和名で水晶と呼ばれるクォーツは、供給量も安定していてとても馴染みのある宝石ですが、アメジストやシトリンなどもクォーツの一種で、一口にクォーツと言ってもかなりの種類が存在する宝石でもあります。
今回はこれもクォーツなの?といったものから、宝石なの?と石であることすら疑ってしまいそうな不思議なものまで、なかなか目にすることがない、少し珍しいクォーツをご紹介したいと思います。
まるでシャボン玉!レインボークォーツ
透明度の高いクォーツの中に七色の光が煌めく、幻想的な光を楽しむことが出来るレインボークォーツ。
アイリスクォーツやレインボークリスタルとも呼ばれています。
クォーツが成長する際に生じる内部の亀裂や歪みに光が屈折して、七色の光を見せてくれます。
この現象はシラー効果と言い、カボションカットに研磨することで楽しめる効果で、ラブラドライトやムーンストーンにも同じ効果が見られます。
レインボークォーツの内部に見える虹の模様は個体によってさまざまですから、中には羽に見えるものやオーロラのように見えるものもあり、個性豊かな宝石でもあります。
球体に研磨したレインボークォーツは、まるでシャボン玉のよう!
写真で見ると宝石であることすら疑ってしまいますね。
小さな魚が泳いでいるみたい?レピドクロサイトクォーツ
クリアなクォーツの中にしま模様のように赤いインクルージョンが存在する、レピドクロサイトクォーツ。
別名ストロベリークォーツとも呼ばれています。
内包されるインクルージョンには、ゲーサイトとレピドクロサイトの二種類が存在します。
ゲーサイトインクルージョンは細かい入り方、レピドクロサイトインクルージョンはゲーサイトと比べると大きめではっきりした入り方が特徴です。
この2つは見え方は違うものの、同じ成分なので時にはレピドクロサイトに見えるゲーサイトインクルージョンやゲーサイトに見えるレピドクロサイトインクルージョンとなることもあります。
明確な線引きはありませんが、一般的にはレピドクロサイトインクルージョンの見え方のものをレピドクロサイトクォーツと呼び、ゲーサイトインクルージョンの見え方のものをストロベリークォーツと呼ぶ傾向にあります。
レピドクロサイトクォーツは、少し大きめのインクルージョンがしま模様のように内包されていることで、まるで花が咲いているように見えたり、金魚が泳いでいるように見えるものも。
小さな金魚鉢を身につけているような不思議な魅力があります。
ブラックライトで発光する オイルインクォーツ
名前の通りクォーツの中にオイルが内包された、オイルインクォーツ。
オイルの正体は石油です。
石油に含まれた空気が気泡となってクォーツの中で、コロコロ転がるのですが、宝石の中に液体が目に見えて内包されている様は、なんだかかわいい…!いつまでも見つめていられる魅力があります。
ブラックライトを当てると、オイル部分がブルーに発光するのも特徴的。
ドットに配されたオイルが発光する様は、まるで飛行石さながらです。
古代の石油と空気が閉じ込められたロマンを感じさせ、幻想的でストーリー性を感じさせてくれるクォーツともいえますね。
オイルインクォーツを選ぶ際に注意したいのは、「オイルがこびりついたように劣化していないか」、「気泡が動いて見えるか」、「ブラックライトでオイルが発光するか」。
特にオイルは酸化していると茶色くなっているので、明るいイエローのものを選ぶようにしましょう。
※オイルインクォーツについてもっと知りたいという方はこちら!
▶まるで飛行石!?オイルインクォーツ(石油入り水晶)が人気の理由4つ
ブラウンカラーがシックな魅力 スモーキークォーツ
落ち着いたブラウンカラーが印象的な、スモーキークォーツ。
スモーキークォーツのブラウンは、クォーツに含まれた微量のアルミニウムが、紫外線によってブラウンに発色したことによります。
元々スモーキークォーツはスコットランド地方のケアンゴーム山地で産出された、イエローッシュグレーカラーの、ブラウンと言っても明るめの色合いのクォーツに名付けられた名前で、濃いブラウンカラーのものはケアンゴームと言います。
その上、黄色味がかったものはスモーキーシトリンと呼ぶのですが、この3種は明確な線引きがなく見分けるのも非常に難しいとされ、しばしば混同されています。
無処理で宝石質とされる上質なものは多く産出しておらず、現在市場に出回るスモーキークォーツの多くは照射処理を施されたものです。
大粒のものも比較的手にしやすいので、上品なブラウンカラーの大粒の宝石を探しているなら、スモーキークォーツがおすすめです。
最後に
馴染みのある宝石のクォーツですが、実は個性的なものも多くある宝石でもあります。
個人的にはオイルインクォーツが変化も楽しめる上、気泡の動きがあって目で楽しめるので気になっています。
とっても奥深いクォーツの世界、注目して頂けたら嬉しいです♪
カラッツ編集部 監修