1月の誕生石でおなじみのガーネット。ガーネットは深みのある赤色の宝石というイメージが強いかもしれませんが、実は青以外のほとんどの色のガーネットが存在します。
今回は、モース硬度7.5と宝石としても十分な硬度をもつガーネットの種類を中心にお話します。
ガーネットの特徴
宝石商のなかには専門で取り扱う店舗も存在するほどに、人々を魅了する宝石、それがガーネットです。ガーネットの魅力は加熱・含侵処理などの人工処理が一般的にされないことが多いこと。無処理にこだわる人にとって、とても嬉しい宝石といえるのではないでしょうか。
一方、ガーネットには人工石が存在します。それが、「YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)」です。YAGには自然界にはない、パライバトルマリンのような蛍光ブルーのものもあります。
ガーネットの種類
ガーネットには本当にたくさんの種類が存在しています。そのなかで、代表的なものを色別にご紹介いたします。
グリーン系のガーネット
・グロッシュラーガーネット(ツァボライト)
一般的にグリーンガーネットといえば、グロッシュラーガーネットを指すことが多いです。最高級の青みのあるグリーンは他に似た色の宝石がないこともあり、とても人気があります。
・デマントイドガーネット
ガーネットのなかでも、最も高価といわれるのが「デマントイドガーネット」。深いグリーンとホーステールと呼ばれる内包物が特徴です。「デマントイドガーネット」の特徴である、ダイヤモンドをしのぐほどのファイア(輝き)が強く、かなりギラギラと輝くものもあります。
・マリガーネット
マリ共和国でのみ産出されるといわれる「マリガーネット」はグリーンとイエローの間のような色合いの蛍光色が特徴。「マリガーネット」もダイヤモンドのような煌きのあるガーネットで、産出量が少ないため、最も希少なガーネットといわれることもあります。
イエロー・オレンジ系のガーネット
・スペサルティンガーネット
「スペサルティンガーネット」はオレンジ色のガーネットです。そのなかで、オレンジの強いものは「マンダリンガーネット」と呼ばれています。
・ヘソナイトガーネット
「スペサルティンガーネット」に比べ、少し暗い色のものは「ヘソナイトガーネット」。こちらは、ジュエリーよりもパワーストーンとして見かけることの方が多い宝石です。
レッド系のガーネット
・アルマンディンガーネット
最もポピュラーな赤いガーネットが「アルマンディンガーネット」。深みのある赤い色が特徴です。
・ロードライトガーネット
「アルマンディンガーネット」の次によく見かけるのが、「ロードライトガーネット」と呼ばれるピンクがかった色のガーネットです。どちらも、それほど高価な宝石ではないため、シルバーアクセサリーに使われることもあります。
・ローゼライトガーネット
「ロードライトガーネット」と「ローゼライトガーネット」は似ている名前ですが違う石です。ピンク色のグロッシュラーガーネットのことを「ローゼライトガーネット」と呼びます。
・ウンバライトガーネット
「ウンバライトガーネット」は、ピンクやブラウン、紫といった印象の濃い色合いのガーネットです。ウンバ鉱山で発掘されたため、この名が付けられました。
少し変わったガーネット
・レインボーガーネット
あまり宝石として扱われることはありませんが、「レインボーガーネット」という、虹色の一見金属のような輝きをもつガーネットもあります。メキシコと日本の奈良県で発掘されていて、ほとんどが四角い結晶の形で流通しています。
・カラーチェンジガーネット
ガーネットには、アレキサンドライトのような特徴をもつ「カラーチェンジガーネット」というものもあります。蛍光灯下ではグリーン、白熱灯下ではレッドに色が変化するのが特徴です。アレキサンドライトに比べると大粒のものが多い傾向にあります。
・ミントガーネット
ブラックライトを当てるとピンクやオレンジに発光する「ミントガーネット」は、爽やかなペパーミント色のガーネットです。メレラニ丘陵で発見されたため、「メレラニ・ミントガーネット」と呼ばれることもあります。
ガーネットには覚えきれないほど多くの種類があります。
様々な色があるので選ぶ楽しみもあります。できる限り天然に近い宝石を楽しみたいという方には、是非おすすめしたい宝石のひとつです。
カラッツ編集部 監修