ブラックスターサファイアって、とてもカッコ良い名前ですよね。
人知れず戦う、スーパーヒーローみたいな響きがあると思いませんか?私は一度聞いただけで、すごく興味を惹かれてしまいました。
なんだかドキドキしてしまう名前をもつ宝石、ブラックスターサファイアとは実際にどんな宝石なのでしょうか。
鉱物としての色や特質から産地や価値、さらに偽物の見分け方など、ブラックスターサファイアについて知っておきたい知識をたっぷりとお伝えしていきます。
目次
ブラックスターサファイアとは
サファイアと聞いてまず思い浮かべるのは、青色をしたブルーサファイアではないでしょうか。
サファイアは色の種類が豊富で、ブルーのほかにも黄、ピンク、紫、緑、オレンジ、黒、無色とバラエティに富んでいます。
ピンクとオレンジの中間色をしたパパラチアは、レアなこともあってコレクター人気の最も高いサファイアです。
さらに、表面に6条の線を描く『スター効果』を見せるサファイアもあり、これらは『スターサファイア』と呼ばれています。
さて、本題のブラックスターサファイアです。
地色は黒色ですが、黄金の色調をした輝きを放つのが特徴的です。
光を当てると金色をした6条のスターが現れ、まさに夜空に煌めく星のような輝きを見せるのです。
ブラックスターサファイアの特質
一般的にサファイアにスター効果が出るのは、内部に含有するルチルのインクルージョンによるものです。
絹状のルチルが集まることで、星のようなラインを映し出すのです。
しかし!ブラックスターサファイアは、ほかのスターサファイアとは違います!
ブラックスターサファイアにスター効果が現れるのは、針状をしたヘマタイトのインクルージョンが原因なのです。
さて、ヘマタイトとは何でしょう?
ヘマタイトとは酸化鉄で出来た鉱物で、和名を『赤鉄鉱』といいます。
シルバーから黒色で、強いメタリック光沢を見せます。
このヘマタイトを内包することで、ビシッとした金属系の輝きをしたスターが現れるんですね!納得できる気がします。
ブラックスターサファイアは12条の線を見せる!?
通常、ブラックスターサファイアは6条の線を見せるスター効果を表現しますが、中にはなんと12条の線を見せるものも稀に発見されるそうです。
なぜ12条もの線ができるのでしょうか?
写真を見てみましょう。
黄金色をしたヘマタイトの6条のスターはそれぞれ60度の角度でできていますよね。
それに加え、細くて白いルチルの6条の線がヘマタイトの線と平行に30度の角度でそれぞれラインを描いています。
そうです、これはサファイアの結晶中に、ヘマタイトだけではなく、ルチルの絹状インクルージョンも合わせて内包することで起きる現象なのです。
つまり、こうゆうことです。
まずサファイアの結晶中にヘマタイトのインクルージョンが針状に育ちます。
さらにルチルのインクルージョンが絹状となり、ヘマタイトと平行に並んで育ちます。
そのため、ヘマタイトが作る6条のスターの隙間から、上手~い具合にルチルの6条のスターが見えるのです。
しかも、ふたつのスターの中心はぴったり合致!これらの不思議な偶然が重なり合った結果、素晴らしい12条のスター効果が誕生するという訳ですね!
12条のブラックスターサファイアは、タイやスリランカなどで発見されています。非常にレアな存在のため、コレクターが大注目しているのだそうです。
ブラックスターサファイアの産地
ブラックスターサファイアの主な産地はタイです。
その他にもギニア、シオラレオネ、カンボジア、オーストラリア、スリランカ、インド、ミャンマー、タンザニアなどで産出されるといわれています。
ブラックスターサファイアの価値
ブラックスターサファイアは一般的に厚みが薄い(ドーム部分の低い)ものが多いようです。
黄金色のスター効果を石全体にはっきりと表現するためにも、ドームが高く、ぷっくらと丸みを帯びたものほど評価が高くなります。
あともちろん、スター効果が石全体に鮮やかに現れているものほど価値が上がります。
ブラックスターサファイアの偽物
ブラックスターサファイアは珍しいことから、偽物も作られています。
はっきり過ぎるスター効果が見られるものは怪しいと疑って良いでしょう。
スター効果の偽物の見分け方については、別の記事で説明しています。偽物を掴まされないためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
最後に
ブラックスターサファイアとは、黒い地色に黄金のスター効果を見せる、レアな種類のサファイアだということが分かりました。
スター効果の起因がヘマタイトの内包物であることから、メタリックな輝きを見せるのですね。
まさに、夜空の上で黄金色に瞬く、スーパーヒーローのような存在に思えてなりません。
名前も見た目もクールなブラックスターサファイア、機会があったら是非とも手に入れてみたい宝石ですよね☆
カラッツ編集部 監修