宮崎アニメは老若男女問わず、人気のある作品が多いことで知られていますが、中でもそのデビュー作1984年に公開された「風の谷のナウシカ」、1989年に発表され、宮崎アニメとして初めての大ヒットを記録した「魔女の宅急便」と並び、人気が高いのが「天空の城ラピュタ」です。
今回はその「天空の城ラピュタ」に出てくる“青く光る石”について調べていきます。
人気ランキングでは常に上位「天空の城ラピュタ」
© 1986 Studio Ghibli
出典元:スタジオジブリ公式サイト
この先一部ネタバレを含みます。もしまだご覧になっていない方がいたらご注意ください。
ただし個人的にはネタバレしようが一生を通じて何度でも楽しめる『名作』だと思います。
映画のあらすじ
主人公の少女シータの家に代々伝わる青い石のペンダント。
亡き母から受け継いだそのペンダントを肌身離さず身に着けていたシータでしたが、ある時そのペンダントの秘密を暴こうとする政府の人間に捕らわれてしまいます。
古い言い伝えによると、実はそのペンダントは宙に浮かぶ帝国といわれるラピュタで作られたものなのだとか。
そして、シータが捕らわれた船から逃げ出そうとして誤って落ちてしまった時、突然青い石が光り輝き、シータの体は宙に浮かびながらゆっくりと下に下がっていきます。
そんなシータを助けたのが鉱山で働く少年パズー。
そこからパズーとシータの伝説の空中都市ラピュタを探す旅が始まっていきます。
このペンダントの正体は?そしてシータとパズーの旅の行方は?まだご覧になっていない方、ぜひこの機会に見てみてください!
ネタバレ?はここまでにしておきます♬ たぶんほとんどの方、見たことありますよね!
“飛行石”の正体
この映画のキーアイテムともいえる“飛行石”は、その美しい色合いからパライバトルマリンをモデルにしたのではないか?という声が当初ありました。
しかしジブリファンや石マニアの間ではそれ以外の幾つかの石も推測の対象となっているようです。
例えば美しい蒼い色が特徴のラピスラズリ。日本でもパワーストーンとしてなど人気の高い石です。
そしてオーロラの光を封じた石とも表現される七色の光を放つグレーの石、ラブラドライト。
そして、中でも一番有力説と言われているのが、和名「ホタル石」と呼ばれるフローライトではないかというものです。
しかしフローライトは、ラピスラズリやラブラドライトに比べ、聞きなじみの少ない宝石かもしれませんね。
ではフローライトとは一体どのような特徴のある宝石なのでしょうか?ご紹介していきましょう。
フローライトはどんな宝石?
フローライトは和名「ホタル石」と呼ばれており、主成分はフッ化カルシウムでできています。
色は無色のものから、内部の不純物によって黄色、緑色、青色などのものもあります。マルチカラーのものもあります。
フローライトの特徴として、加熱すると発光し、時にははじけて割れることもあります。これが“ホタル石”と呼ばれる所以でもあります。
また、フローライトのもうひとつの大きな特徴として、へき開が見られる点があります。
へき開とは、結晶や岩石がある一定方向に割れやすい傾向があるという特性のことを指します。
面白いのはこのフローライトはへき開が見られるときは正八面体に割れるというところです。
また、中には蛍光を発するものもあります。
実はこの宝石が紫外線を当てると蛍光する特性をもつことが最初に発見されたのはフローライトだったといわれているそうです。
蛍光現象のことをフローレッセンスとも呼ぶのもそのためなんだとか。
そしてフローライトがもつこの特性もまた“飛行石”のモデルになったといわれる理由の一つかもしれませんね。
フローライトの産地
フローライトは中国、イギリスをはじめ、ドイツやオーストリアなどのヨーロッパから、アメリカなどでも発見されています。
特にアメリカのイリノイ州では、フローライトが州石になるほど多くの人に知られているそうです。
そしてその理由はフローライトがイリノイ州の州石になった当時は世界で一番の産地だったからだといわれているそうです。
フローライトの硬度
宝石の硬度を表すモース硬度は4。比較的もろく壊れやすい石の部類に入るでしょう。
しかも先ほどご紹介したように、完全なへき開が見られる石なのでその点でも衝撃に弱く壊れやすいといえます。
販売されている“飛行石”
実は現在、インターネットなどで“飛行石”を購入することができます。
2014年にアクセサリーとして販売を開始していますが、今月さらにそれがバージョンアップして発売になるとか。
映画に出てくるラピュタの滅びの言葉「バルス!」を唱えると内臓LEDが反応するというアクセサリー!だそうです。
レビューを拝見したところ、空が飛ベたというご報告はまだ無いようですw。
※参考サイト
http://benelic.com/sp/information/information.php?id=90&brand=01
さて、宝石のフローライトはどうか、というと一般的には製品になっているよりも原石で販売されているほうが多いようです。
鉱物マニアにはたまらない石のひとつといえるでしょうね。
映画の準主人公ともいえる宝石
今回は「天空の城ラピュタ」でキーアイテムとなった“飛行石”のモデルではないかといわれている宝石、フローライトをご紹介してきました。
映画に出てくる“飛行石”は、美しい発色を描いたシーンも多く出てきます。アニメながらその美しいブルーに吸い込まれるようです。
ちなみに筆者が宮崎アニメの中でもっとも好きなのは実はこの「天空の城ラピュタ」。
まだご覧になっていない方には本当におすすめの一作ですよ!
カラッツ編集部 監修