カラーバリエーション豊富な宝石、サファイア。レッド以外の多くの色合いが揃うといわれています。
代表格は、なんと言ってもブルーですよね。
ブルーサファイアの歴史は古く、古代ギリシャの時代まで遡ります。王族や聖職者たちを始め多くの人々に愛されてきました。
サファイアは硬度も高く丈夫なことから、ジュエリーとしても日常的に楽しむことができます。
人気がある宝石だけに、情報も多いため、どのようなものを選ぶと良いか、かえって迷ってしまうということもあるかもしれません。
そこで、サファイアの価値基準や選ぶときのポイント、ジュエリーの楽しみ方などをまとめてみましたよ。
サファイアの場合、色によっても価値基準などが変わりますので、ここでは、一般的に「サファイア」と呼ばれることの多いブルーサファイアについてご紹介したいと思います。
参考にしていただければ幸いです!
▼サファイアについての全般的なお話は下記記事で詳しくご紹介しています。
目次
サファイアの価値基準
サファイアの価値として最も重要なのは、色です。
色が鮮やかなもの程、価値高く扱われます。
その他、透明度が高くカットが美しいもの、サイズが大きいものなどが評価され、総合的に価値が決まります。
また、ブルーサファイアの場合、産地によっても価値が異なるといわれています。
サファイアは産地によって価値が変わる?
サファイアは、産地特定が可能な宝石といわれています。産地ごとに特徴があり、産地によって価値が変わります。
最も価値が高いとされるのがインドのカシミール産です。現在は殆ど採掘されず、幻の宝石とまでいわれる、最高品質のブルーサファイアが多く産出された場所です。
その次がミャンマー産です。
そして、スリランカ産とマダガスカル産、アメリカのモンタナ産、カンボジアのパイリン産などが続きます。
産地によって、サファイアが生成する環境や母岩の違いなどにより、色や性質、含まれるインクルージョンなどが変わってくるのだそうですよ。
加熱か非加熱かで価値は変わる?
画像:非加熱コーンフラワーブルーサファイア
ブルーサファイアは、一般的に加熱処理が行われている宝石です。
一般的に施されるため、加熱の有無によって価値が下がることはありません。
稀に加熱処理を施さなくても色合いが美しいものが採れることがあり、それらは非加熱サファイアと呼ばれ、希少性の高さから価値高く扱われます。
しかし、サファイアの場合、加熱処理の有無よりも色合いの美しさや透明度の高さの方が重要視されることが多いです。
同じクォリティであれば非加熱サファイアの方が高値がつきますが、クォリティによって加熱処理済の方が高くなることもあります。
非加熱だからと言ってむやみに飛びつかず、クォリティに見合った価格になっているか確かめるようにして下さいね。
特に高額商品の場合は、信頼のおける鑑別機関の鑑別書やソーティングが付属しているか、オプションで付けられるお店で購入することをオススメします。
価値の高い色合いとは
画像:非加熱コーンフラワーブルーサファイア
ブルーサファイアのなかで、最も価値高く扱われる色合いはコーンフラワーブルーとロイヤルブルーです。
コーンフラワーブルーはインドカシミール産、ロイヤルブルーはミャンマー産に多いといわれていますが、他の産地から採れることもあります。
加熱非加熱に関わらず、この色合いのものは価値高く扱われます。
私はかつてカシミール産のコーンフラワーブルーとスリランカ産のロイヤルブルー、マダガスカル産の明度の高いブルーサファイアを並べて見せてもらったことがあります。
それぞれとても美しかったのですが、やはりコーンフラワーブルーは内側から発光するような魅惑的な輝きで、さすが最高級といわれるだけあるなぁ、と感動したのを覚えています。
サファイアの価格相場
サファイアは、クォリティの低いもの、例えば色が薄すぎたり暗すぎたり、インクルージョンが目立ちすぎるなどの状態に加え、カラットの小さいものであれば、数千円~手に入れることが可能です。
しかし、クォリティの高いものになると、ルースのみであっても高値になることも多いです。
例えば1ct以上のトップクォリティのものですと、スリランカ産で数十万~数百万円、ミャンマー産で数百万~数千万円もの値がつく場合もあります。
そしてトップクォリティのカシミール産サファイアになると、数億円するものも多いといいます。
産地によって市場価格に大きく差が出るのもブルーサファイアの特徴ということですね。
▽カラッツSTOREのサファイアはコチラ▽ |
サファイアを選ぶ時のポイント
数億円もするカシミール産サファイアには手が出なくても、先ほどご紹介した価値基準を元に、予算の範囲内でより良いものを選ぶことは可能だと思います。
サファイアを選ぶとき、どのような点に注意をするべきかお伝えしていきましょう。
同じサファイアでも、ルースなのか、ジュエリーにセットされているものなのか、原石なのかによっても選ぶポイントが変わってきますので、それぞれ、細かく見てみましょう。
資産として持つ場合
画像:スリランカ産コーンフラワーブルーサファイア
サファイアのルースを資産として購入する場合は、より価値の高いサファイアを選ぶことが重要となります。
前述の価値基準を頭に入れて、予算の範囲内で最高のものが手に入れられるよう、多少時間が掛かっても色々見比べたり、探してみることも大切です。
前述したように、サファイアの多くは加熱処理が施されていますが、非加熱で美しい色のサファイアには高い付加価値がつきます。
ジュエリーの場合は、地金や脇石の宝石、ブランド名なども価値に影響しますので、考慮した上で購入すると良いでしょう。
資産として購入する際は、信頼のおける鑑別機関による鑑別書が付属しているものかオプションで取ることをオススメします。
いざ売ろうと思った時、鑑別書がないことで価値判断がずれる可能性もあるからです。
ルース
ルースとは、カッティングは施されているが、ジュエリーなどにセットされていない状態の宝石を指します。裸石とも呼ばれています。
サファイアのルースを購入する目的は、主に2つに分けることができるでしょう。
それぞれどのような違いがあるのか、少し掘り下げて見てみましょう。
コレクションとしてルースのまま楽しむ場合
ルースのコレクションはとても楽しいものです。私もルースをいくつも持っていますよ。
飾って眺めたり、取り出して手のひらに乗せて感触を確かめたり、光にかざして色の変化を見たり。とても癒されるひと時です。
サファイアの色や輝きを楽しむ目的でルースを購入する場合は、パビリオン(宝石の下の部分)が深めのルースがオススメです。
パビリオンが深いものほど宝石の色が濃く出やすくなり、光の屈折による色の変化を楽しみやすいからです。必ずしもではありませんが。
また、多くの宝石はインクルージョンが目立つと価格が下がる傾向にあります。
ルースのコレクションでは、インクルージョンも個性として楽しむことができるため、お得に買うために敢えてそのような石を選ぶという方法もあります。
少々マニアックではありますが、自分好みのインクルージョンが入っているものを買い、色々な角度から光を当てて、インクルージョンがあるからこそ見える世界を楽しむのも面白いと思いますよ。
ジュエリー加工に適したルースを選ぶには
ジュエリーに加工するためにルースを買う際は、セッティングしたときに大きく美しく見えるものを選びましょう。
同じカラットのサファイアでも、宝石の「顔」となるテーブルやクラウン(宝石の上の部分)の広さとパビリオン(宝石の下の部分)の深さとの割合で、ジュエリーにセットした時の見え方が変わるからです。
セッティングした時に大きく見えるルースの特徴は、テーブルからクラウンが広くてパビリオンが浅めであることです。
但し、パビリオンが浅すぎると、サファイアの色に深みがなくなり、輝きも少なくなる傾向にあるので注意が必要です。
私はスリランカの宝石店で、ジュエリーにセットするためのルースを選ぶ基準を次のように教わりましたよ。
●ブルーサファイアは特に、色が濃くて暗い印象のルースよりは、色が薄めで明るい印象のルースを選ぶこと。暗い色のルースは、ジュエリーにセットするとより暗く見え見栄えが良くない。
●同じ値段なら、顔が小さくて綺麗なルースよりは、端っこにインクルージョンがあっても顔の大きいルースにした方が得。隅にあるインクルージョンはセットした時に爪などで隠れやすいので気にしないで良い。 ●同じカラットの石だったら、深さのあるものよりは浅くて顔が広いルースが良い。深さのあるルースは地金を多く使うので割高になってしまう。 |
ジュエリー
ブルーサファイアのジュエリーを身に着けると、気持ちがとても華やぐ気がします。
ブルーサファイアのジュエリーを選ぶ時のポイントとは、どのようなものでしょうか。
サファイアのジュエリーは、サファイアの品質や大きさと共に、デザインや地金の重量、一緒にセットされているダイヤモンドなどの脇石の品質や数、そしてブランド品かどうかで価格に大きな幅が出ます。
有名ブランドが取り扱っているハイジュエリーは、使っているサファイアの品質も一流のものばかりです。
一方、手軽に使えるサファイアジュエリーも数多く目にすることができます。
予算や用途に合わせて、好きなデザインのものを選ぶようにすると長く楽しめると思います。
また、サファイアがしっかり留められているか、つまりグラグラと動かないか確認することも大切です。
サファイアは硬度も靭性も高く、耐久性が高い宝石といえます。品質の高いものであれば、子どもや孫に引き継ぐこともできるジュエリーとなるでしょう。
原石
流通しているサファイアの原石は、紡錘型のものや、さざれ石のもの、稀に母岩に抱かれている状態のものなどが見られます。
原石には様々なブルーの色合いがありますので、色々見比べてみると良いでしょう。
ブルーの濃淡が縞模様になっているもの、透明なもの不透明なもの、他の色が混ざっているもの、インクルージョンの有無など、表情も様々です。
ある程度の大きさがあって美しいブルーの発色があり、透明度も高いサファイアの原石は価格が高くなることが多いでしょう。
一見サファイアに似ている宝石も多くあります。原石には鑑別書がつかない場合が多いため、信頼のおけるお店で購入することをオススメします。
また、尖っている原石もあるため、手を切らないように素手で触る時は気を付けましょう。
サファイア原石は、よほどのものでない限り、資産としての価値はつきにくいと思います。
資産として選ぶよりも、ご自身の好みの色合いや形、光を当てた時の色の変化などを見て、素直に「好き」と思えるものを買うのが個人的にはオススメです。
お気に入りのサファイアの原石を手に取って、地球の力強さや神秘性を直に感じてみるのも面白いと思いますよ。
ジュエリーの種類によって、楽しみ方や選び方のポイントの違いはある?
先ほども述べた通り、サファイアは古くから王族や聖職者たちにも愛されてきた宝石です。
王冠にはめ込まれたり、聖職者の指を飾ったり、ローブを留める飾りに使われたこともあったといいます。
ジュエリーには、ブローチやブレスレット、髪飾りなど多くの種類がありますが、今回はその代表的なものとして、リング、ネックレス、ピアス(イヤリング)についてお話したいと思います。
ジュエリーの種類によって変わる、サファイアの楽しみ方や選び方のポイントを見てみましょう。
サファイアリングの楽しみ方と選び方
世界的に有名なサファイアリングといえば、イギリスのチャールズ皇太子が故ダイアナ元妃に贈り現在キャサリン妃が所有するものではないかと思います。
そのロイヤルブルーの輝きは、高貴さや誠実さを示しているようです。
リングの良さは、手元にあるサファイアの輝きをいつでも確認できることでしょう。ふとした瞬間にもサファイアの色や表情を楽しむことができます。
また、ブルーサファイアは比較的多くのお店が取り扱っている宝石ではないかと思いますので、数多くのデザインの中から、予算やお好みに応じて探すこともできるでしょう。
地金の種類や色、石の留め方などによっても雰囲気が変わります。
着けてみて肌馴染みの良いものや、お持ちの洋服や用途に合わせて使えるものを選ぶとより長く楽しめるのではないかと思います。
サファイアリングの注意点
サファイアは丈夫とはいえ、全く割れないというわけではありませんので注意は必要ですよ。
特にリングは、ついつい何かにぶつけてしまいがち。いくら丈夫なサファイアでも、強い衝撃には弱いため硬い床に落としたり、強くぶつけないよう気をつけて下さいね。
保管する際も他のジュエリーとぶつからないよう注意して下さい。
例えば、サファイアよりも硬度が高いダイヤモンドなどにぶつけてしまうとサファイアが傷つく可能性もありますし、逆にサファイアが、より硬度の低い宝石を傷つけることもあります。
仕切りのある箱かそれぞれを小袋に入れるなどすると安心ですよ。
また、立て爪でセッティングされている指輪の場合、繊維に引っ掛かりやすいため、洋服などを傷めないよう気を付けましょう。
サファイアネックレスの楽しみ方と選び方
サファイアのネックレスにも様々なタイプがあります。
大粒のサファイアが使われているものには高貴な雰囲気があり、圧倒的な存在感があります。
カジュアルなデザインのサファイアネックレスもあります。
小粒のサファイアがいくつか使われている場合は、色や大きさが揃っているか、バランスが良いかなども大切なポイントです。
サファイアネックレスは、長さによって、身に着けている自分は鏡でしかその輝きを見ることができません。しかし、周りの人の目には写りやすいアイテムです。
さりげないお洒落を演出するのも素敵だと思います。
好きなデザインのサファイアネックレスが見つかったら、石がしっかり留められているか、サファイアが割れていないか、表面に傷がついていないかなども確認してから購入するようにしましょう。
チェーンや留め金がゴールドかプラチナかで、似合う肌色や服の色も異なりますし、他人に与える印象も変わります。
長さや素材によっては、直接肌に付けるものもありますので、もし可能な状況であれば、鏡を見ながら自分の肌や全体のバランスを見て選ぶとより失敗しにくいと思います。
サファイアネックレスの注意点
ネックレスであっても、長さによっては、何かの拍子にぶつけることも考えられるので強い衝撃を与えないよう気を付けてくださいね。
大きなサファイアを使ったペンダントトップの場合など、ある程度の重量があるものには丈夫なチェーンを組み合わせてください。
私はスリランカの宝石店で、ボールチェーンにはペンダントトップを付けない方が良い、とアドバイスを受けたことがあります。
スリランカではボールチェーンの方が切れやすいといわれていて、ペンダントトップが落ちてしまう危険があるとのことでしたよ。
チェーンにも様々な作りがあるので、顔の形や雰囲気、TPOに合わせて、長さやデザインを変えると良いでしょう。
サファイアピアス・イヤリングの楽しみ方と選び方
サファイアのピアスやイヤリングも、特別な存在感があります。
ピアスやイヤリングが見える髪型の時はもちろん、長い髪の間からキラリと光るのも素敵ですよね。
様々なデザインがありますので、選ぶ楽しみを感じることができるでしょう。
一粒のサファイアが使われたシンプルでフォーマルなデザインものや、ダイヤモンドがあしらわれたゴージャスな印象のもの、小粒のサファイアがあしらわれたカジュアルなものなど、脇石の有無やサファイアの大きさによっても雰囲気は変わります。
また、地金と留め金の色も同様です。ピアスは最も顔に近い位置に着けるアイテムですので、顔の色に合うものを選ぶと良いと思います。
サファイアピアスやイヤリングの注意点
サファイアがあしらわれたピアスやイヤリングを購入する際は、サファイアが落ちないようにしっかり留められているか、留め金のチェックもしてくださいね。
ピアスのポスト(軸)の太さも様々です。ピアスホールに入らないというケースもあるので注意しましょう。
ピアスを外した際に、固い床に落としたりしないようにも注意しましょう。
最後に
サファイアの価値基準や選び方についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
古くから多くの人々を魅了してきたサファイアは、現代を生きる私たちにとってもかけがえのない宝石の一つです。
9月の誕生石としても有名ですが、9月生まれでなくても手に入れたいと思う人が多いでしょう。私もその一人です!
同じサファイアでも、ルースなのかジュエリーなのか原石なのか、その状態や使う目的よっても選ぶ基準が違っていましたね。
また、サファイアに似たブルーの宝石も多いため、高額のものを購入する際は特に、信頼のおける鑑別機関の鑑別書が付属しているものかオプションで付けられるお店で購入すると安心です。
あなたにピッタリの、素敵なサファイアと出会えますように!
カラッツ編集部 監修