ジャスパーは長い歴史をもつ宝石!どんな色や種類がある?

ジャスパー

ジャスパーと聞いて、皆さんはまずどんな色を思い浮かべますか?

私は、やはり赤色でしょうか。

え?赤は普通すぎる?

確かにジャスパーにはいろんな種類がありますね。

そこで今回は、色や種類が豊富な鉱物、ジャスパーの特徴や歴史をお伝えしていきたいと思います!

ジャスパーとは?

ジャスパー 原石

ジャスパーはカルセドニーの一種です。

カルセドニーは本当に種類が豊富でかつ複雑な特徴をもっているため説明が難しい鉱物なのですが、簡単に大きくグループ分けすると、半透明の「アゲート」不透明な「ジャスパー」とその他のものの3つに分けられます。

そう、ジャスパーはカルセドニーの中の不透明で塊状や細粒質のもののことを指します。

カルセドニーについてはこちらの記事で詳しく説明していますので良かったら読んでみてくださいね★

性質

結晶系 三方晶系
化学組成 二酸化珪素
硬度 7
比重 2.61
屈折率 1.53-1.54
複屈折率 0.004
光沢 ガラス状

特徴

ジャスパーは不透明な鉱物で、色の種類が豊富です。

縞模様、目玉模様など、個性的な模様を見せるものもあります。

前述したとおり、潜晶質の石英が集まって生成したカルセドニーの変種の一つで、不純物の含有量が他のカルセドニーよりも多いものが「ジャスパー」に分類されているといいます。

ジャスパーは含有する不純物によって異なる色を呈することから、色のバリエーションが豊富です。

主に赤色、黄色、褐色、緑色、帯灰青色などがあり、さらにこれらの色が混合されたものなども見つかっています。

ジャスパーの種類

ジャスパーは色や模様別に、以下の様な名称でそれぞれ呼ばれています。

  • レッドジャスパー(赤碧玉)
  • グリーンジャスパー(緑碧玉)
  • イエロージャスパー(黄碧玉)
  • オビキュラージャスパー(球状碧玉)・・・明るい色の地に各色の丸い斑が多数点在するもの。
  • ピクチャージャスパー・・・風景に似た模様を見せるもの。

名前の意味

ジャスパーは英語で「Jasper」と綴ります。

この名前は、「斑点の付いた石」という意味を持つ、古代フランス語のjaspre、ラテン語のjaspidem、ギリシャ語jaspisなどに由来としているといわれています。
さらにこの言葉は、アラビア語、ペルシャ語、ヘブライ語などにも遡るといわれています。

和名では、「碧玉(へきぎょく)」と呼ばれています。

産地

ベネズエラ、インド、アメリカ、ロシア、マダガスカルなどで主に産出されるといわれています。

その他、ドイツ、フランス、オーストラリア、中国、米国、日本 など。

ジャスパーの歴史

ジャスパーの歴史は古く、紀元前4千年紀から5千年紀の南アジアにあったメヘルガルで、弓錐を作るために使われていたといわれています。

またギリシャにあるクノッソス遺跡の宮殿では、紀元前1800年ごろのミノア文明にて作られたとされる、ジャスパーのシール(印章)が発見されているそうです。

このように、古来からジャスパーは壺や花瓶、置物などの装飾品から印章や装身具など様々な形に加工されてきました
美しい色や模様を見せるうえに彫刻しやすい特徴からか、形やサイズもさまざまです。

日本の碧玉

日本では弥生時代から管玉や勾玉に加工され、装身具として当時の人々の身を飾っていました。

曽我遺跡

奈良県の曽我遺跡は5世紀後半から6世紀前半ころまで、玉造りが行われる中心地のような場所であったと考えられており、碧玉や水晶、琥珀などの他、多くの鉱物が玉に加工されていたといわれています。

実際遺跡からは大量の加工道具や原石などが発掘されており、国内最大規模の工房が集まっていた場所とされています。

出雲石

島根県の玉造温泉は、弥生時代から平安時代の頃まで玉造石を使った勾玉が作られた中心地だったそうです。

この玉造石のひとつが碧玉(ジャスパー)だったといわれており、そのためこの土地で採れるジャスパーは、出雲石とも呼ばれているそうです。

錦石

津軽産の「錦石」は青森県特産の天然石ですが、この中にはジャスパーも含まれているといわれています

古来から装飾品や実用品として使われてきたそうで、江戸時代には「津軽玉」と呼ばれる球形に加工し、根付けなどに使用されたといいます。

最後に

ジャスパー

ジャスパーって、こんなに奥の深い宝石だったのですね。

世界でも歴史が古く、さらに日本各地でも誇り高い歴史が刻まれていたことが分かりました。

色や模様も豊富なジャスパー、色んなタイプを集めてみたくなりますよね。

カラッツ編集部 監修