トパーズとは黄橙色の代表ともいえる11月の誕生石です。
透明度が高く強い輝きを放つトパーズは19世紀初めにはイヤリングやネックレスにされ、人々から長く愛され続けている歴史ある宝石の一つです。
今回はそんなトパーズの魅力についてお話ししたいと思います。
11月の誕生石「トパーズ」とは?

11月の誕生石として知られているトパーズは、和名では「黄玉」(おうぎょく)と呼ばれる、カラーバリエーションが豊富な宝石です。
世界5大宝石の一つでもあり、主な産出地はブラジル、ロシア、マダガスカルなどですが、日本でも岐阜県恵那群などで採掘された記録があります。
トパーズの名前の由来は、ギリシャ語で探し求めるという意味の「topazos(トパゾ)」から来ているといわれているのですが、実は古代では「topazos(トパゾ)」は現代のペリドットのことを指していたそうです。
そして現代のトパーズのことをペリドットと呼んでいたようなので、当時は明確に区別されていなかったということが伺えます。
また、サンスクリット語の「火」を意味する「tapas」から由来しているともいわれています。
トパーズには様々な色が存在し、無色の他に、レッド、オレンジ、イエロー、ブルーなど、ほとんどの色相が確認できます。
色によってもそれぞれ呼び名が異なり宝石名の前に色名を並べて、「ブルートパーズ」や「ピンクトパーズ」と呼ばれています。
色も種類も豊富なトパーズ
トパーズの大きな特徴の一つにカラーバリエーションが豊富であることと、種類の多さがあるのですが、種類は大きく分けると2種類です。
ひとつはOHタイプ、もうひとつはFタイプと呼ばれるもので、ほとんどのトパーズ、無色やブルー、ブラウンなどはFタイプに分類されています。
一方でOHタイプは希少性が高いとされる、褐色、ピンク、オレンジなどの色合いを持つものが分類されています。
それでは順番にご紹介していきます。
インペリアルトパーズ

OHタイプに属するシェリー酒のような色合いで輝きの強いトパーズをインペリアルトパーズと呼んでいます。
シェリー酒のような色というのは、オレンジがかったイエローからオレンジ、赤みのあるオレンジの色合いのことをいいます。
インペリアルトパーズは無処理のものもありますが、一部加熱処理されたものも存在します。
ピンクともオレンジともいえない絶妙な色合いは見るものを魅了し、多くの人に愛されています。
ピンクトパーズ

ピンクトパーズは別名をローズトパーズともいい、美しく非常に珍しい宝石です。
ピンクトパーズの色合いは、品質の良いピンクダイヤモンドのような、淡い色のルビーのような色をしています。
より詳しく知りたい方はピンクトパーズについて書いたコチラの記事を参考に。
ホワイトトパーズ

ダイヤモンドの代わりの宝石として使われていたクリアカラーの宝石で、カラーレストパーズともいいます。
ダイヤモンドよりも輝きが鈍いのが特徴で、ブリリアントカットに研磨すると品質が低めのダイヤモンドと見間違います。
ブルートパーズ

様々な色相のブルーが楽しめるブルートパーズですが、現在市場に出回っているブルートパーズのほぼ100%がカラーレストパーズに放射線をあてて人工的に色を付けた物といわれています。
人工的な着色は濃淡が自由自在ですので、ブルーのトパーズ=照射処理と言っても過言ではありません。
なおブルートパーズに照射処理がされているかされていないかは、科学的には判別できません。
インペリアルトパーズとピンクトパーズの違いとは

前述した通り、シェリー酒のような色合いのトパーズをインペリアルトパーズといいますが、ピンクトパーズと比べると少し赤みが強いのが特徴です。
ピンクトパーズは赤紫の濃いものやファンシーピンクダイヤモンドに似たわずかに紫がかったピンクの色合いをしています。
赤みの強いオレンジを感じるトパーズはインペリアルトパーズ、紫がかったピンクのトパーズはピンクトパーズと、覚えておくと役に立つかも?
おわりに
11月の誕生石、トパーズは様々な色合いと種類が豊富な上にサファイアの次に硬い硬度8の宝石で普段使いにとても適しています。
ネックレスはもちろんリングにしてもお楽しみいただけます。
色石ですが、扱いやすい性質なので汚れが気になったら洗剤で洗うこともできます。
デイリーユースに楽しむ宝石として加えてみてはいかがでしょうか?
カラッツ編集部 監修