美しいグリーンの宝石である、翡翠の中で特にクオリティの高い、最高級の翡翠のことを「琅(ろう)かん」と言います。
あまり聞き慣れない言葉かと思いますが、もともとは中国から来た言葉だそうです。
今回はそんな「琅(ろう)かん」についてお話ししたいと思います!
翡翠には二種類ある?
琅かん翡翠についてお話しする前にまずは翡翠についてお話しましょう。
かつて翡翠(ヒスイ)と呼ばれた宝石は、現在「硬玉」(ジェダイト)と「軟玉」(ネフライト)と呼ばれる2種類の鉱物のことでした。
しかし1863年フランスの鉱物学者によって2つは別の鉱物であることが証明され、現在では「翡翠(ヒスイ)」とは「硬玉」(ジェダイト)のことだけを指すようになりました。
つまり、価値が高く評価されるのは「硬玉」。
琅かん翡翠と言われる翡翠も「硬玉」の方です。
「軟玉」も特に中国では昔から珍重されてきた宝石で、産出量も多いことから、現在でも多く市場に出回っていますが、「硬玉」と比べ価値も価格も低いことが多いです。
硬玉と軟玉を見た目で見分けることはプロでもなかなか難しいので、安価で翡翠を購入する際には注意が必要です。
琅かん翡翠ってどんな翡翠?
翡翠の中でも最高級品であるといわれるものが琅かん翡翠と呼ばれることはお分かり頂けたかと思いますが、ではどんな翡翠のことを琅かん翡翠というのでしょうか?
①色
翡翠の最高級品「琅玕(ろうかん)」の一番の特徴は色です。
普通の翡翠に比べて透明感が強く、独特のテリがあります。
②質感の違い
一般的によくいわれるのが、「とろみ」のある質感というものです。
宝石にとろみという表現がピンとこない方もいるかもしれませんが、何となくトロッとしたツヤ感で、湖の表面のような感じというとイメージしやすいでしょうか。
③透明度、キズ
多くの宝石に当てはまることですが、翡翠もまた透明度が高く傷のないものほど高く評価されます。
ちなみに、琅かん翡翠は海外ではインペリアル・ジェードと呼ばれています。艶やかな透明感と奥底から湧き出てくるような鮮やかなグリーンの翡翠は海外でも高く評価されているようです。
最後に
翡翠の中でも最高級品への特別な呼び名である、琅かん。
国によって若干の色の違いはあれど、透明度が高いこと、まんべんなく美しいグリーンがのっていることが評価される最大のポイントです。
近年翡翠は中国や日本のみならず、オリエンタルな魅力からアメリカでも人気が出始めていると聞きます。
琅かん翡翠はなかなか手が出ないお値段であることも多いですが、いつか手にしてみたい宝石の一つです。
カラッツ編集部 監修