ガーネットは化学組織が近い鉱物のグループ名で、殆どの色相が存在するほど種類が多いのが特徴です。
レッドやグリーンの宝石を思い浮かべた方が多いでしょうか?
今回はそんなガーネットの魅力についてお話ししたいと思います!
目次
ガーネットとは?
1月の誕生石のガーネットは、深い赤い色と原石の状態がザクロの実に似ていることから日本では「柘榴石」とも呼ばれています。
ガーネットにはたくさんの種類が存在します。
まず大きく分けて2つ。
そしてそこから3種類ずつに枝分かれし、その6種類が主に宝石として扱われることが多いとされています。
この種類の豊富さから、ガーネットには殆どの色が存在するといわれています。
その中でも赤系統のガーネットは数千年の歴史があり、エジプトでは紀元前3100年にはビーズ状に仕上げてジュエリーとして愛されていたと記録されています。
また、ガーネットは天然の状態でも美しいものが多い宝石としても知られています。
ガーネットの種類
前述したとおり、ガーネットには大きく2系統あり、その中から更に3種類ずつに分かれた6種類が宝石として扱われる主な種類です。
それに加え、その6種類の内の幾つかが溶け合ってできた固溶体と呼ばれるものもあります。
そのため、色や特徴も様々で、それぞれが個性的な魅力を放っています。
今回は宝石として扱われることが多いガーネットを、グループに分けて順番にご紹介していきたいと思います!
パイラルスパイト(アルミニウムガーネット)
パイロープガーネット
パイロープとはギリシャ語の火を表す意味の「ピロポス」が由来といわれています。
原石はザクロの実に似た結晶で深い赤が特徴です。
小さめの結晶が多く、2ctを超えるパイロープガーネットは殆どないといわれています。
黒っぽい赤が特徴でボヘミアン・ガーネットとも呼ばれています。
アルマンディンガーネット(アルマンダイトガーネット)
アルマンディン(アルマンダイト)とは古くから研磨を施すトルコの都市アラバンダにちなんで名付けられたといわれています。
赤~赤茶の色合いが特徴的な種類です。
針状のインクルージョンも特徴として挙げられ、まれにダイヤモンドがインクルージョンとして含まれることもあるといわれ、マニアにも好まれています。
大粒で産出することも多く、市場に出回っているのも多いガーネットグループを代表する宝石です。
アルマンディンガーネットまたはアルマンダイトガーネットと呼ばれます。
スペサルティンガーネット(スペサタイトガーネット)
主要な産地の1つだったドイツのシュペッサルト(Spessart)にちなんで名付けられたスペサルティンガーネット(スペサタイトガーネット)。
スペサルティンガーネットの中で、果物のオレンジのような色をしたものはマンダリンガーネットとも呼ばれています。
ウグランダイト(カルシウムガーネット)
グロッシュラーガーネット
西洋スグリの学名グロシュラーから名付けられたガーネット。
クリアカラーやイエローカラー、ブラウンカラーのものも存在しますが、最も有名で人気があるのはグリーンのグロッシュラーガーネットです。
特にティファニー社が命名したといわれているツァボライトというコマーシャルネームがついた色味のものが人気が高いです。
屈折率がサファイアに近く、硬度も7あることからジュエリーに加工しやすい宝石です。
アンドラダイトガーネット
グリーンや黄色、ブラックのものが存在するアンドラダイトガーネットですが、色によってそれぞれ名前が違います。
黄色のものはトパーズに似ていることから「トパゾナイト」。
ブラックのものは「メラナイト」。
グリーンカラーのものは「デマントイドガーネット」と呼ばれています。ダイヤモンドよりも強い分散光が魅力です。
ウバロバイトガーネット
ウバロバイトガーネットはエメラルドに似た緑色が特徴的なガーネットです。
ただ、大粒の結晶が産出されることが少ないとされ、これまでに紹介した5種類のように、カットして宝石として市場に出回ることは殆どないといわれています。
仮に宝石にできるような十分な大きさのものがあったとしたら、高い価値がつけられるのではないでしょうか。
固溶体のガーネット
2つ以上の鉱物が溶け合い混ざり合ってできた固溶体のガーネットの中にも人気の高い、有名なものが幾つかありますので、少しずつご紹介しますね。
ロードライトガーネット
パイロープガーネットとアルマンディンガーネットが溶けあい、固溶体となったのがロードライトガーネットです。
ギリシャ語のバラを意味する「ロード」、石を意味する「ライト」から名付けられました。
紫がかった赤が特徴的で、ガーネットグループの中でも人気の高い種類です。
マラヤガーネット
マラヤガーネットは、パイロープガーネットとスペサルティンガーネット、もしくはパイロープ、スペサルティンとアルマンディンガーネットの固溶体です。
マライアガーネットと呼ばれることもあります。
マラヤガーネットの中でピンク系の色合いのものが人気が高いといわれていますが、ブラウン系やパープル系のものもあるそうです。
カラーチェンジするものもあるといわれています。
マリガーネット
グロッシュラーとアンドラダイトが混ざったものがマリガーネット。
アフリカのマリ共和国で産出されるといわれています。
色はイエロー~グリーンが多いそうです。
天然無処理で美しい数少ない宝石
市場に出回るほとんどの宝石は何らかの処理が施されています。
傷を目立たなくすることを目的とし、オイルや樹脂に浸した処理の含浸処理や、鮮やかな色を発色させる加熱処理などです。
しかしガーネットは採掘された時から美しい色味と傷の少ない宝石といわれ、基本的には無処理なものが多いです。
決して無処理=良い!というわけではありませんが、これもガーネットの大きな特徴の一つです。
おわりに
赤やグリーンのイメージが強いガーネットですが、同じ宝石とは思えないほど、多くの色が存在しています。
中には自然光の下と白熱光の下では色が変わるカラーチェンジガーネットというものもあります。
1月生まれの方は、どんな色でも選べるのでとてもお得な誕生石といえますね!
硬度も種類によりますが、6.5-7.5位ありますので、ジュエリーとしても楽しめる宝石です。
好みの色のガーネットを見つけて楽しんでもらえると嬉しいです。
カラッツ編集部 監修