宝石の石留めの種類 爪留めと覆輪留めの違いとは

ジュエリー石留め 爪留め 覆輪留め

宝石がキラキラと輝くジュエリー。見ているだけで心癒やされること、ありますよね。

ジュエリーにセッティングされた宝石は様々な方法留められています。

宝石を落ちないようにすることが一番の目的ですが、留め方によって、デザイン雰囲気が変わり、ジュエリーとしての魅力最大限引き出すためにも重要な役割を担います。

最も一般的留め方は、爪留め覆輪留め二種類です。

爪留めと覆輪留めはどう違うか、それぞれの特徴メリットデメリットお手入れ方法などご紹介していきたいと思います!

石留めの種類

ジュエリー石留め

宝石をジュエリーの枠の中にセッティングする方法を主に石留めと呼びます。

宝石が落ちたりぐらついたりしないように枠の中にしっかりと留めることはもちろん、全体のデザイン宝石を美しく見せるためにもとても重要な作業です。

石留めの種類としては、主に
・爪留め
・覆輪留め
・彫り留め(埋め込み)
があります。

ジュエリー石留め 爪留め 覆輪留め 彫り留め

爪留めは、数本の爪で宝石を固定させる留め方、覆輪留めは、宝石の周囲地金で覆う留め方、そして彫り留め(埋め込み)は、地金に穴を開け、宝石を入れて周りの地金を加工して留める方法です。

彫り留め男性用のジュエリーや脇石などを留める時に用いられることがどちらかというと多くメインの宝石留める方法としては、爪留め覆輪留めより一般的ではないかと思います。

ということで、爪留めと覆輪留めについて、もう少し詳しくご紹介したいと思います。

爪留めと覆輪留めの違い

ジュエリー石留め 爪留め 覆輪留め2

宝石の上部爪で留める爪留めに対し、覆輪留めは、宝石の形に合わせて周囲を地金で覆う留め方です。

見た目が異なるため、デザインにも影響を与えますが、それだけではありません

それぞれに特徴があり、メリット・デメリットもありますので、知っておくと、今後のジュエリー選びの参考になるかもしれません。

爪留めの特徴

ジュエリー石留め 爪留め

爪留めは、と呼ばれる細い金属の棒で宝石を上から押さえることで固定する方法です。宝石の大きさデザインなどで爪の本数変わります。

宝石の下台座が付くものと付かないものがあります。台座がある方安定感が上がります。

爪がない部分は覆いがない状態のため、比較的露出が多い留め方といえます。

また、最もベーシックな留め方でもあります。

メリット

複数箇所固定することで留める爪留めは、どんな形でも対応が可能です。

原石のように歪な形であっても爪の本数を増やすことで留めることができますので、特殊カットの宝石などは爪留めが施されることが多いと思います。

モース硬度が低い宝石や脆い性質をもつ宝石の場合も爪留めがされる場合が多いです。

また、露出が多い分、光を取り込みやすいため、宝石の輝きが増しやすいというメリットもあります。

前述したように、爪の本数や太さは留める宝石の大きさやデザインなどで変わります。

爪が少ないスッキリとしたデザインになりますが、少なすぎる安定感に影響しますので、オーダーメイドなどで作る場合は、お店の人に相談しながら程よい数を決めると良いと思います。

デメリット

爪留めのデメリットは、爪の部分出っ張りやすいため、洋服マフラーバックなどに引っ掛かりやすいということです。

また、露出部が多いため、どこかにぶつけてしまった時に当たりどころが悪い宝石傷つけてしまう可能性が高くなります。

特に指輪として身につける場合は、注意が必要です。

但し、デザインによっては、台座を低くし、宝石が必要以上に出っ張らないように工夫されている場合もありますので、そういったデザインのものを選んでみると少しは安心かもしれませんね。

覆輪留めの特徴

ジュエリー石留め 覆輪留め

宝石の周囲地金で覆うことで留める覆輪留めは、テーブル面露出していますが、側面は地金で覆われているため露出はありません

一般的な覆輪留めは宝石の周りをグルっと一周囲うのですが、一周せず、両脇だけを囲うタイプもあります。

メリット

全体に凹凸が少ないため、引っ掛けてしまう心配は少ないと思います。

ぶつけてしまった場合地金の部分が多い分、爪留めに比べれば宝石を傷つける恐れ少ないといえます。

但し、宝石のカット方法デザインによって、テーブル面地金よりもせり出しているものもありますので、そういった場合は注意が必要です。

ファセットカットの宝石はもちろん、カボションカットの宝石との相性も良くシンプルな美しさを楽しむことができます。

また、ミル打ち縁取りすればクラシカルな雰囲気になり、また異なる趣を楽しむこともできますね。

デメリット

側面を地金で覆うため、光の入る面積狭くなります。そのため、爪留めよりも輝きが控えめになりがちです。

特殊カットの宝石の場合、によってはできない場合もあります。

また、全体圧力をかけて固定することから、モース硬度が低かったり、脆い性質をもつ宝石の場合、加工時に割れやすいため避けた方が良いようです。

爪留めに比べ地金を使う量も多いため、オーダーメイドなどの場合、地金代が高くなる可能性もあります。依頼する前にお店の人に確認した方が安心です。

お手入れ方法

ジュエリー お手入れ

ジュエリーの美しさ保つために、お手入れはとても大切です。

爪留めも覆輪留めも、基本的なお手入れ方法は同じですが、汚れやすい部分異なります

爪留めのお手入れ方法

爪留めは、覆輪留めなどに比べて宝石との接触部分も少なく、全体的には汚れが付きにくいといえます。

ただ、爪の周りには汚れがつきやすいため、お手入れは必要です。

中性洗剤石鹸薄く溶かしたぬるま湯浸した後、柔らかめの歯ブラシなどで地金宝石の接触部分磨いてあげると汚れが落ちやすいです。

ただし、留められている宝石によっては中性洗剤お水さえダメなものもありますので注意が必要です。

真珠珊瑚などの有機質ターコイズオパールなど多孔質の宝石は、ジュエリークロスなどで優しく拭く程度にしておきましょう。

お食事前などアルコールティッシュ使用することがあるかと思います。爪留めのリングティッシュの繊維が引っ掛かりやすいため、一旦外してから使用した方が安心です。

また、リングはネックレスやピアスと比べて、他のものと接触させたり、衝撃を与えてしまうことが多いです。知らない間に爪が緩み宝石が外れてしまうこともあります。

お手入れの際などに時々チェックして、緩みが気になる場合は、購入したお店修理専門店などで見てもらうと良いでしょう。

エメラルドリング

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覆輪留めのお手入れ方法

覆輪留めは、石座部分汚れが溜まりやすいです。

爪留めと同様に、中性洗剤や石鹸を薄く溶かしたぬるま湯に浸した後、柔らかめの歯ブラシで磨きます。

但し、こちらも留められている宝石によっては傷んでしまうことがあるため事前に確認してから行うようにしましょう。

覆輪留めの場合も、リングを付けたまま重いものを持ったり力が加わることで形が歪み石留め部分が緩くなってしまう可能性があります。

ぶつける可能性も高いため、手に力が加わるような場合は外した方が安心ですが、それでも知らない間緩んでしまうこともあるかもしれません。

石留め部分緩みがないか購入店などで定期的にチェックしてもらうことをオススメします。

爪留めと覆輪留めのそれぞれのイメージ

ジュエリーは宝石の留め方によって、宝石そのものの存在感が増すこともあれば、デザインが強調されるなど印象が変わってきます。

爪留めと覆輪留めでは、どのようにイメージが変わるのか幾つか画像でご紹介しますね。

爪留め

ジュエリー石留め 爪留め2
ジュエリー石留め 爪留め3
ジュエリー石留め 爪留め4

宝石を最大限堪能できるよう地金部分が目立ちにくく、繊細な印象になります。

デザインはシンプルで、宝石の美しさが際立ちクラシカルな雰囲気が素敵ですね。

覆輪留め

ジュエリー石留め 覆輪留め2
ジュエリー石留め 覆輪留め3
ジュエリー石留め 覆輪留め4

宝石の周りを地金がぐるっと囲んでいるため、衝撃に対して傷がつきにくいです。

また、宝石そのものというより、ジュエリーのデザインに溶け込んだカジュアルな雰囲気になるでしょう。

ティファニーセッティングとは

ティファニーセッティング

ティファニーセッティングという言葉を聞いたことがありますでしょうか?

婚約指輪などを探している場合などに特によく聞かれる言葉ではないかと思います。

ティファニーセッティングとはティファニー社考案したダイヤモンドの石留め方法です。

立て爪が目立たず、ダイヤモンドの輝きを引き立て、シンプルなデザインでありながら品よく高級感を感じます。

また、横から見た姿も美しく、台座がないデザインのため、360度何処から見てもダイヤモンドの輝きを楽しむことができます。

ティファニーセッティングは誕生から一世紀以上経った現在でも世界中の人たちに愛されています。

最後に

爪留め覆輪留めそれぞれの特徴違いなどお分かり頂けましたでしょうか。

同じ宝石であっても、石留めの仕方でイメージが変わってきます。

ジュエリーを選ぶ時のポイントの一つとして石留め方法チェックして頂けたらと思います。

素敵なジュエリーに出会えますように!

カラッツ編集部 監修

ABOUT US

初めまして!ジュエリーをこよなく愛しているアラフォー主婦です。 アメリカでジュエリーの勉強・資格取得後、14年間ジュエリー小売業にて勤務しておりました。今でもジュエリーへの熱い気持ちは変わっておりません。どうぞよろしくお願いいたします。