世界のダイヤモンド産出国と紛争ダイヤモンド

世界のダイヤモンド産出国と紛争ダイヤモンド

ダイヤモンドはどこで採掘されているかご存知ですか?コンフリクトダイヤモンドという言葉を聞いたことがある方や、映画「ブラッド・ダイヤモンド」 をご覧になった方は、もしかしたらなんとなく分かるかもしれませんね。ダイヤモンド産出国のランキングとともに、それにまつわるあれこれをご紹介したいと思います。

 

ダイヤモンド産出国ランキング

第一位 ロシア

第二位 ボツワナ

第三位 コンゴ

第四位 オーストラリア

第五位 カナダ

第六位 ジンバブエ

第七位 アンゴラ

第八位 南アフリカ

第九位 ナミビア

第十位 シエラレオネ

(2013年データ 出典元 GLOBAL NOTE)

ダイヤモンドの産出国ランキングをみて分かる通り、やはりアフリカでのダイヤモンドの産出量が多いようですね。

 

アフリカで産出されるダイヤモンド

世界で初めてダイヤモンドが発見された土地は、実はインドです。その後ブラジル、そして1870年に南アフリカで世界最大のダイヤモンド鉱脈が発見されたのを皮切りに、アフリカ大陸はダイヤモンドの一大産地となったのです。注目したいのが、上記のランキングはダイヤモンドの産出量ランキングであって、産出額のランキングにすると、ボツワナが一位となります。また、価値が分かる宝石図鑑(諏訪恭一 著)によると、産出量ランキングに入っている国のなかで、ダイヤモンドのカラットあたりの単価(USD)の最も高い国はナミビア、その次はシエラレオネ(2005年までのデータ)だそうです。このことから、アフリカ産のダイヤモンドの質のよさがうかがいしれるかと思います。アフリカの国にとって、その他の天然資源と同様、ダイヤモンドは国の経済を支える大切な資源となっているようです。

 

コンフリクトダイヤ(紛争ダイヤ)とは

一方で、アフリカ産のダイヤモンドの名声に、一時期かげりが出たことがありました。コンフリクトダイヤ(紛争ダイヤ)の存在です。コンフリクトダイヤとは、紛争地域から産出されるダイヤモンドのなかで、内戦で使われる武器の購入資金や武装勢力の活動費にあてられるダイヤモンドのことで、このダイヤモンドの採掘の際は、紛争とは関係のない罪の無い人々が、劣悪な条件下で無理やり労働を強いられるという側面もあります。コンフリクトダイヤの存在は、NGOや国連によって1990年代より徐々に知られるようになりました。紛争ダイヤモンドの産地として知られる国は、アンゴラ、シエラレオネ、コートジボワールなどがありました。ちなみにシエラレオネは、映画「ブラッド・ダイヤモンド」の舞台となりました

コンフリクトダイヤとキンバリープロセス

宝石鑑別書

ダイヤモンドは、どんな背景があっても見た目の輝きは変わりませんが、自分がダイヤモンドを買うために払ったお金が、紛争長期化の一因となるような資金となるのは、避けたいですよね。そう考えたダイヤモンド業界は、「キンバリープロセス」というものを設けました。キンバリープロセスとは、2000年代〜、ダイヤモンド業界と、ダイヤモンドの産出国が南アフリカのキンバリーで会合を開いたのをスタートとして、紛争の資金源となるダイヤモンドの取引をなくし、購入者が紛争とは関係のないクリーンなものであると分かる証明書を発行する事を目的に様々な取り組みがなされ、2002年に、キンバリープロセス承認制度が、正式に採択されました。

コンフリクトダイヤを買わないためには

一部業界人の間では、キンバリープロセスの証明書は、あくまで証明書であって、ダイヤモンドの流通の上流部分で、だれかがコンフリクトダイヤを紛れ込ませたとしても、確かめようがない、という人もいます。ですが、キンバリープロセス採択後、元々ダイヤモンド流通量の5%ほどあったと言われているコンフリクトダイヤは、1%以下まで減ったそうです。そして現在日本にはコンフリクトダイヤモンドは入ってきていないとも言われています。また、ジュエリーブランドによっては、キンバリープロセスに承認された、クリーンなダイヤモンド、コンフリクトフリーダイヤモンドしか扱っていないとはっきり宣言しているところもあり、気になる方は、そういうブランドのジュエリーを選ぶのがよいかと思います。

 

 

 

カラッツ編集部 監修

ABOUT US

ジュエリー業界に数年従事。その後別業種に転職しながら、ジュエリー好きが高じて、宝石に関する記事執筆やコンサルティング業務も行う。年に数回海外旅行に行った際には、現地のジュエリーショップや博物館をチェックするのが楽しみ。好きな宝石はカラーダイヤモンド。