暦の上では秋に入るものの、まだまだ残暑厳しい9月。
学校が再開するなど、年度の後半に向けて、再スタートを切る時期でもありますね。
そんな9月の誕生石には、どんなものがあるのでしょうか?
調べてみたら、ちょっと面白い発見もあった、9月の誕生石について、特徴、価値、歴史、石言葉などをご紹介していきましょう!
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9月の誕生石は何がある?

誕生石は国によって異なり、初めて日本の誕生石が選定されたのは、1958年。全国宝石卸商協同組合によるものでした。
その際、9月の誕生石として選定されたのはサファイア。
以降60年以上、日本の9月の誕生石はサファイアのみでしたが、2021年12月、同組合により改訂が発表され、クンツァイトが加わることとなりました。
サファイアといえば、古来より採掘され、世界中で愛される有名石。名前や外見をご存知という方も多いと思います。
一方のクンツァイトは、サファイアほど認知度は高くないですが、ライラックピンクの色合いが特徴で、コレクター人気の高い宝石です。
個性豊かで、魅力あふれるサファイアとクンツァイト。それぞれ詳しく見ていきましょう。
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9月の誕生石 サファイア

サファイアと聞くと、恐らく多くの方が透明度の高い、ブルーの宝石を思い浮かべると思います。
しかし、実はサファイアには多くの色合いがあり、見た目や特徴の異なる種類もあります。
古くから世界各地で産出され、広く愛され続けてきたサファイア。
特徴、歴史・言い伝え、価値、石言葉に分けて、少し詳しくご紹介していきましょう。
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特徴
サファイアは、鉱物としてはコランダムに属します。実は、赤色が印象的なルビーとは、同じ鉱物の色違いという関係にあります。
鉱物コランダムの中で、レッドをルビー、それ以外の色をサファイアと呼ぶのですね。
そして、先程お伝えしたとおり、サファイアには多くの色合いが存在します。
「ブルーサファイア」については、単に「サファイア」とだけ言う場合もありますが、一般的には「サファイア」の前に色名をつけて、「イエローサファイア」や「ピンクサファイア」といった感じで呼ばれます。
色合いだけでなく、見た目や特徴が異なる種類もありますよ。
例えば、光源によって色合いが変わる「カラーチェンジサファイア」や光を当てるとスター効果(アステリズム)を示す「スターサファイア」、1石の中に2色を呈する「バイカラーサファイア」など。

モース硬度は、ダイヤモンドに次ぐ9。劈開もなく、科学的にも安定していることから、日常的なジュエリーとしても十分に楽しめます。
主な産地は、スリランカ、ミャンマー、オーストラリア、マダガスカル、カンボジアなどです。
ただ、残念なことにサファイアは、その人気や価値の高さから、偽物や価値を下げる人工処理が施されたものも多く出回っています。
高額のものや色合いによっては、信頼のおける鑑別機関の鑑別書もしくはソーティングが付属しているかオプションでつけられるものを購入することをオススメします。
歴史・言い伝え
「サファイア」にまつわる、歴史上最も古い記録は、紀元前17世紀の古代エトルリア人の時代まで遡ります。
世界最古の産地として知られるのはスリランカです。
紀元前624~544年頃、「宝石の都市」という意味をもつ、ラトナプラ近くの漂砂鉱床で始まったと伝わります。今でもラトナプラはサファイアの主産地のひとつとして有名ですね。
サファイアには、言い伝えも多く残されていますよ。
例えば中世ヨーロッパでは、政治的、経済的、精神的な力を持ち主に与える「勝利の石」として、王や聖職者に好まれていたと言います。
また、「浮気するとサファイアの石の輝きが曇る」と信じられていた時代もあり、ヨーロッパでは今でも婚約指輪としてサファイアを贈ることがあるそうです。
サファイアの婚約指輪と言えば、かつてチャールズ皇太子が故ダイアナ元妃に贈ったものが有名ですね。その後キャサリン妃に受け継がれ、身につけられているのをよく目にします。
価値
サファイアを評価する際に、最も重要視されるのは「色」です。
色が濃く鮮やかであるほど、価値が上がり、最も価値が高い色合いはブルーです。
中でも、コーンフラワーブルーとロイヤルブルーと呼ばれる色合いが高い評価を得ています。
ブルーの次に価値が高いのは、ピンクとオレンジが混ざったような色合いのパパラチアサファイア。
ピンク寄りのものからオレンジ寄りのものまで幅があり、自分好みの色合いのものを探す楽しさも感じられる宝石です。
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石言葉
「誠実」「徳望」「愛情」など
「誠実」や「愛情」など、先にお伝えした言い伝えと通じるような言葉が多いですね。
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9月の誕生石 クンツァイト

9月の誕生石として新たに選ばれたクンツァイトは、ピンク~パープルの色合いが印象的な宝石です。
ライラックピンクと表される色合いが最も定番かもしれません。
個人的には某アニメのキャラクターを連想してしまうところが多いですが、宝石としての魅力も十分で、先にお伝えしたとおり、コレクター人気の高い宝石です。
クンツァイトについても、特徴、歴史・言い伝え、価値に分けて詳しくお話していきましょう。
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特徴
クンツァイトは、鉱物としてはスポジュメンに属します。スポジュメンの中でピンク~パープルを呈すものをクンツァイトと呼びます。
スポジュメンには、他にも、「ヒデナイト」や「トリフェーン」のように、色合いなどによって呼び名が変わるものがあります。
特定方向からの衝撃に弱い性質である「劈開性」をもち、カットが難しい宝石としても知られます。
大粒の結晶で発見されることも多く、アメリカのスミソニアン博物館には、880カラットもあるクンツァイトが収容されているそうですよ。
多色性が強いことも特徴のひとつで、クンツァイトの場合、見る方向によって濃淡の違いを楽しむことができます。
クンツァイトは、長時間紫外線を浴びると退色するものが多いといわれています。
個体差などもありますので、必ずしもではないようですが、後から後悔しないよう、保管の際は箱に入れるなど、直射日光を避けた方が安心だと思います。
主な産地は、ブラジルやアフガニスタンです。
歴史・言い伝え
クンツァイトは1902年、カリフォルニア州サンディエゴ郡周辺で発見されたといわれています。
当初正体不明だった「ピンク色の結晶」は、ティファニー社の宝石鑑定士でもあった鉱物学者、ジョージ・フレデリック・クンツ博士のもとに送られ、同氏によって新たな鉱物であることが解明されました。
そしてその翌年、クンツ博士に敬意を表して「クンツァイト」と命名されました。
実はこのクンツ博士、アメリカのモンタナ州で産出されるモンタナサファイアを初めて鑑別したことでも知られる人物。
9月の誕生石サファイアとクンツァイトにはこんな不思議な縁があったのですね。面白い発見でした。
価値
クンツァイトは、色が鮮やかで濃いものほど価値が上がり、更にパープル味が強いと評価が高くなります。
その他、透明度やサイズ、カットの良さなどを総合的に見て、価値が決まります。
石言葉
「恋人到来」など
クンツァイトのもつ、印象的なピンク色が恋の予感を感じさせるのかもしれませんね。
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最後に

9月の誕生石についてお話ししました。
今回調べた中で、クンツ博士を通してサファイアとクンツァイトがつながったことが、とても面白く感じられました。
クンツ博士も9月生まれだったそうで、それがクンツァイトを9月の誕生石に加える理由になったとのことですが、モンタナサファイアの件も意識してのことだったのでしょうか。気になるところです。
クンツ博士と深い関わりがあることがわかった、9月の誕生石たち。
もしかしたら他の月の誕生石たちにも、不思議で面白い縁があるかもしれませんね。今度機会があったらまた調べてみたいと思います。
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カラッツ編集部 監修