宝石は照明によってこんなに変わる!?宝石購入時に意識したい4つの光源の違い
宝石やルースを購入したとき、自宅で箱を開けてみたら「あれ、なんか印象が違う…」と感じたことはありませんか。「お店やweb上で見た時はあんなにキレイだったのに!」と、クレームをつけたくなることもあるかもしれません。
でも、宝石は照明の種類や当たり方によって、印象がコロッと変わるもの。
そこで、宝石やルースを選ぶときの楽しみ方の参考として、いろいろな光源の種類や特徴について取り上げてみます。
4つの光源の違いについて
日常生活のなかで、光源といわれるものは主に4種類あると思います。まずは、その4つの特徴をまとめてみました。
蛍光灯
サファイアやアウィン、タンザナイトなどの「ブルー系」の宝石は蛍光灯で美しく見えます。自宅や職場の環境では、蛍光灯が使われることが多いので、一番目にする光源といっても過言ではないと思います。
だから、宝石やルースをweb上で見て購入を検討するのであれば、「蛍光灯下の写真を見せてほしい」とお願いしてみるのもよいでしょう。
ただし、ルビーやピンクトルマリンなどの赤・オレンジ・ピンク系の宝石は蛍光灯下ではあまり美しく見えない可能性が高く、なかには、全く魅力的に見えないケースもあるので、その点は覚えておきましょう。
太陽光
晴れた日に太陽光に当てると、ギラギラと輝く宝石は多いもの。特にスフェーンという宝石は水を得た魚のように元気に光ります。ただし、あまりに強すぎる太陽光は宝石によっては逆に暗く見せてしまう場合もあります。
ちなみに、変色効果のあるアレキサンドライトは、太陽光ではグリーンに見えます。
紫外線ライト(UVライト、ブラックライト)
太陽光に紫外線が含まれることはよく知られていますが、紫外線ライトとは光の性質が異なります。太陽光にはUV-A・Bが含まれており、UV-Cは地上までは届きません。一方、紫外線ライトはUV-Aのみを発生させるものなので、それぞれ光をあてたときの宝石の反応には大きな違いが出るのです。
ただ、紫外線ライトで発光する鉱物については、太陽光でもほんのり発光するケースが多いようです。
白熱灯
食卓や飲食店でよく使われる黄色味を帯びた光源が白熱灯です。ろうそくの明かりと似たような柔らかい明るさを持ちます。アレキサンドライトは、白熱灯で照らされるとグリーンから赤に色が変わって見えます。
蛍光灯とは逆で、青系の宝石はあまり美しく見えず、赤・オレンジ・ピンクといった暖色の宝石の魅力を引き出す光源ともいえます。
後悔しない宝石やルースの選び方のコツ
私は新しい宝石を購入する際に、必ずやっていることがあります。それが、「他のルースを持って行って購入するルースと比べる」ということ。
持参する宝石は事前に一定期間持ち歩いて、機会があればバッグから取り出していろいろな光源で眺めています。眺めるときのチェックするポイントは下記のようなもの。
- 色合い
- 色の濃さ
- 輝き方
そうやって、いろいろな光源で眺め続けた宝石を購入する際に持っていくのです。そして、欲しい宝石と並べて、チェックします。持参する宝石は欲しい宝石と似たような色のものを持っていくとより分かりやすいですね。「持参した宝石がこう見えるということは、購入予定の宝石は自宅ではこういう風に見えるだろう」といった予想がつくので、ミスマッチはかなり減ると思いますよ。
宝石の美しさをより楽しむために
当たり前のことですが、光源によって色の印象が変わるのは宝石だけではありません。衣服やバッグ、そして人自体すら違って見えるときがあるもの。
明るい店頭や、web上の写真で見た商品と家で見た商品が全く違うと思っても、光源を変えるだけで、購入前の印象を再現できることもあります。
「思っていたものと違う!」と、クレームを入れる前に、一度光源を変えて宝石をチェックしてみた方がよいかもしれませんね。
カラッツ編集部 監修