ネオンカラーが美しいパライバトルマリン。
宝石好きのあなたなら、きっと一つは持っていたいと思う、魅惑的な宝石のひとつですよね。
実はそういう私もその虜になっているファンのひとりです!
パライバトルマリンは、ブラジルで発見されて以来、世界中の宝石ファンを魅了し続けてきました。
パライバトルマリンの人気がこれほども高く、価値が高騰している理由は何なのでしょうか。
こちらでは、そんなパライバトルマリンの魅力や価値のヒミツについてお伝えしていきたいと思います。
パライバトルマリンの色の種類
パライバトルマリンが属するトルマリンは、ピンクや緑などをはじめとする多彩なカラーバリエーションがあることで知られています。
特にブラジルではほとんどの色のトルマリンが産出されていますが、ビビッドなネオンカラーを発するのはパライバのみです。
パライバトルマリンが鮮やかなネオンカラーを呈するのは、少量の銅を含有することに起因すると考えられています。
パライバといえば蛍光色をした青色が特徴的ですが、銅やマンガンの含有量によって色調がグリーン系からバイオレット系まで微妙に異なるといわれています。
こちらが代表的なパライバトルマリンの色調です。
- ターコイズ・ブルー
- 淡いブルー
- ネオンブルー
- バイオレット・ブルー
- バイオレット
- ブルーグリーン
- 淡いグリーン
- グリーン
- 黄色味をしたグリーン
パライバトルマリンの蛍光性はマンガンの量によるもので、色の明るさは銅によるものだと考えられているそうです。
銅の含有量が多いほどブルーの色合いが強くなります。
ほかのトルマリンとの価値の違い

パライバトルマリンは、大変レアな宝石です。
その産出量は、なんとダイヤモンド1万石に対してたったの1石といわれている程です。
さらに、高品質のブラジル産で3カラット以上のものは殆どないのだとか。
産出量が少なく、大粒のものが少ないため、カラット当たりの価格が破格になるのも当たり前なのですね。
(ブラジル以外の産地から3カラット以上のものは見つかっていますが、品質も価格も下がるそうです。)
パライバトルマリンはカラットあたり5千ドル(約56万円)とも言われ、品質によっては6万ドル(約680万円)になることもあるとか。
過去には3カラット以上のサイズのものが、卸価格でカラット当たり1万ドル(約113万円)(!)だったという実話もあるほどです。
数多いトルマリングループの中で、群を抜いて価値が高いのがパライバトルマリンですが、ちなみにほかのトルマリンの価値はどれほどなのでしょうか。
パライバトルマリンに次いで希少価値高く扱われるトルマリンは以下のようになります。
- ルベライト・・・濃いピンク色や赤い色をしており、赤味が強い程価値が上がるそうです。
- インディゴライト・・・濃い青色で、インクブルーや緑色を帯びた青色をした、希少な種類です。
- ウォーターメロン・トルマリン・・・ピンクと緑の2色の、スイカに似た色合いを見せます。バイカラーと呼ばれることもあります。
このほかの色をしたトルマリンは、一般的な価格で取引されています。
パライバトルマリンの産地と価値

写真:左-ブラジル産 右-モザンビーク産
パライバトルマリンが最初に発見されたのは1987年で、ブラジルのパライバ州にある鉱山でした。
「この場所には絶対にお宝が隠されている!」と信じていた、ヘイター・ディマス・バルボサという人物が、数年に渡って採掘をし続けてきた結果の、素晴らしい発見だったそうです。
美しいパライバトルマリンの魅力は瞬く間に世界中に広まり、需要が急激に高騰します。そのため供給量が減少してしまい、鉱山の閉山が続出。ブラジル産パライバトルマリンは大変希少な存在となってしまいました。
ところが、2003年にモザンビーク、2005年にはナイジェリアにある銅の多い鉱山で産出されたという、強い蛍光色のある青いトルマリンが市場に登場したのです!
5カラット以上のものも多く産出されていますが、質は、というと、やはりブラジル産ほどの価値はないとされています。
中には、ブラジル産のみを『パライバ』と呼ぶんだ!
という声もあるようで、パライバトルマリンは産地が価値の違いに大きく影響しているようです。
パライバトルマリンが人気の理由とは?
パライバトルマリンの人気が高い理由は、なんといっても独特で美しい蛍光性といえるでしょう。
銅を含有することから、キュプリアン・エルバイト(銅リチア電気石)とも呼ばれています。
そして、産出量はダイヤモンドよりも少ないという超レアな存在。
産地には銅が含まれていることが必須なので、ブラジルとナイジェリアとモザンビークに限られているのもコレクター心をくすぐるようです。
また、パライバトルマリンを採掘するのは困難を極める作業なのだそうで、すべてはハンマーなどを使用した手作業で行われています。
以前は、ダイナマイトも使用されていたそうですが、結晶を破損する恐れがあるので現在は控えられているようです。
また、ブラジルでは60mという深さのトンネルを掘り、採掘を行いますが、パライバトルマリンの結晶は鉛筆の芯ほどに細い脈の中で見つかることが多いのだそう。
発見しにくい宝石であるからこそ、レア度が増し、価格も高騰しているといえるでしょう。
最後に

独特の蛍光性がファンを魅了し続けているパライバトルマリン。
産地と産出量が限られており、採掘がとても困難なことが、希少性と人気を高めている理由だったのですね。
いつか予算と好みに合った、自分だけの特別な子に会える日を楽しみにしたいと思います♪
カラッツ編集部 監修