宝石の原石やルースを眺めている時、ふと自分で研磨してみたいと思ったことはないでしょうか。
お店で販売されているようなルースの形に研磨するには知識と経験、そして専用の機材が必要です。
しかし実は誰でも簡単に、そして自宅でできる宝石研磨の方法もあることをご存知でしょうか。
今回は、そんな自宅で簡単にできる宝石研磨の方法についてお伝えしていきたいと思います!!
目次
用意するもの
用意するものは、次の5つです。
- 宝石の原石
- 平型ダイヤモンドヤスリ
- 耐水ペーパー
- 水を入れた容器
- ふきん or ティッシュ
カラッツSTOREでも原石磨きセットの取扱いがあります。良かったらチェックしてみて下さいね。
①宝石の原石
どんな宝石でも基本的な手順は同じです。
モース硬度が低い宝石の方が比較的削りやすいため初心者にはオススメです。
今回は、デンドリティックオパールを使用しました。
②平型ダイヤモンドヤスリ
今回は平型ダイヤモンドヤスリを主に使用しましたが、小さなお子さまなどは少し面の広いダイヤモンドヤスリの方が使いやすいかもしれません。
ダイヤモンドヤスリの代わりに目が粗い耐水ペーパーを使用しても削ることができます。
ただ耐水ペーパーを使用する場合は少し枚数を多めに用意した方が良いかもしれません。
また、粗さが異なるものを幾つか用意すると細かい調整がしやすいようです。
③耐水ペーパー
耐水ペーパーは粗さが異なるものを何枚か用意しましょう。
今回は#600、#1200、#1500、#2000を使用しました。
削り出す前に使いやすい大きさに切っておくと便利です。
④水を入れた容器
ダイヤモンドヤスリを使う場合も耐水ペーパーを使う場合も共通して、削る時は必ず水につけながら行います。
時々水につけて、常に濡れている状態で研磨しますので、水を入れておける容器を一緒に用意します。
水を入れる容器は何でも構いません。紙コップや空のプラスチック容器を使っても良いと思います。
石の削りカスなどが残ってしまう恐れがありますので、普段食事に使う容器よりは使い捨てのものや研磨専用にしやすいものを使われることをオススメします。
⑤ふきん or ティッシュ
水をつけながら削りますので、軽く水を拭くためのふきんやティッシュがあると良いです。
薄めのふきんであれば、耐水ペーパーの下に敷けるため、水が飛び散りにくく、水を吸い込んでも破れないためオススメです。
また、この他に耐水ペーパーを固定するための木のボードやクリップボードなどがあると力を入れやすいためより便利です。
手順1.おおよその形を作るために荒削りする
※削る時に手を一緒に削って傷つける恐れがあります。十分注意しながら研磨するようにして下さい。
まずは荒削りをして輪郭を整えおおよその形を作ります。
もし、仕上げたい形が前もってある場合は、鉛筆などで石に印を付けておくと削る目安が分かって良いと思います。
まず、石に水をつけて削り出します。
平型ダイヤモンドヤスリは、角を落としたり丸みを付けたり、形を整えるのに便利です。
石を動かしても、ヤスリの方を動かしてもどちらでも大丈夫です。
やりやすいように、また場所によって変えながら削ってみると良いかもしれません。
この工程が最も重要で、少し時間が掛かる場合もあると思います。
ココで頑張って輪郭が整えられれば、後の工程がより楽しくなります。
ポイント
角を丸くする際はヤスリを引きながら削ると、丸みがつけやすいです。
おおよその形ができたら耐水ペーパーで表面を磨く作業に移ります。
あくまでも目安ですが、今回使用したデンドリティックオパールの場合は、大体20~30分程度で荒削りが完成しました。
※石の大きさや種類、傷の多さなどによって所要時間は異なります。力加減や慣れなど個人差も生じます。
手順2.耐水ペーパーで表面を削る
※削る時に手を一緒に削って傷つける恐れがあります。十分注意しながら研磨するようにして下さい。
ココからは耐水ペーパーでひたすら表面を削る作業に入ります。
耐水ペーパーは一番粗い番手(ここでは#600)から粗い順番に使います。
石に水をつけながら、耐水ペーパーの上で「の」の字を書くように研磨していきます。
耐水ペーパーを木のボードやクリップボードなどに固定し、下にふきんなどを敷いておくとよりやりやすいです。
傷の周りを削って高さを合わせ、全体を平らに整えていくイメージで削ります。
傷が深い部分は目が粗い耐水ペーパーで、浅い部分は目が細かい耐水ペーパーで削ります。
まずは粗い番手で削ってできる限り高さを整え、ある程度整ってきたら次の番手に移り、更に細かく高さを整えていくイメージです。
#600が終わったら、#1200、#1500、#2000と使って一面ごとに仕上げていきましょう。
#2000の後、より細かい目の耐水ペーパーを使えば、より滑らかに仕上がりやすいと思います。
ポイント
①:親指側に傷が多い面を持ってくる
親指に一番力が入りやすいため、傷が多い部分を親指の近くにもってくると比較的傷が残りにくく削りやすいです。
②:まめに水を換え、手を洗う
耐水ペーパーの番手を変えるタイミングで容器の水を替え、手を洗うと傷が入りにくいです。
用意した全ての番手の耐水ペーパー(こちらの記事では、#600~#2000)で磨き終わり、表面が滑らかになったら一面完成です!
他の面と見比べてみると違いが分かると思います。
こちらも目安ではありますが、今回使用したデンドリティックオパールの場合、大体一面5~10分程度で仕上がりました。
※石の大きさや種類、傷の多さなどによって所要時間は異なります。力加減や慣れなど個人差も生じます。
手順3.全ての面で同じことを繰り返す
全ての面で#600~#2000の耐水ペーパーを順番に使い、同じように削っていきます。
完成!
全ての面が滑らかになったら完成です。
仕上げにダイヤモンドペーストなどを使うとより艷やかになりますが、宝石によっては色が変わったりする恐れがありますので、ご注意下さい。
最後に
自宅で簡単にできる宝石研磨の方法を紹介いたしました。
いかがでしたでしょうか。
機械を使って磨くより時間も力も必要ですが、少しくもった感じだった表面が少しずつ磨かれ宝石としての輝きを増していく姿は何とも言えない喜びを感じさせてくれる気がします。
これはきっとやった人にしか味わえない感動ではないかと思います。
お子さまと一緒に楽しむこともできると思います。
ただ、研磨する際に、石が小さい程、ヤスリや耐水ペーパーで手を一緒に削ってしまう可能性が高くなりますので、特にお子さまと一緒に行う場合は、十分に注意してあげて下さい。
自分で研磨した宝石は愛着も増し、きっと思い出にも残ると思います。
自由研究やおウチ時間の楽しみ方の一つとして、良かったら試して下さいね!
カラッツ編集部 監修