まるで飛行石!?オイルインクォーツ(石油入り水晶)が人気の理由4つ

オイルインクォーツは、オイルの入った水晶のこと。水晶の中のオイルは石油です。

産地はパキスタンやアラブ諸国など、当然ですが、石油の産出国が中心となっています。

両錐(両剣)水晶なので、両端がとがった形で発掘され、そのままカットや研磨はされずに、自然の形のままで流通していることが多いというのも特徴のひとつ。

今回は、このオイルインクォーツの人気の秘密に迫ります。

世界に一つしかない特別感


オイルインクォーツの魅力のひとつは、全く同じものが存在しないということ。

もちろん、それは天然石であればどれにでも当てはまることですが、オイルインクォーツの場合はカットされていない天然の形である上に、石油の入り方もそれぞれ大きく異なりますので、似ているものを見つけることも難しいでしょう。

キラキラと光る水晶にネオンイエローのオイルが点在している様子は、まるでアートのような光景です。

しかも、石油の色もそれぞれ違います。ネオン感の強いグリーンがかったイエローから、かなり色の薄いものまで、個性豊か。

この1点ものというところに魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。

ブラックライトで照らした時の幻想的な発光


次に、オイルインクォーツの特徴ともいえるのが、ブラックライトを当てることで美しく蛍光するオイル。

透明な水晶の中で、点在する石油がネオンブルーに光る様子は本当に幻想的です。

石油の色が薄めのものであっても、ブラックライトで発光することが多いです。そのため、色が薄くて見えにくい場合は、光を当ててみて初めて石油の存在に気づくということもあるでしょう。

この幻想的なブルーの輝きは、ジブリアニメの天空の城ラピュタに登場する「飛行石」に例えられることもあります。

石油の中をコロコロと転がる太古の空気


オイルインクォーツでは、「石油」「空気」「炭素」の3つが認められるものが良いとされています。

このうちの空気は、石油の中に含まれています。

結晶を傾けることで、コロコロと球体の空気が移動する様子が見られるのは、何とも面白いもの。

小さな小さな気泡の場合には、ブラックライトを当てると見えやすくなるので、見つけやすいです。

水晶の中に閉じ込められた太古のオイル、そして空気。オイルインクォーツには、太古のロマンが詰まっています。

オイルインクォーツを選ぶには?


オイルインクォーツは希少石なので、探せばどこにでもあるようなものではありません。

そのため、インターネットなどで探し求める人も多いと思います。その際には、下記の点に注意して商品を選ぶと良いでしょう。

オイルが酸化していないか

石油は酸化してしまうと、茶色くなります。酸化したオイルは水晶にこびりついているような感じで、あまり美しくないので、そういったものは避けましょう。

オイルがネオン感のある黄色のものを選ぶのがポイントです。

オイルの中に空気が含まれているか

空気が含まれているものは、数がそれほどありません。それでも、オイルの中をコロコロと移動する空気もこの水晶の醍醐味となりますので、空気入りを選んだ方が後悔しないと思います。

ブラックライトでオイルが蛍光するか

ブラックライトを当ててもオイルが蛍光反応しないものもあるようです。蛍光反応があるかどうかをしっかりと、説明文や写真でチェックした方がよいでしょう。

サイズ感をしっかりチェック

写真では大きく見えますが、かなり小さい結晶であることもあります。

サイズが小さすぎるものは、オイルや空気を楽しみにくいので、サイズをチェックして、あまり小さすぎるものは避けましょう。小さくても1cm以上のものをおすすめします。

太古のロマンに思いを馳せて

オイルインクォーツは見方を変えると、ただのインクルージョンが多い水晶かもしれません(笑)。

でも、このインクルージョンにこそ、ロマンが溢れているのではと思います。

ブラックライトで蛍光反応があったり、空気がコロコロと動いたりと、とても楽しめる宝石ともいえますね。

私の持っているオイルインクォーツもそうですが、形も可愛らしいのでペンダントにもおすすめ。

氷のように透き通って、爽やかなレモンイエローの水玉入の水晶のペンダントは、夏の暑い時期に重宝しますよ。

カラッツ編集部 監修

ABOUT US

趣味で20年以上レアストーン寄りの宝石やジュエリーを収集しています。メキシコのウォーターオパールからはじまり、既に50種類以上のルースを所持しています。王道(?)のグランディディエライトやレッドベリルをはじめ、コーネルピンやペツォッタイトといった誰も知らないような希少石も大好物。宝石を太陽光に当てたり、ブラックライトで照らしたりしてマニアックに宝石を楽しんでいます。