魅力的な青色をしたブルートパーズは、カラーバリエーション豊かなトパーズの中でも人気の高い色の一つです。
宝石やジュエリー市場での注目度もますます高まっており、全体的に見ても人気のある宝石のひとつと言って良いでしょう。
薄いブルーから濃いブルーまで、さまざまな色合いを見せるブルートパーズ。
美しい色でありながら、比較的お手頃な価格も人々を魅了する理由ではないでしょうか。
ブルートパーズは濃さの違いから、スカイブルートパーズ、スイスブルートパーズ、ロンドンブルートパーズと名称が変わります。
そこで今回は、それぞれの特徴や色の違いは何か、また価値の差はあるかなどについてご説明していきたいと思います。
目次
色の濃さによって分かれるブルートパーズの種類
色のバリエーションが多いトパーズですが、中でも美しいブルーの発色をするトパーズは、青色の濃さによって呼び方と価値が違ってきます。
淡い色から順番にスカイ、スイス、ロンドンと分類されます。
ブルートパーズの基本情報
英名 | Blue Topaz(ブルートパーズ) |
鉱物名 | トパーズ |
分類 | 珪酸塩鉱物 |
結晶系 | 斜方晶系 |
化学組成 | Al2SiO4F2 |
モース硬度 | 8 |
比重 | 3.56-3.57 |
屈折率 | 1.61-1.62 |
光沢 | ガラス光沢 |
ブルートパーズの流行はいつから?
天然のブルートパーズは稀少なことから、1970年代以前には高い価格で流通していたそうです。
現在のような美しいブルートパーズが流通し始めたのは、1970年代初頭に入ってからのことだといわれています。
当時お手頃な価格で入手できるのは、イエローやブラウントパーズがほとんど。
安価な無色のトパーズは相手にされないことから、これらをブルーにしてみては?というアイデアが浮かんだそうです。
研究の結果、高エネルギーの電子や放射線を照射後、高熱で処理することで無色から異なる色調の青色へと変化させられることが判明。
その結果、スカイ・スイス・ロンドンなどの美しいブルートパーズが市場に出現することになったのだそうです。
では、淡い色から順番にそれぞれの特徴についてもご説明していきしょう!
スカイブルートパーズとは
スカイブルートパーズは、淡いブルーをしたトパーズです。
スッキリとした透き通るような青色をしており、その色はまさに雲一つない晴れた日の空に似ていることから、『スカイブルー』と呼ばれるようになったといわれています。
スカイブルートパーズは、無色のトパーズに電子加速器から発する電子やコバルト60などのガンマ線を照射した後、加熱処理を施して青くしているそうです。
爽やかなパステル調の水色がアクアマリンに似た色調として人気も高く、3種類の中で最も入手しやすい価格で販売されることが多いようです。
スイスブルートパーズとは
スイスブルートパーズは、明るくビビッドなブルーが魅力的な宝石です。
スカイブルーよりも濃く、ロンドンブルーよりも明るいトーンをもっています。
中でもビビッドな発色をする高品質のスイスブルートパーズは、カリブ海の青やブラジル産パライバトルマリンを思わせる色だと評価されることもあるそうです。
スイスブルートパーズのほとんどは、無色のトパーズに照射処理と加熱処理を施して、強く明るい青色を引き出させたものだといいます。
価格的にはスカイブルートパーズよりも高く扱われることが多いようですが、それでも比較的お手頃なものも多く、ビビッドな青色が美しいことから人気がある種類です。
ロンドンブルートパーズとは
ロンドンブルートパーズは、中間~ダークな灰色のトーンをしたブルーの発色をします。
少し暗めで灰色がかった青色をしていますが、ある角度から見ると微妙な緑色のトーンを見せることもあるそうです。
ロンドンブルートパーズも無色のトパーズに放射線照射や加熱処理を加えて濃い青色にしているといいます。
3種類あるブルートパーズの中で最も価値高く扱われることが多い種類だといわれています。
偽物はあるの?
オークションサイトなどでは、ブルートパーズと偽って模造石(ガラスやプラスチックなど)を販売するなど、明らかな偽物が出回っていることもあると聞きます。しかしそのブルートパーズが本物かどうか、ご自分で見分けるのは困難かも知れませんよね。
購入するときに質問してみたり、鑑別書を確かめるなどして、賢い買い物をするように心がけてくださいね。
悪いのは本物と偽って模造石などを売ることです。きちんと開示して販売している場合は問題ありませんので、誤解なさらないようにしてくださいね。
価値基準とそれぞれの価格について
スカイ、スイス、ロンドンの3種類のブルートパーズの特徴は、青色の濃さやトーンの明るさによって分類されることが分かりました。
色合いによって価値も異なり、スカイが一番安く、その後スイス、そしてロンドンの順に高い価格が付けられることも分かりましたね。
それぞれの種類の中での価値の基準としては、一番は色が鮮やかで美しいもの。後は、カットが美しいものやカラットが大きいもの程高くなる傾向にあります。
ブルートパーズは比較的インクルージョンが少ないものが多いといわれていますが、透明度も高い方が評価は上がります。
一般的な市場価格とは
それでは、気になる一般的な市場価格はどれほどなのでしょうか?
参考例として、『同じクオリティの上質の10カラット』のものということで、比較してみたいと思います。
スカイブルートパーズを基準とし、スカイブルートパーズが10,000円の場合の目安となります。あくまでも参考値ですのでご理解くださいね。
スカイブルートパーズ・・・ 10,000円程度
スイスブルートパーズ・・・ 15,000円程度
ロンドンブルートパーズ・・・22,500円程度
スカイとスイス、スイスとロンドンの価格差はそれぞれ大体1.5倍位になることが多いようです。スカイとロンドンを比較すると、約2倍以上になるようですね。
何処で買える?
では、ブルートパーズを買いたい時何処で買えるか、というと。
ブルートパーズは人気がある上に流通量も多いため、取り扱っているお店は多いと思います。
オンラインショップでも取り扱っているお店は多いようですので、色々なお店のものを見比べて相場感を知ったり、色や予算に合ったものを探すことも可能だと思います。
ジュエリーとして販売されているものも多い印象ですので、好みのものを探しやすいのではないでしょうか。
色は永遠?取扱いで注意することは?
人工処理されたブルートパーズの青色は基本的には永遠で、一般的には色褪せることは少ないといわれています。
ただ、トパーズは一定の方向に向けて割れる劈開(へきかい)という性質を持ちます。強い衝撃を与えると割れる可能性があるので取り扱いには注意しましょう。
汚れてきたら、ぬるま湯に溶かした洗剤の中に入れて、優しく洗うと良いでしょう。超音波洗浄機は絶対に使用しないでくださいね。
最後に
澄み切った水色から濃い青色まで、さまざまな種類のあるブルートパーズ。
スカイブルー、スイスブルー、ロンドンブルー、それぞれが個性的な上に、比較的入手しやすい価格であることも魅力的ですよね。
3種類集めて色の違いを楽しむのも、ブルートパーズの楽しみ方の一つですよね、きっと☆
カラッツ編集部 監修