モンテブラサイトという名前を聞いてすぐに宝石が思い浮かぶ方は、かなりの宝石通であるとお見受けします。
それほどに知られていない、まさに知る人ぞ知る宝石であるモンテブラサイト。
宝石質の原石が見つかることはごく稀と言われ、未だに謎多き宝石とされています。
今回はそんなモンテブラサイトについて、お話ししたいと思います!
モンテブラサイトの特徴
モンテブラサイトは、フランス・クルーズのモンテブラ採石場で発見されたことに由来して名付けられました。
透明度の高い宝石質の原石が少なく、稀に発見されても小粒であることから、希少石扱いされている宝石です。
モース硬度は5.5から6程度、微弱ですが三色の多色性が確認できるものもあるそうです。
人気のある色合いは明るいミントブルーですが、照射処理などで色づけられることもあるとか。
しかし、その稀少性ゆえか鑑定機関で検査しても現在では「色の起源は判定不能」とされてしまうそうです。
色
クリア、ホワイト、グレー、ライトピンク、ライトイエロー、グリーン、ミントブルーなど。
産出地
ミャンマー、スペイン、オーストリア、イギリスなどでも産出しますが、宝石質のものは主にブラジルやナミビアなど。
「モンテブラサイト」と同じ鉱物?「アンブリゴナイト」とは
モンテブラサイトには少し前まで同じ鉱物として扱われていた「アンブリゴナイト」という、とてもよく似た鉱物があります。
両者とも殆ど市場に出回ることがない非常に希少な鉱物であるせいか、違う鉱物であると分かったのも最近のことです。
「モンテブラサイト」と「アンブリゴナイト」の分け方はトパーズと同じで、OHタイプと言われる水酸基タイプがモンテブラサイト、Fタイプと言われるフッ素タイプがアンブリゴナイトとなっています。
この二つの鉱物が別の鉱物であることは分かったものの、希少性の高さ故に未だに謎が多い部分は変わりなく、宝石名は「モンテブラサイト:OHタイプ(水酸基タイプ)」、「アンブリゴナイト:Fタイプ(フッ素タイプ)」とそれぞれ表記されますが、鉱物名の表記に関しては「アンブリゴナイトーモンテブラサイト」と記載されることが多いそうです。
確実にモンテブラサイトが欲しいという方は、信憑性の高い鑑別機関の鑑別書が付属したものを購入することをお勧めします。
※信憑性の高い鑑別機関って?と思われた方はこちらの記事をご参考ください
▶鑑別書・鑑定書の料金と特徴は?プロ厳選”5つの宝石鑑別機関”
最後に
市場での流通量もまだまだ少ないモンテブラサイト。
個人的な印象としては、ジュエリーに加工されるよりも比較的コレクターの方にルースなどでコレクションされる傾向が高いように思います。
稀に宝石質でカットが施せる程度のそこそこの大きさのものが産出されると個性的なカットが施されることもあり、それはまるで芸術作品にも勝る美しさなのだとか。一度はお目にかかってみたいものです。
もし大粒で色もしっかり濃く鮮やかなモンテブラサイトに出会える機会があったならそれはとても貴重なチャンスかもしれません。
そんな宝石もあるんだな~と、覚えておいていただけたら嬉しいです♪
カラッツ編集部 監修