南国の明るい海をすくいとったかのような宝石アクアマリン。
かつて航海のお守りとされていたなど、海との関連も深い宝石です。
明るいブルーに癒しを感じる方も多いのではないでしょうか。
3月の誕生石でもあり、人気の高い宝石の一つですので、購入を検討している方もきっと多いことと思います。
しかし価値の違いなどがよく分からないと、どれをどんな風に選べば良いか迷ってしまうこともありますよね。
そこで、アクアマリンの価値基準や市場価格、選び方のポイントなどについてご紹介したいと思います!
▼アクアマリンの全般的なお話を知りたい方はコチラをご参照ください。
目次
アクアマリンの価値基準
3月の誕生石としても知られるアクアマリンは、比較的流通量が多く、街で見かけることも多い宝石の一つではないかと思います。
そんなアクアマリンを購入する際、どのような点に注目すべきでしょうか。
宝石の評価の基準、色、透明度、大きさ、カットに分けてご紹介しましょう。
色
アクアマリンに限らず、色石の場合、価値に最も大きな影響を与えるのは色です。
アクアマリンの色は、主にブルー~ブルーグリーンです。
グリーンがかったものより、ブルーが強い方が良いとされ、色が濃く鮮やかなもの程、価値が上がります。
更に濃くて深いブルーを呈するものは、サンタマリアアクアマリンと呼ばれ、最も価値高く扱われます。
私は昔、スリランカでかなりグリーン寄りのアクアマリンを沢山見させてもらったことがあるのですが、大粒で綺麗だったにも関わらず、ブルーのものより値段が安かったのを覚えています。
また、色帯や色むらがなく均一な発色である事も大切です。
アクアマリンは、鮮やかな色を引き出すために一般的に加熱処理が行われる宝石です。
一般的な処理であり、かつ鑑別で自然加熱か人工加熱か見分けることが難しいこともあり、これによって価値が下がることはありません。
透明度
一般的に、透明度が高い程、価値が高いとされますが、アクアマリンは全般的にインクルージョンが少ないものが多いです。
目立つインクルージョンが入っている場合は価値が下がることもありますが、含まれるインクルージョンの種類にも依ります。
例えば、光に照らすとインクルージョンがキラキラと光る、アベンチュレッセンスという光学効果をもつものは、インクルージョンの量やバランスによって高い価値が付けられるものもあります。
また、レイン状インクルージョンという、主にアクアマリンに見られる、線状のインクルージョンがあります。
レイン状インクルージョンは加熱処理によって消えてしまうことが多く、これがあると非加熱の可能性が高くなるといわれます。レイン状インクルージョンの有無が価値に影響を与えることはありません。
※レイン状インクルージョンの有無だけで非加熱かどうかの判断がされることはありません。
大きさ
アクアマリンは比較的大きなものが採れやすいといわれ、大きいものを手に入れることも可能です。
小さな結晶より大きな結晶の方が価格は上がりますが、上がり幅が極端に変わるということはなさそうです。
アクアマリンは一般的にサイズが小さいと彩度の高いブルーは得にくいとされています。
5ct以上のものの方が強くて鮮やかなブルーになる傾向があるのだそうですよ。
カット
腕の良い研磨士が施すカッティングは精度が高く、その宝石の輝きや美しさを最大限に引き出します。
そのため、カットの良し悪しも価値に影響し、カットが美しい程、評価が高くなります。
また、複雑なカットが施されていたり、著名な研磨士によるものなども価格が上がる傾向にあります。
アクアマリンの価格相場
アクアマリンの市場価格、価格相場はどのくらいでしょうか。
アクアマリンはクォリティによって価格に開きがあります。
ルースでしたら、クォリティやサイズによっては1万円以下で見つけることも可能でしょう。
不透明なビーズなど、かなり安価で販売されているのを見たことがありますよ。
1ct以上あって色の美しいアクアマリンは数万円以上、クォリティが高く、サイズの大きいサンタマリアアクアマリンなら、数十万円以上の価格が付く場合もあります。
ジュエリーもまた、地金の種類や重さ、デザイン、ブランド、一緒に配置されている宝石の種類などにより、市場価格は様々です。
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アクアマリンを選ぶ時のポイント
実際にアクアマリンを選ぶ時、どのような点に注意するべきでしょうか。
アクアマリンは、ルース、ジュエリー、原石と販売されている形態が幾つかあります。
また、資産として選ぶか気軽に楽しむために選ぶかでも変わると思います。
それぞれに項目を分けてご紹介しますね。
資産として選ぶ場合
アクアマリンはエメラルドやルビー、サファイアほどには、資産としての価値が期待できない宝石といえます。
少しでも価値を追求したいということであれば、前述の価値基準にそって、サンタマリアアクアマリンのように色が濃く鮮やかで、透明度が高く、サイズの大きいものを選ぶと良いでしょう。
また、アクアマリンは類似石も多いため、高額なものを購入する際は信頼のおける鑑別機関の鑑別書が付属しているものを購入するか、オプションとして手配することをオススメします。
いざ売ろうと思った際にも、鑑別書があった方が価値評価にズレが出にくいためより安心です。
ジュエリーの場合は、地金の種類や純度、脇石の宝石、ブランド名なども価値に影響を与えます。そこも考慮した上で選ぶと良いでしょう。
ルース
アクアマリンのルースを購入する場合は主に、ルースのままコレクションして楽しむ場合とジュエリー加工する場合があると思います。
ルースのまま楽しみたい場合
宝石のルースをコレクションとしてそのまま楽しむ場合、品質に拘り過ぎず、ピンとくるものを購入しても良いと思います。
インクルージョンや色むらのあるものなどでもそれを好きだと思えれば、愛着が湧いてくるものです。
グリーン味の強いものや、キャッツアイ効果の現れるものなど、色味や効果、カットの違いなどで色々集めて見比べてみるのも面白いですね。
私も様々なルースをガラスケースに入れて部屋に飾り、時々取り出して光にかざしたり手触りを楽しんだりしていますよ。
ジュエリー加工して楽しみたい場合
では、ジュエリーを作る目的でルースを購入する場合はどうでしょうか。
私はスリランカの宝石店で、ジュエリー加工をするためにルースを探すことがよくありました。
その時、お店の人から次のようにアドバイスしてもらいましたよ。
★同じカラットであれば、顔(テーブル面)の大きいものを選ぶこと。その方がジュエリーにセットした時に宝石が大きく見えて映える。
★高さのある石はジュエリーにする時に地金を多く使うことになり値が張ってしまう可能性が高い。低めの石を選んだ方が加工費が抑えられる可能性が高い。 ★インクルージョンがあっても、位置によっては地金で隠れ、気にならなくなることもある。 ★石の色は薄めでもOK。ジュエリーの場合、地金に取り囲まれて、大抵のルースは実際よりも濃い色に見える。 |
いかがでしょうか。スリランカでのアドバイスのため、日本と事情が異なる部分もあるかもしれませんが、宜しければ、参考にしてくださいね。
もう一つ、ルースからオリジナルジュエリーを作成する場合、キズやクラックの位置や大きさによっては加工途中で割れてしまう恐れがあります。購入時お店の人に相談するなど、考慮の上選ぶようにした方が安心だと思いますよ。
ジュエリー
アクアマリンのジュエリーを選ぶ時、有名ブランドか国内のカジュアルブランドかなど、メーカーによって価値や価格が異なります。
ブランドの商品などは大量生産で作られることも多いため、石で選ぶというよりは、デザインや予算、ブランド名で選ぶことが多いでしょう。
もし、ノンブランドで一点もののジュエリーを選ぶ場合は、石の個性なども見て選ぶと、より愛着が湧き、長く楽しめるものに出会うことができるかもしれません。
石や地金にキズや亀裂がないかも重要なチェックポイントです。
また、着けていたら石が外れた、という話を意外とよく聞きますので、手元で見られる環境で購入する場合は特に、爪がしっかり留められておりガタつきがないかも確かめて下さいね。
原石
アクアマリンの原石を選ぶポイントは何でしょうか。
透明度が高く色が美しい原石は、高い価値が付くことでしょう。
ただ、原石の場合、売ろうとしても高値で買い取ってもらえる可能性がルースやジュエリーよりも更に低いと思います。
コレクションとして楽しむことに決めて、ピンとくるものを購入するのも一つだと思います。
触って楽しみたい場合は、表面が研磨してあるものの方が安全かもしれません。
私がスリランカで買ったアクアマリンの原石は、不透明でホワイトからブルーのグラデーションがあります。片手で持ち上がるくらいのずっしりした大きさで、冷んやりして気持ちがいいです。
ギザギザしている箇所もあるので、注意は必要ですが、「磨いたらどんな風になるのかな?」と想像を膨らませながらいつも眺めています。
ジュエリーの種類によって、楽しみ方や選び方のポイントの違いはある?
アクアマリンのジュエリーを身に着けると、その澄んだブルーの輝きに気持ちも穏やかになるような気がしますね。
ジュエリーの種類によって、選ぶポイントに違いはあるのでしょうか。
ここでは代表的なジュエリーとしてリング、ネックレス、ピアス・イヤリングを取り上げ、楽しみ方と選び方についてお話しましょう。
アクアマリンリングの楽しみ方と選び方
リングは、いつでもどこでも指をかざせば、アクアマリンの輝きを間近で見ることができる楽しさがあります。
先程ご紹介したとおり、アクアマリンは大きな結晶が採れることも多いため、存在感のあるリングも多く流通しています。
また、大きい程発色が良くなりやすいともいいますので、見応えがあるものも多いでしょう。
しかしリングの場合は、大粒である程、ぶつける可能性も高くなります。
アクアマリンはモース硬度が7.5 – 8で硬い方ではありますが、だからと言って、全く傷がつかない訳ではありません。
身につける際は強くぶつけたり、固い床に落としたりしないよう十分に注意しましょう。
アクアマリンネックレスの楽しみ方と選び方
胸元で明るいブルーのアクアマリンが光ると、顔色も明るく映える気がしますね。
ネックレスやペンダントは他人の目に触れることが多いため、さり気なく自慢できるアクアマリンを選びたいところ。
色が濃く鮮やかなものや大きいものを選べば、より目を惹きやすいことでしょう。
ちょっと変わったデザインや特殊カットが施されたアクアマリンのペンダントトップも存在感があって楽しめると思いますよ。
地金がゴールドなら暖かくてゴージャスな、プラチナやシルバーであれば、清楚で凛とした雰囲気になるでしょう。
装いやTPOによって、大きさや地金の色、チェーンの長さなどを変えて楽しむのも素敵ですね。
アクアマリンピアス・イヤリングの楽しみ方と選び方
ピアスやイヤリングも自分の目より対面する人の目に映りやすいアイテムです。
髪が長い方は髪をまとめたり、耳が出るヘアアレンジをすると、アクアマリンの輝きが隠れないため、相手により深い印象を与えることができるかもしれません。
アクアマリンのその輝きに、爽やかさや瑞々しさを感じる方も多いことでしょう。
また、大粒で色の濃いアクアマリンであれば、耳元でも大きな存在感を放ってくれるはずです。
お洒落を演出するのにきっと、一役買ってくれると思いますよ。
最後に
明るく澄んだブルーの宝石アクアマリンの価値基準、市場価格、選ぶポイントなどについてお話しました。
形態やジュエリーの種類によって、選び方や楽しみ方が違いましたね。
ブルーの宝石はとても多いですが、アクアマリンのブルーには独特の柔らかさや温もりがあるように私は思います。
常夏の国の明るい海の色にそっくりで、ビーチを吹く風の爽やかさや海の温かさを感じてしまうからです。
白いビーチの浅い海はグリーン掛かっていて、アクアマリンの色そのものだな~と思いましたよ。
昔から航海のお守りに大事にされてきたアクアマリン。私たちの人生も穏やかに導いてくれると良いですよね。
素敵なアクアマリンに出会えますように!
カラッツ編集部 監修