濃い青色が魅力的なロンドンブルートパーズ。
ブルートパーズの中では最も価値高く扱われ/strong>人気も高い宝石です。
最近オークションサイトなどで売っているのも見かけるようになりました。
しかしそれらの中に偽物が紛れていることはないのでしょうか?
今回は、ロンドンブルートパーズの特徴と、偽物を見分ける方法などについてお伝えしていきます。
ロンドンブルートパーズとは
ロンドンブルートパーズとは、トパーズの一種です。
やや暗めの灰色がかった青色をしており、見る角度によっては緑の色合いを見せるものもあります。
ロンドンブルートパーズの特徴
トパーズはイエローやピンクなどさまざまな色のものが産出されます。
その中でブルーのものがブルートパーズと呼ばれる訳ですが、ブルートパーズはその色の濃さにより呼び方が異なります。
淡いブルーは「スカイブルー」、少し濃いブルーは「スイスブルー」、そして紺色に近い深いブルーのものを「ロンドンブルー」と呼びます。
そしてブルートパーズは色が濃いほど価値が高いとされていることから、ブルートパーズの中ではロンドンブルーが最高品質のものとなります。
ロンドンブルートパーズの偽物!?
最近、インターネットのオークションサイトなどで、時々「ロンドンブルートパーズ」と書かれた宝石が出品されているのを見かけます。
そして先日、「ロンドンブルートパーズ」らしきアイテムを購入したという方から、その石が本物かどうか見てほしいという依頼をもらいました。
サイト上でのこのアイテム(写真左上)の商品説明はこんな感じだったそうです。
商品名:ロンドンブルートパーズ カラット:25.50ct カラー:ロンドンブルー クラリティ:IF タイプ:コランダム トリートメント:フレームフュージョン |
など
鑑定結果
カラッツで鑑定したところ、ご覧の通り、「合成サファイア」でした。
トパーズとは全く関係ありませんね!
でもこれ、実は簡単に見破る方法があるのです。
商品名はロンドンブルートパーズですが、下までよく読んでみると
「コランダム」
「フレームフュージョン」
と書いてあります。
お気付きですか?
コランダムはサファイアやルビーができる鉱物です。
そして、フレームフュージョンとは合成宝石を作る方法の一つです。
そうです、つまりこれは人工的に作られたコランダム(化学組成はサファイアと同じ)ということなのです。
しかし、これはちょっとした知識がないと見逃してしまう部分であり、知らないと「ああ、そうなのね」と意味も分からず納得してしまうことが多いケースではないかと思います。
そういった意味ではとても悪徳なやり方と言えるでしょう。
なので、もし少しでも分からない単語や引っかかるものがある時は、迷わずインターネットで調べたり、出品者に質問してみましょう。
※合成石自体が悪い訳ではありません。悪いのは業者が事実を隠して高額に売ることです。合成サファイアとして販売されているものを消費者が納得して購入するのは問題ありません。
最後に
鮮やかな濃いブルーをしたロンドンブルートパーズ。
ちなみにロンドンの空はいつも灰色で、どんよりと曇った日がほとんどです。
灰色がかったダークな青色…ロンドンブルートパーズは、まさにロンドンの空模様を眺めているような色合いなのです。
もしかしたら、そんな理由からこの名前が付けられたのかな?と思いつつ、大人っぽくてキリリとした色調にたっぷりと魅せられてしまうのは、私だけではないはずですよね…?
カラッツ編集部 監修