梅雨が終わり、夏本番に入っていく7月。
ギラギラとした太陽の下、海や山などで行うアクティビティも盛んになる季節ですね。
そんな7月の誕生石には、どんなものがあるのでしょうか?
それぞれの特徴、歴史、価値、石言葉などをご紹介していきます!
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7月の誕生石は何がある?
誕生石は国ごとに定められていることが多く、日本の誕生石は、1958年に全国宝石卸商協同組合によって定められ、7月の誕生石は長らくルビーのみでした。
それが、2021年12月、同組合が65年ぶりに改定を発表し、7月の誕生石に、スフェーンが加わりました。
ルビーは世界4大宝石のひとつにも数えられ、古くから人類とともにあった宝石です。
宝石に明るくないという方でも、ルビーと聞けば、透明度の高い赤い石を思い浮かべることができるのではないでしょうか。
一方のスフェーンは、一般的な認知度は高くはありませんが、光の中で強く輝く姿にコレクターを中心にファンが多い宝石です。
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
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7月の誕生石 ルビー
赤い宝石の代表格といえるルビー。
アニメやマンガ、ゲームなどで名前が登場することも多く、子どもの頃から親しみがあるという方も多いことでしょう。
古くから産出された歴史の長い宝石であり、実は世界で初めて合成石が作られたことでも知られています。
▼ルビーについての詳しい記事はこちらから
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特徴
鉱物としてはコランダムに属するルビー。
コランダムの中で赤色のものをルビー、それ以外の色はすべてサファイアと呼ばれます。
ルビーの色は赤ですが色幅があり、少しピンクがかったものもあれば、黒みがかった赤などもあります。
最高品質の色合いは、ピジョンブラッドと呼ばれます。
主な産地はミャンマー、タイ、モザンビーク、スリランカ、インドなどで、特にミャンマーモゴック地方は、高品質のルビーが多く産することで知られています。
先程お伝えした、ルビーの最高品質の色合いであるピジョンブラッドも、かつてはミャンマーモゴック産のみに使われる名前でした。
※現在は色が合えば、産地に関わらずピジョンブラッドと呼ばれます。
ルビーは産地によって色や特徴に違いがあるといわれ、産地鑑別も可能な宝石です。
▼ルビーの産地別特徴と価値の違いはこちらの記事で
歴史・言い伝え
ルビーに関する古い記述は、聖書や紀元前1世紀に記された「博物誌」にあります。
しかしその価値が認められるようになったのは、中世の頃といわれています。
ヨーロッパの王室や上流階級に属する人々が、富や知恵を授かることを祈って身に付けたとされます。
ちなみに、「ルビー」という名前の由来は、ラテン語で「赤」を意味する「ルベウス」といわれています。
しかし、最初から現在のルビーのみが、この名前で呼ばれたわけではなく、18世紀頃まで、赤い石は総じてルビーと呼ばれていた、とも伝わっています。
1880年代の後半頃からは、合成ルビーの製造も行われるようになりました。
ルビーは古来より不思議な力のある宝石とされ、血や肉体に関する言い伝えが多くあります。
ルビーの赤色が静脈を流れる血液の色と類似している、と考えられたためかもしれません。
価値
ルビーの価値を左右する要素は、主に色、透明度、カット、大きさ(カラット数)です。
特に色が最も重要な要素といわれ、純粋で鮮やかな赤色に近いものほど、価値高く扱われます。
前述したとおり、最高品質といわれる色合いは「ピジョンブラッド」と呼ばれます。
肉眼で見えるインクルージョンが少ないものや透明度が高いものも価値を高めます。
ルビーは産地によっても価値が変わり、最も高く扱われるのはミャンマー・モゴック産のものです。
高品質でサイズの大きいモゴック産ピジョンブラッドルビーは、億単位で取引されることも多いです。
また、ルビーは一般的に加熱処理が施される宝石です。
宝石は色を濃くしたり透明度を高めるなど、外観を整える目的で人工処理が加えられることが多くあります。加熱処理は、その最も一般的かつ古くから行われているもので、多くの宝石に施されています。
一般的に行われるため、これにより価値が下がることはありませんが、稀に加熱しなくても美しいものがあり、それらは「非加熱ルビー」などと呼ばれ、高値で取引されます。
▼ルビーの価値について詳しくはこちらの記事も
石言葉
「情熱」「仁愛」「威厳」など
ルビーの真っ赤な色合いを象徴するかのような言葉が多いですね。
確かにルビーの赤は情熱的で、深い愛を感じさせるような雰囲気をもち、濃く赤いピジョンブラッドのような色合いは威厳さえ感じます。
宝石の女王のような存在感をもつルビーにピッタリの石言葉じゃないかと思います!
▼ルビーについてもっと詳しく知りたくなったら
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7月の誕生石 スフェーン
2021年12月より7月の誕生石に加わったスフェーン。
一般的な知名度はまだそれほど高くないため、特に7月生まれの方はどんな宝石か気になるところではないかと思います。
しかしコレクターの間では比較的知名度も高く、人気がある宝石のひとつなんですよ。
光の中で強いファイアを放つ、輝きが魅力的な宝石です。
▼スフェーンについての詳しい記事はこちらから
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特徴
スフェーンの色合いは、主に黄色や緑、茶色ですが、過去には黒やピンク、赤、青色のものが産出されたこともあるそうです。
中には、光源を変えることで色が変わる変色効果(カラーチェンジ効果)が見られるものもあります。
主な産地はオーストラリア、ブラジル、メキシコ、アメリカなどで、日本でも岩手県、福島県、岐阜県などで見つかったという記録があります。
スフェーン最大の特徴は、光を当てると見られる強い輝き。
光の分散がダイヤモンドより高く、ファイア(分散光)と呼ばれる虹色の光が見られます。
また、見る角度によって異なる色合いに見える多色性も強いため、光の当て方で多色性とファイアが同時に感じられ、何とも言えない美しさを放ちます。
ただし、特定方向からの衝撃に弱い性質である劈開性をもち、モース硬度もそれほど高くないため、ジュエリーとして身に付ける場合には、落としたりぶつけたりしないよう、注意が必要です。
歴史・言い伝え
発見されたのは1787年。
マーク・オーガスト・ピクテによって、新種の鉱物として認識されたといわれています。
スフェーンという名前は、結晶の形が楔(くさび)に似ているため、ギリシャ語で楔を意味する「Sphenos」から名付けられたといわれています。
チタンを含むことからチタナイトと呼ばれることもあります。
和名も「楔石」「チタン石」です。
ちなみに、新たに7月の誕生石として追加された理由のひとつは、マーク・オーガスト・ピクテの誕生日が7月だったからだそうですよ。
価値
色石の場合、最も重要視されるのは色です。
スフェーンも例外ではなく、色が濃く、鮮やかなものほど、価値高く扱われます。
クロムを多く含み、深く鮮やかで濃い緑色をしたものは「クロムスフェーン」と呼ばれ、より価値が高まる傾向にあります。
また、スフェーンの場合、ファイアが美しいものも評価が上がります。
そのほか、透明度の高さや大きさ、カットの美しさなども、価値を左右する要素になります。
▼スフェーンの価値について詳しくはこちらの記事も
石言葉
「永久不変」など
スフェーンの強い輝きには、永遠に変わることないパワーのようなものも感じますよね!
▼スフェーンについてもっと詳しく知りたくなったら
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最後に
今回は、7月の誕生石であるルビーとスフェーンについてお伝えしました。
古来より、その色合いが血の色に例えられることが多いルビー。
ご紹介した、ミャンマーモゴック産ピジョンブラッドに対し、タイ産のルビーは黒みがかった色合いが多いことからビーフブラッドと呼ばれることもあるそうですよ。
赤色と一口に言っても色幅があるため、好みの色合いのものをぜひ探してみて下さいね。
スフェーンも、強いファイアが見られるなど魅力あふれる宝石です。
希少性が高いとされるブルースフェーンなど、珍しい種類のものをぜひ一度この目で見てみたいものです。
カラッツ編集部 監修