硬度7半 ゴーシェナイト | (宝石の国) 28キャラを宝石屋が全力で解説する

宝石の国 ゴーシェナイト

出典元:TVアニメ『宝石の国』公式サイト

ゴーシェナイトはガラス光沢をもつ「無色透明のベリル」です。別名、ホワイトベリルとも呼ばれています。「宝石の国」にもいつも困ったような顔でゴーシェは登場していますよね。
今回は、かつてダイヤモンドの代理を務めたこともあるゴーシェナイトについて、いろいろな方向からお話いたします。

宝石としてのゴーシェナイト

色石
モース硬度が7.5。ゴーシェナイトは宝石として申し分のない硬さをほこり、エメラルドやモルガナイト、アクアマリンなどと並ぶ、ベリル属の宝石のひとつです。
そんなゴーシェナイトの特徴などについて見ていきましょう。

ゴーシェナイトってどんな宝石?

アメリカのマサチューセッツ州、ゴーシェンという地域で発見され、その地名をとってゴーシェナイトと名づけられました。ベリルのなかでは、もともとインクルージョンをあまり含まない方だといわれていますが、それでも、ルーペクリーンで完全に無色透明のゴーシェナイトはかなり希少な存在です。

完全無色のものはなぜ希少性が高い?

ベリル属の宝石にはいろいろな色があるので、一見、無色に見えても、実はモルガナイトの薄いピンクや、ヘリオドールのイエローがほんのわずかに含まれているケースが多くなります。
他の無色の宝石と並べて見れば、よく分かるのですが、本当に少しだけ色づいているものは、単体で見ても分かりにくいことが多いですね。真っ白な紙の上などに載せてみると、少しは色が分かりやすいかもしれません。
ゴーシェナイトのように無色透明の宝石は、ほとんどのものがキラキラとよく輝くという特徴をもちます。やはり、色が入っているものよりも、光を取り込みやすいのでしょうね。

ダイヤモンドに似ているゴーシェナイト

屈折率も高く、よく輝く無色透明のゴーシェナイトは、ダイヤモンドと似た輝きをもちます。そのため、ダイヤモンドの模造石として使われていた時代もありました。しかし、希少性という意味で考えると、完全に無色透明のゴーシェナイトはダイヤモンドよりもはるかにレアな宝石といえます。また、ダイヤモンドよりも大きめの原石が採掘されているため、さらに素晴らしい輝きを楽しむことができるというメリットがあります。

宝石の国のゴーシェナイト

宝石の国ゴーシェナイト
出典元:TVアニメ『宝石の国』公式サイト

銀色の短髪をなびかせて、いつも困り眉でみんなに優しい穏やかな性格を持つのが「宝石の国」のゴーシェ。同じベリル属のモルガとペアを組むことが多いようです。主な任務としては見回りを担当しています。やんちゃなモルガと一緒にいるせいで、金剛先生に叱られることもしばしば。おおらかな性格は、比較的大きめの結晶が発掘されることが由来しているのでしょうか。
しかし、そんなゴーシェですが、モルガとともに月に帰ってしまって生まれ変わります。新しいモルガとゴーシェは正反対の性格になったみたいですね。あれだけの輝きをもつ宝石なので、光り輝く一面が前面に現れたということかもしれません。

最後に

鑑定
私は、今は色石ばかりを集めていますが、実は無色透明の宝石もどれも希少なんですよね。
そして、そのなかにはよく光る美しいものも多いんです。だから、コレクションが一段落するときが来たら、次は無色の宝石を集めてみたいと企んでいます。

カラッツ編集部 監修

ABOUT US

趣味で20年以上レアストーン寄りの宝石やジュエリーを収集しています。メキシコのウォーターオパールからはじまり、既に50種類以上のルースを所持しています。王道(?)のグランディディエライトやレッドベリルをはじめ、コーネルピンやペツォッタイトといった誰も知らないような希少石も大好物。宝石を太陽光に当てたり、ブラックライトで照らしたりしてマニアックに宝石を楽しんでいます。