パロットクリソベリルの価値、産地、お手入れ方法とは?

パロットクリソベリル ルース

パロットクリソベリルという宝石をご存じでしょうか?

鉱物クリソベリルの変種の一つで美しい色合いをもつ宝石です。

クリソベリルといえば、アレキサンドライトクリソベリルキャッツアイが有名ですが、その二つに次いで高い価値が付けられるというパロットクリソベリル。

今回はパロットクリソベリルの特徴価値など、知っておきたい情報をまとめてみました!

パロットクリソベリルとは?

パロットクリソベリル ルース2

パロットクリソベリルはネオン感のあるイエロー~グリーンの宝石です。

クリソベリルの中では希少性が高く流通量も比較的少ないため、一般的にはあまり知られていないかもしれません。

では早速鉱物としての基本情報から見ていきましょう。

鉱物としての基本情報(クリソベリル)

英名 Chrysoberyl
和名 金緑石(きんりょくせき)
分類 酸化鉱物
結晶系 斜方晶系
化学組成 Al2BeO4
モース硬度 8.5
比重 3.68-3.73
屈折率 1.75-1.76
光沢 ガラス光沢

特徴

実はパロットクリソベリルはいわゆるコマーシャルネーム(流通名)です。

そのため、鑑別書には宝石名:クリソベリルと表記されることが多いようです。

かつては、1997年からおよそ6年ほどの間に、インドのチンタバリ鉱山採掘された石だけがパロットクリソベリルと呼ばれていたそうですよ。

当初は比較的安価で流通していたそうですが、採掘期間が短かったことや人気などから現在は希少価値が上がっているということです。

主にチンタバリ鉱山で産出されるといわれていますが、産地特定ができない宝石のため、産地に関わらずネオン感のあるオウム(Parrot/パロット)の羽根に似たライムグリーン(イエローグリーン)を呈するものはすべて、パロットクリソベリルと呼ばれるというのが現状です。

前述したとおり、パロットクリソベリルは、主にネオン感のあるイエロー~グリーンをしています。

まさにパロット(オウム)の極彩色の羽根を思わせる鮮やかな色をもっているのですね。

産地

インドのオリッサ州にあるチンタバリ鉱山で発見されました。

主にチンタバリ鉱山で産出されるといわれていますが、前述したとおり、色の評価が合えば産地に関わらずパロットクリソベリルと呼ばれますので他の産地のものもあるかもしれません。

原石の形

クリソベリルはベリリウムとアルミニウムの酸化鉱物で、原石は花崗岩ペグマタイトや雲母片岩、苦灰岩の中などから産出されます。

結晶は斜方晶系で、板状や双晶、疑似六角柱状、稀に礫状などをしています。

透明から不透明でガラス光沢を放ちますが、絹状光沢をもつものもあるそうです。

劈開は一方向に対して明瞭から不明瞭で、貝殻状の断口を見せます。

パロットクリソベリルの名前の意味

パロットクリソベリル ルース3

パロット(Parrot)とは英語で鳥のオウムのことです。

オウムの鮮やかな羽根の色に似た発色をもつクリソベリルということで、パロットクリソベリルと呼ばれるようになりました。

ちなみにクリソベリルは、かつてベリルの変種と間違われており、ベリルよりも強い光沢を放つことからギリシャ語の「クリソ(黄金)」に「ベリル」を足してクリソベリル(黄金のベリル)と名付けられたことが由来といわれています。

その後ベリルとは異なる鉱物と判明したものの、名前は変えられずクリソベリルで定着したということです。

なお、パロットクリソベリルは、前述したとおり、コマーシャルネームのため鑑別書には記載されないことが多いようです。

パロットクリソベリルの価値基準と市場価格

パロットクリソベリル ルース4

価値基準

例えば、同じ品質のクリソベリルを比較したとします。

その場合、最も価値が高いのは変色効果をもつアレキサンドライトです。

次いで価値の高いのがキャッツアイ効果をもつクリソベリルキャッツアイ

そして、その次に価値高く扱われるのが、パロットクリソベリルだといわれています。

パロットクリソベリルの価値基準は通常のカラーストーンと同様に

色が鮮やかで石全体に均一に広がっているもの
内包物やキズ、欠けなどがなく透明感の高いもの
●色や反射光を美しく見せるバランス良いカットが施されている
カラットの大きいもの

より高く評価されます

市場価格

パロットクリソベリルは、クォリティによっては一万円以下でも探せますが、数万円~十万円位のものが多い印象です。

トップクォリティでサイズの大きいものですと、数十万円以上するものもあります。

どこで買える?

オンラインショップを中心に見かけることはありますが、全般的に取り扱いは少ないように思います。

ミネラルショーなどのイベントでもルースの取り扱いが多いお店で時々見かけるような印象です。

ジュエリーとして加工されたものは更に少ない気がします。

お気に入りのルースを見つけて、セミオーダーやオーダーメイドで自分好みのデザインで作るのも素敵かもしれませんね。

パロットクリソベリルのお手入れ方法

パロットクリソベリル ルース5

パロットクリソベリルはモース硬度も高く、耐久性も高い方ですので日常的なジュエリーとしても楽しみやすい宝石です。

とは言え、強い衝撃を与えれば傷つく恐れはありますので、注意は必要です。

日常的なお手入れとして、身に付けた後に柔らかい布で拭いてからしまう習慣をつけると、美しさを保ちやすいです。

汚れが目立ってきたら、中性洗剤石鹸を薄めたぬるま湯の中に入れ、柔らかい歯ブラシなどで洗うとキレイになります。

泡をキレイに流したら、柔らかい布でしっかりと水分を拭き取ってからしまってあげて下さいね。

超音波洗浄機の使用も可能です。

パロットクリソベリルよりも硬度の低い宝石と一緒に保管するとぶつかった時にキズを付けてしまう恐れがあります。

保管する際には個別の袋や箱に入れた方が安心です。

多少のアルコール問題ありませんが、過度に付けすぎるのは念のため避けるようにした方が安心かと思います。

最後に

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いかがでしたでしょうか。

クリソベリルは、アレキサンドライトやキャッツアイなど特殊な光学効果をあらわすものが価値高く扱われますが、パロットクリソベリルも鮮やかな色合いが印象的でとても魅力的な宝石だと思いました!

もし出会うことがあれば、他のクリソベリルとは違う輝きをぜひ楽しんでくださいね♪

カラッツ編集部 監修