シルバーで美しい輝きを放つ貴金属プラチナ。
プラチナ独特の上品で滑らかな色合いや光沢はずっと見ていても飽きない気がします。
私は以前、ブライダルジュエリーの接客販売の仕事をしており、結婚指輪や婚約指輪としてプラチナリングも沢山扱っていました。
その時お客様からよく聞かれた質問が
「毎日ずっと身につけていても変色・変質しないのですか」
「金属アレルギーに強いと聞くけど、ずっと肌につけ続けていても大丈夫なのでしょうか。」
など。
確かに、輝きを保つために必要なお手入れの有無や金属アレルギーについてなど、気にかかる方は多いかもしれませんよね。
そこで今回は、実は意外と知らない人が多い、貴金属プラチナの特性と変色・変質の有無、長く付き合うためのポイントなどご紹介していければと思います!
目次
プラチナってどんな金属?
「プラチナ」と聞くと皆さんはどんなイメージをもっていますか?
「プラチナ・チケット」や「プラチナ・カード」という言葉もあるように、希少で入手が難しい高価な金属というイメージをもっている方も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、プラチナは採掘量がゴールドの約30分の1で、原鉱石1トンに対しおよそ3グラム程度しか採れないといわれています。
その上、プラチナになるまでの工程も複雑で時間がかかるため、希少で入手が難しい高価な金属になってしまうということです。
シルバーで美しい輝きを放つプラチナ。
似たような色合いでも、シルバーやホワイトゴールドと比べると重みのある、落ち着いた色をしているように思います。
ちなみに、結婚指輪や婚約指輪などにプラチナが使われることが多いのは、
●白色が「永遠の愛」の象徴であること
●純度の高いプラチナのもつ純粋さや希少なイメージ
●ダイヤモンドの透明な輝きを最大限に引き立てるシャープな色合い
などからだといわれているようですよ。
プラチナは変色しにくいって本当?
プラチナという貴金属は科学的に安定しているといわれています。
そのため比較的変色・変質しにくく、酸化したり錆びたりすることも殆どないそうです。
しかし、中には
「持っているプラチナジュエリーが変色してしまった!」
という方もいるかもしれません。それは一体何故なのでしょう。
原因は?
理由として一番に考えられるのが、プラチナ以外の金属の影響です。
と言いますのも、プラチナはそれだけだととても柔らかい金属です。
そのため、ジュエリーの地金として使われるプラチナは基本的に、強度を高めるために別の金属を混ぜ合わせています。
それらの金属のことを割金(わりがね)と呼ぶのですが、その割金として混ぜたプラチナ以外の金属が、汗や香水、洗剤などと混ざり、変色してしまうことがあるのだそうです。
国内で流通しているプラチナジュエリーは、パラジウムを割金として使っていることが多いそうです。
パラジウムも比較的変色・変質しにくい金属といわれますので心配は少ないですが、純度の低いプラチナジュエリーや海外製のものの中には、変色しやすい金属が混ぜられていることもあるそうなので、注意は必要です。
Pt950やPt900など純度が高いものであれば、簡単に変色することは少ないと思いますが、純度が低い、つまり割金の比率が多くなるほど、その割金の影響で変色する可能性も高くなります。
気をつけたいこと
洗剤や漂白剤などに含まれている化学物質にも注意が必要です。
プラチナ自体には影響がないといわれますが、やはり割金によっては変色の恐れがあるようです。
また、ダイヤモンドなど宝石が付いているジュエリーも宝石に影響が出る恐れがあるので要注意です。
プラチナは変形したり傷ついたりしないって本当?
プラチナに限らず、ゴールドやシルバーなども含め、ジュエリーに使われる貴金属が他の金属と比べて極端に硬いということはありません。
そのため、変形したり傷が付いてしまうことはあります。
最近では、様々な企業努力により変形したり傷がつきにくい、硬度の高いプラチナも開発されています。
それでも、日常的に使用しているとどんなに注意していても表面に細かな傷が付いたり、思わぬ衝撃が加わり変形してしまうことはあるでしょう。
プラチナジュエリーをキレイな状態で長く着けるためには、家事や運動、力仕事などをする際は外すことをオススメします。
また、他のジュエリーとぶつからないように保管することも大切だと思います。
もしプラチナジュエリーが変色してしまったら?元に戻せる?
プラチナは日常生活での様々な物質に対して変色・変質しにくい金属であるとお伝えしました。
しかし汚れや細かな傷が蓄積することで色が変わって見えることもあると思います。
そこで、そんな時に試して欲しい、簡単なお手入れ方法が幾つかありますのでご紹介していきますね!
専用のクロスで磨く
ジュエリー専用のクロスなど、柔らかい布で磨くことでプラチナの美しい輝きを取り戻すことができるかもしれません。
但し、ジュエリー専用クロスと言っても色々あります。
シルバー用は目が粗いため、却って傷が付いてしまう恐れがあります。
プラチナ専用のものかお店の人に確認してから購入するようにしましょう。
中性洗剤で洗う
どこのご家庭にも大体ある、中性洗剤でクリーニングする方法です。
- 台所用の中性洗剤をぬるま湯に溶かします。
- その中にプラチナジュエリーを浸します。
- 文字彫りや細かな細工部分に汚れが入ってしまっている場合は、歯ブラシや筆、綿棒などで丁寧に磨きます。
- キレイな水でよくすすぎ、柔らかい布などで拭き、乾かします。
大体のご家庭にあるものだと思いますので、気軽にできるのではないでしょうか。
但し、ジュエリーに宝石が付いている場合、宝石によっては水や洗剤に弱いものもありますので注意が必要です。
必ず事前に確認してからお手入れするようにしてくださいね!
ジュエリーショップで磨いてもらう
お店によってサービスが異なるため事前確認が必要だと思いますが、購入したジュエリーショップやジュエリーの修理なども行っているジュエリーリフォーム店に相談してみるという方法もあると思います。
プラチナ自体が変色変質したわけではないので、表面を磨き直すことで新品と同じような輝きを取り戻すことができます。
磨くので表面を削ることにはなりますが、ごくわずかな部分のみという場合が多いと思いますのですり減って薄くなってしまう心配も少ないと思います。
プラチナは金属アレルギーに強いって本当?
プラチナは一般的に金属アレルギーを起こしにくい素材であるといわれています。
しかし、先にお伝えしたとおり、一般的なプラチナジュエリーは純度100パーセントでは柔らかすぎるため、強度を高めるために別の金属が混ぜられています。
そして、その割金として混ぜ合わされた別の金属がアレルギーを引き起こす場合もあります。
先にも説明したように、プラチナの割金として使用されることが多いのがパラジウムです。
このパラジウムにアレルギー反応を起こす方が多いといわれています。
但し、どの金属にアレルギー反応を示すかは人によって異なります。
一般的に引き起こしやすい金属だからと言って必ずしも自分に起こるとは限りませんし、逆もまた然りです。
また、起こす度合いなどにも個人差があり、pt950やpt900のような純度が高いものであれば問題ないけれど、純度が低いものには反応が出てしまう方もいると思います。
金属アレルギーが心配な方は、ジュエリーを購入する前にまずは皮膚科にてパッチテストをしてもらい、どの金属に反応しやすいかを調べてもらうのが良いかと思います。
プラチナを綺麗に保つ保管方法は?
ジュエリー全般に言えることですが、ジュエリーは毎日の取り扱いによって長く、綺麗な状態を保つことができます。
使い終わった後は、汗などの汚れが付いていることが多いです。
ジュエリークロスや柔らかい布などで、簡単に拭き取りましょう。そうすることでくすみが取れ、光沢が蘇ります。
また、ジュエリー同士が重なり合うとお互いにキズを付け合ってしまうこともあります。
重ならないようジュエリーボックスや小袋に入れるなど小分けして保管すると、細かなキズが付いてしまうことを防ぐことがでて良いですよ。
最後に
いかがでしたでしょうか?
プラチナは、変色・変質のしにくい安定した貴金属であることがお分かりいただけたかと思います。
とはいえ、取り扱い方によっては、汚れたり傷が付いてしまい、購入したときとは違う状態になってしまうこともあります。
ご自宅でも手軽にお手入れできますので、美しさをキープするためにも、ぜひ試してみてくださいね!
また、プラチナはアレルギー反応の起きにくい金属といわれますが絶対に起きないとは言い切れません。
心配な方は皮膚科の先生に相談の上、購入することをオススメします。
多くの方がプラチナジュエリーの魅力を実感して楽しんでもらえたら嬉しいです!
カラッツ編集部 監修