴や種類などをご紹介したいと思います!
ロッククリスタルの特徴
冒頭にも書きましたが、ロッククリスタルとは透明度の高いクォーツのことを指します。
そもそもクリスタルとは、ギリシャ語のクリスタロスが語源で、「氷」や「透明な水」という意味があります。
透明な水が宝石として結晶化したようなロッククリスタルは、多くの民族が宝として珍重し、古代より人々から大切に扱われてきました。
仏教の中で七宝として祀られたものの一つ、「玻璃(はり)」もロッククリスタルのことです。
世界中の遺跡などからも、玉にして研磨されたロッククリスタルは多く出土しており、長い間世界中でお守りとして利用されてきたことが伺えます。
現代でも、パワーストーンとしてクォーツは高い人気があるようです。
しかもロッククリスタルは、モース硬度が7であり、デイリーユースのアクセサリーにもピッタリです。
また結晶の方向によって欠けやすい特徴を持つ劈開性もなく、玉にしたり、個性的なカットにしても十分な強度を保ちますので、大きな結晶や個性的なカット、ビーズにと様々な形で楽しむことが出来ます。
産地
主な産地はブラジルですが、アメリカや中国、日本の山梨県などでも産出します。
ロッククリスタルとクォーツ(水晶)の違い
ロッククリスタルも鉱物的にはクォーツ(和名:石英/せいえい)で、一般的にクォーツや水晶と呼ばれているものと同じですが、クォーツの中で特に透明度の高い、クリアカラーのものをロッククリスタルと呼びます。
他にクォーツ(水晶)と呼ばれるものの中には、ローズクォーツやアメジスト、スモーキークォーツなどといった色付きのクォーツも含まれますが、ロッククリスタルには色が付いたものは含まれません。
すなわち、ロッククリスタルとクォーツの大きな違いは「色がクリアカラーか否か」ということといえるのかもしれませんね。
ただ実際にはロッククリスタルとクォーツの間に明確な線引きはなく、業者や販売店によって差があり、定義にも違いがあったりもします。
ロッククリスタルの種類
ロッククリスタルは“クリアで透明度の高いクォーツ”とお話してきましたが、実は特殊なインクルージョン(内包物)が存在することで評価されているロッククリスタルもあります。
有名なものではルチルクオーツでしょうか。
ゴールドのルチルが内包された、不思議な魅力が人気の個性的な宝石です。
クォーツの仲間はとても種類が多く紹介しきれないほどの種類がありますので、こちらでは少し珍しい種類を一部ご紹介します。
オイルインクォーツ
ロッククリスタルの中に石油が内包されている、オイルインクォーツ。
気泡も一緒に内包されており、クリアなクォーツの中で気泡がころころと動く、何とも面白いロッククリスタルです。
ブラックライトを当てると、ブルーの蛍光色を放つのですが、その姿はまるでジブリ映画に出てくる飛行石さながら。
幻想的な姿に目を奪われます。
▶オイルインクォーツについてはこちらの記事も参考に♪
ファイアークォーツ
ファイアークォーツとはレピドクロサイトが内包されたクォーツのことです。
別名「ハーレクイン水晶」とも呼ばれていましたが、現在は廃れつつある呼び名で、多くはファイアクォーツやレピドクロサイト・イン・クォーツと呼ばれます。
赤色のレピドクロサイトが花びらや紙吹雪のように内包され、結晶の全体ではなく一部分に集中して内包されているものを特にファイアクォーツやレピドクロサイト・イン・クォーツと言います。
丸く研磨されたファイアクォーツは万華鏡のようにレピドクロサイトをズームして見せてくれ、自然から生まれたとは思えない個性的な見た目は、マニア魂をくすぐる魅力があるようです。
最後に
氷や水が結晶化したような、クリアカラーが美しいロッククリスタル。
「氷の化石」の異名ももっているのですが、まさにぴったりな呼び名といえますね!
原石の形からハーキマーダイヤモンドと呼ばれる種類もあります。
浄化作用やお守りとしても愛され続けているロッククリスタルは、老若男女問わず、カジュアルなアクセサリーにも、ラグジュアリーなデザインにもフィットします。
流通量が豊富であることから、大粒のものも比較的安価で手に入りますので、是非手にしてみてくださいね♪
カラッツ編集部 監修