月の光のように輝く神秘的な宝石ムーンストーン。
この石にはどんな種類があって、どれほどの価値が付いているのでしょうか。
ムーンストーンの石言葉や意味は?偽物ってあるの?
青白い月光のような「シラー効果」を見せる神秘的な宝石、ムーンストーンの謎に迫ってみました。
目次
ムーンストーンとは
ムーンストーンは、いわゆる流通名のようなもので、鉱物としてはオーソクレースの一種で、乳白色をした「オパレッセンス」を表す石です。
表面が青色や白色に光り、月光の輝きに似ていることから「ムーンストーン(和名は月長石)」と名付けられました。
青白く光る効果は「シラー」「シーン」などと呼ばれています。
ムーンストーンの性質
結晶系 | 単斜晶系 |
化学組成 | カリウム・アルミニウム珪酸塩 |
硬度 | 6 |
比重 | 2.57 |
屈折率 | 1.52-1.53 |
複屈折率 | 0.005 |
光沢 | ガラス状 |
ムーンストーンの種類
ムーンストーンは一般的に無色ですが、色付きのものも発見されています。
色の種類は灰色、モカブラウン、黄、オレンジ、緑、青、ピンクなどですが、稀にシャンパンカラー、スモークカラー、黒、赤なども見つかっています。
シラー効果の色は通常では青~白色をしていますが、銀色や青味を帯びたオレンジ色のシラー効果を見せる石もあります。
ムーンストーンの価値とレアストーン
透明なムーンストーン
ムーンストーンは半透明の宝石で、透明なものはほとんどありません。
しかし稀に透明なものも発見されており、これらには大変高い価値が付けられています。
スリランカ産
スリランカ産のムーンストーンには、ほとんど透明に近いボディに淡い青色のシラーを見せるものがあり、このタイプは最も価値が高いと言われています。
シャトヤンシーとアステリズム
ムーンストーンの中には猫目効果(シャトヤンシー)を表すものもあり、「キャッツアイ・ムーンストーン」として知られています。
さらにスター効果が見られるものは「スター・ムーンストーン」と呼ばれています。
これらの効果を見せるムーンストーンは大変稀なことから、非常に価値の高いものと評価されています。
レインボームーンストーン
オーソクレースとは別の鉱物で、同じようなシラー効果を見せる「ラブラドライト」という石があります。
中でもホワイトラブラドライトは、雲のような光と色の動きを見せ、まるで虹のような輝きに見えることから「レインボー・ムーンストーン」と呼ばれ、高く評価されています。
ムーンストーンのネックレスやブレスレット
ムーンストーンは美しい光沢を見せることから、ネックレスやブレスレット、指輪などのアクセサリーやジュエリーとしても大変人気の高い宝石です。
カットされる際には、特徴的なシラー効果やキャッツアイ効果を存分に引き出すために、カボションカットが施されます。
月を崇拝していた古代の時代には、ムーンストーンに細かいカメオ細工を施し、さらに美しいシラー効果を楽しんでいたそうです。
ムーンストーンの石言葉と意味
ムーンストーンは6月の誕生石です。
宝石言葉は長寿、幸運、希望、健康、純粋な愛などです。
古代から月の光の結晶と言われ、聖なる宝石として大切に扱われてきました。
暗い夜道に明かりをともす「月」の光が明るい未来や将来を見通すという意味があると言われています。
ムーンストーンの偽物ってあるの?
「ラブラドライト」や「ペリステライト」といった宝石は、ムーンストーンと同様に、表面に「シラー効果」を見せます。
そのため、これらの宝石が「ブルームーンストーン」という名前で売られている場合があります。
ここだけ聞くと「え?偽物??」とお思いかもしれませんが、そこは少し違います。
ブルームーンストーンはかつてスリランカで少量産出されていましたが、その鉱山は既にかなり昔に閉山されています。
そのため、そのスリランカ産のブルームーンストーンを市場で見かけることは非常に稀で、
- クリアな地色であること
- 青いシラーを発すること
という条件さえ合えば、鉱物的に「ラブラドライト」や「ペリステライト」であっても「ブルームーンストーンと呼ぶ」ことが現在の宝石業界の通説となっているのです。
つまり、これらの宝石が「ブルームーンストーン」という名前で売られていても、それが一概に「ムーンストーンの偽物」と呼べる訳ではないというのが現状です。
同様に、前述している「レインボームーンストーン」も「ホワイトラブラドライト」のことを指しますので、「ムーンストーン」は謂わゆる流通名のようなもので、必ずしも同じ鉱物のことを示すわけではないと覚えておいた方が良いかもしれませんね。
まとめ
月の光のような美しい輝きを見せるムーンストーン。キャッツアイ効果やスター効果を見せるものもあるのですね。
最近は偽物も多く出回っているようですが、違う鉱物でも条件に依っては「ムーンストーン」と呼ばれてしまう複雑な事情を持っている石ですので、本物か偽物かを見分ける事はプロじゃないと難しいと言えるでしょう。
おかしいな?と思ったら、まずは相談してみることも大事ですよ。
カラッツ編集部 監修