【シルバー・ゴールド・プラチナ】素材別指輪のお手入れ方法教えます!

リング

「指輪のお手入れをしたことがない!」

という方も、簡単なお手入れで手持ちの指輪がピカピカになれば嬉しいですよね!

特に変色しやすいシルバーリング、「引き出しの中に黒くなって眠ってる・・」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

自分で簡単にできる指輪のお手入れ方法を素材別にご紹介していきたいと思います!

指輪のお手入れみんなはどうしてる?

グロッシュラーガーネット リング

筆者の友人が、黒く変色したティファニーのシルバーペンダントを持参し、

黒いのってどうやったら取れるの?今まで捨ててたんだけど、これは気に入ってるから綺麗にしたくて・・」と言うので、とても驚いた経験があります。

シルバーはゴールドやプラチナと比べると、比較的安価ですが、れっきとした「貴金属」です。

金やプラチナと同様、毎日決まったレートで取引される、いわば「お金」と同じでもあります。

捨てるのはあまりにもったいない!

大切な思い出がつまったジュエリー、いつまでも美しく使いたいですよね。

面倒だと思われがちですが、黒ずんだシルバーリングも意外と簡単に美しさを取り戻します

それにお手入れする事でいっそう愛着も増しますよね♡

正しいお手入れ方法を知って、お気に入りのジュエリーをより長く楽しめるようになりましょう!

指輪のお手入れ方法

リング お手入れ
ジュエリーの素材によって、お手入れ方法は異なります。

ただ、どの素材にも共通していえるのは、

  • 香水やスプレーを使う場合は使ってから指輪をつける
  • 温泉に入る際は外す
  • 汗などヨゴレがついたら柔らかい布で拭いてからしまう
  • 保管の際には、ジュエリー同士がぶつからないようにする。(小袋に入れ分けると◎)

この様なちょっとした心がけで、長く美しさを保つことができます。

では早速素材別の詳しいお手入れ方法もご紹介していきますね!

シルバー製品

シルバ^アクセサリー

まずはシルバーです。その特性から見ていきましょう。

シルバーの特性

シルバージュエリーをほったらかしにしていて黒くなった経験・・誰しも1度や2度あるのではないでしょうか。

これは空気中に含まれている硫黄と化学反応をおこす、「硫化」と呼ばれる現象です。

硫黄の温泉にうっかりシルバージュエリーをつけたまま入って真っ黒になる、というのも実はこの硫化が原因です。

シルバーは元々は柔らかい金属です。

銀100%だととても柔らかく加工などが難しいことから一般的に銅など他の金属と割って、合金にしてからジュエリーに使われています

スターリングシルバーが最もポピュラーですが、sv925という刻印は、1000分の925が銀という意味です。※残りの75(7.5%)は銅

シルバーの指輪は比較的キズが付きやすいため留意して使うと良いでしょう。

スターリングシルバーについて詳しくはこちら

シルバーのお手入れ方法

普段のお手入れは、シルバークロスという、シルバー用のクロス(布)がオススメです。

100円ショップでも手に入りますし、ジュエリー専門店やネット通販でも購入することができると思います。

シルバークロスには銀を磨くのに適した研磨剤が含まれています。

そのため、シルバークロスで指輪の内と外を丁寧に磨くとくすみもとれて銀本来の輝きを取り戻します

また、汗が付着した際には、柔らかい布で拭いておきましょう

万が一黒くなっってしまった時は・・

シルバーリング 酸化

その時はシルバークリーナーという液体のアイテムが便利です。

こちらもジュエリー専門店やネット通販で購入可能です。

シルバーポリッシュなど別の名前で売っていることもあるのですが、中身は恐らく大きく変わらず、黒く変色したシルバージュエリーを数十秒浸けるだけで、みるみる白銀の美しさを取り戻します!

その後割り箸や付属の木製ピンセットなどでジュエリーを取り出し、流水でよくすすげば終了です。簡単ですよね!
※この時、排水溝に網などをセットして、指輪が流れていかないように注意してくださいね!

しかも細かい部分まで簡単に綺麗になりますので、指輪だけでなくシルバーチェーンを綺麗にしたい時などにも活躍してくれる大変有難いアイテムです!

ただし、シルバークリーナーには使用上の注意点もあります。

注意点

まず、宝石のついた指輪には絶対に使用しないでください。宝石を傷つける恐れがあります。

シルバークリーナーにステンレスなどの金属製のピンセットをつけることも厳禁です。

また、銀メッキのジュエリー(銀ならsilver, silver925 などの刻印が打ってあります。)はシルバーではありませんので、浸けないように注意して下さい

液体の性質が変わり、使用できなくなってしまいます

・・実は筆者はこの過ちをおかした経験があります・・

海外で仕入れたシルバーチャームのうちのいくつかが、シルバーではなくニッケルに銀メッキをかけたものだったのです。。

ダメになってしまった液にシルバーのジュエリーをつけると、ぼうっと白い何かが付着し、くすんだ感じに仕上がる様になってしまいました。。もう使い物になりません。。

また、銀を故意に黒くする”いぶし銀”がデザインに使われている指輪は、いぶされている部分まで白銀色になってしまいますので、こちらもシルバークリーナーは使用せず、シルバークロスのみでお手入れするようにしましょう。

家庭にあるもので代用できる?

ジュエリーお手入れ

シルバークリーナーを買わなくても、家庭にあるもので代用することもできるそうです。

必要な物は・・アルミホイル重曹熱湯コップやお椀(耐熱素材)の4点のみ!

    1. まず、コップなどの耐熱容器にアルミホイルを敷きます。
    2. 指輪を置き、重曹を大さじ1程度まぶします。
    3. 熱湯を注ぎます。
    4. すぐに泡が出てきます。化学反応を起しています。
    5. しばらくして指輪を取り出し、水ですすぎます

※熱湯を使うので、ヤケドをしないように十分に気をつけてくださいね。
※宝石がついているものには使用しないようにしてください。

とても簡単ですね!

指輪は2つでも3つでも同時にこの方法で綺麗になりますよ。

番外編:シルバーチェーンが絡まってしまったら・・

ちなみに、指輪とは関係のない話ではありますが、シルバーチェーンが絡まってお団子みたいになって困った経験はありませんか?

そんな時は絡まってお団子になってしまっている部分を指でもみほぐすようにしてみて下さい。

少しずつおだんごが緩みますので、ほどきやすくなりますよ。

ゴールド製品

ゴールド リング イエローサファイア

次はゴールド製品のお手入れ方法です。まずはこちらも特性から!

ゴールドの特性

ゴールドといえば、化学的に安定していて変色しにくい、金属アレルギーが起こらない(純金の場合)という点で、ジュエリーの地金として人気がありますよね。

ゴールド製品のお手入れで一番大切なことは、ゴールドは柔らかい素材だと知ることではないかと思います。

柔らかいため加工しやすいという特徴のあるゴールドですが、逆に言えばキズがつきやすい、変形しやすいという難点もあるのです。

そのため、ジュエリーに仕立てるのに純金(K24)だと柔らかすぎてしまうため、シルバーや銅といった他の金属と合わせ硬さを出してから加工します。

前述したスターリングシルバーと考え方は似ていて、K18やK14、K10などといった表記は、ゴールドの割合が24分の18、24分の14、24分の10であり、残りは他の金属という意味です。

ちなみに一番一般的なイエローゴールドのK18は、75%が金、後の25%はシルバーと銅の合金です。

そのため長く使っていると、合わせられているシルバーが硫化をおこし、多少黒ずんでしまうこともあります。

またK18ホワイトゴールドは、75%の金と25%のパラジウムの合金です。(ニッケル、銀が含まれている場合もあります。)

K24、K22のジュエリーもありますが、とても柔らかいです。

特にキズが付きやすい指輪は、ぶつけたり落としたりして変形させない様に注意して使いましょう。

ゴールドのお手入れ方法

リング お手入れ

普段のお手入れは市販のゴールドクロスで優しく拭くので十分ではないかと思います。

ゴールド用のクロスには、ゴールドに適した研磨剤がふくまれており、変色に対してもある程度はこれでケアできます。

こちらもジュエリー専門店やネットショップで購入できると思います。

ヨゴレが酷い時や細かい部分のお掃除には

酷いヨゴレが気になる場合や細かい装飾のついたリングなどをキレイにしたい時もありますよね。
そんな時はこちらの方法がオススメです。

  1. ぬるま湯に中性洗剤をとかし、しばらく浸しておきます。
  2. 次に、柔らかい歯ブラシなどでヨゴレを優しくこすり取ってあげましょう。
  3. 仕上げにぬるま湯の流水でよくすすぎます。

※シルバーリング同様、排水溝に網などをセットして指輪が流れていかないようケアも忘れずに!

注意点

歯ブラシを使用する際、キツク擦ったり、毛が硬いものを使用するとかえってキズが付いてしまう事もありますので注意してくださいね。

そして、K24やK22の場合は柔らかいため、歯ブラシは使用しない方が良いでしょう。

K24の場合は指の腹で優しくこする程度、K22の場合は歯ブラシよりも柔らかい化粧ブラシなどを使用されることをおススメします。

宝石がついたリングの場合は、宝石によっては水や中性洗剤につけてはいけないものもありますのでご注意下さい。

プラチナ製品

ダイヤモンド プラチナ リング

それでは最後に、プラチナ素材について見ていきましょう!

プラチナの特性

プラチナも化学的にとても安定した素材です。

酸に強く変色の心配もありません

なので毎日つけ続ける結婚指輪の素材としてもふさわしく人気がありますよね。

しかしゴールドと同様、プラチナもそのままでは柔らかすぎるため通常は他の金属と混ぜてジュエリーに使われています。

プラチナの場合、pt950、 pt900、pt850という三品位が主に使われています。

これは、1000分の950、900、850という割合でプラチナが使われているという意味です。こちらも考え方は同じですね。

残りの50~150(5~15%)は、パラジウムが使われることが主ですが、ルテニウムやイリジウムという金属で割られている場合もあるそうです。

プラチナのお手入れ方法

普段のお手入れは、柔らかい布で優しく拭く程度で十分だと思います。

プラチナに適した研磨剤がついている、プラチナ用のクロスもジュエリー専門店やネット通販などで購入可能です。

ヨゴレが酷い時や細かい部分のお掃除には

プラチナの場合も基本的にはゴールドと同じです。

  1. ぬるま湯に中性洗剤を少し溶かしいれ、指輪をしばらく浸けます。
  2. 柔らかい歯ブラシやブラシで優しくこすって綺麗にします。
  3. 流水でよくすすぎ、柔らかい布で拭きます。

※こちらも大切な指輪が流れていかないように排水溝に網などをセットすることを忘れずに!

特に宝石の裏や周り(プラチナ爪や枠と宝石の間など)にはヨゴレが溜まりやすいので、きれいに取り除いてあげられると、指輪の輝きがとても美しくよみがえりますよ!

ただし宝石によっては水や中性洗剤をつけてはいけないものもありますので、注意してくださいね。

宝石がついている場合は違う!?

オパール ゴールド リング
素材別のお手入れ方法についてご紹介してきましたが、これはあくまでも地金に対してのものです。

指輪に宝石がついている場合は少し異なりますので注意してください。

まずはどの金属素材の場合でも液体クリーナーに浸ける事は厳禁です!

酸・アルカリに弱い宝石も多いので、宝石の変色にもつながりかねないのです。

クロスでのお手入れの場合も、クロスには研磨剤が含まれていますので宝石を避けて金属素材部分だけを磨くようにしましょう。

宝石と金属枠や爪の間や裏抜きをしている部分はヨゴレが溜まりやすいものですが、宝石を傷つけないよう特に気を付けて下さいね。

オパール ゴールド リング

ぬるま湯に浸しながら柔らかい歯ブラシで優しく擦ってヨゴレを取る方法は、基本的には宝石が汗など油分などで汚れてしまった場合も大丈夫ですが、中にはそれさえも注意が必要な宝石もあります

それぞれの宝石の特徴を知って正しいお手入れをするようにしてください。

例えば

エメラルドなど、超音波洗浄機を使ってはいけない宝石も多くあります。

ターコイズ、エメラルドは中性洗剤もNGです。

パール(真珠)、オパール、琥珀、珊瑚、ラピスラズリ、マラカイトなどは特に注意が必要な宝石です。

水分や熱に弱いものもあるため、こういった宝石の指輪をしっかりクリーニングしたい場合は、専門店にお願いしましょう。

ヨゴレが酷い場合も専門店ならそれぞれにあった方法で綺麗にヨゴレを取り除いてもらえると思います。

また宝石鑑定士は宝石別のお手入れ方法の知識ももち得ていますので、宝石鑑定士がいたり、信頼できるお店におまかせすることをおススメします。

最後に・・

ピンクサファイア ゴールド リング
筆者の工房にも、”シルバークリーナー”があります。

8年前にネットで取り寄せたものですが、まだまだ大活躍してくれています。

はじめてシルバークリーナーを使った時、魔法の様にサーーっと白銀に変わる様がおもしろく、手持ちのシルバージュエリーを片っ端からクリーニングして楽しみました。

シルバーは今でこそプラチナやゴールドに価格的にはおよばないものの、その昔、プラチナよりも高価な時代もあったといいます。

プラチナが”偽のシルバー”と呼ばれていた時代さえあったそうです。

お手持ちの大切な指輪をお手入れして、美しさを取り戻してみてくださいね!

カラッツ編集部 監修

ABOUT US

New YorkのGIA(Gemological Institute of America)で宝石鑑定コースを修了。マンハッタン47丁目の宝石街にある宝石研究所で5年間ダイアモンド鑑定士を務める。帰国後、国内の宝石研究所で勤務後、ジュエリーデザイン制作の自営業を営み現在に至る。