宝石の値段はピンからキリまで。素人にはわからないものですが、そもそも宝石の価値はどのように決められるのでしょうか?
一概に、大きいものが高いというわけでもありません。
大きい宝石より小さい宝石が高いこともありますし、原石と研磨済みの石でも値段は変わってきます。
原石が安い理由と、宝石だけじゃない意外なダイヤモンドの使い道について、お伝えします。
目次
天然石の原石が安いのは、なぜ?
宝石の価値の一つは希少性にあります。なので原石のままではその価値を計り知ることができません。
また原石を磨きあげてこそ宝石としての価値が出るので、研磨前の宝石の価値はあまり高くないとされています。
実際鉱山で採掘されるダイヤモンドのうち、宝石として使えるダイヤモンドはほんの一握り。約8割が、工業用ダイヤモンドとして使用されることになります。
宝石の値段の違いは「希少性」の違い。だから宝石は高価なのですね。
品質の違い
宝石としてのダイヤモンドは、キズがなく透明度が高い(Clarity)、カットのプロポーションが良い(Cut)ほど希少価値が高く、アメジストやエメラルドなどの色石は、色が美しい、透明度が高い、カットが良いなどの条件が価値を高めます。
では、宝石としての価値がないとされてしまったダイヤモンドは、どんなことに使われているのでしょうか?
宝石として使えないカラーのダイヤモンドは、工業用ダイヤモンドとして加工されます。
流通・コスト
日本に流通する天然石のほとんどは、海外や国内の商社が卸しているため、中間マージンが発生します。
仲介する業者が多いほどコストが高くなるので、中間マージンが極力発生しないような工夫で、天然石そのものの値段を抑えることができます。
また、採掘にかかる費用も大きくかかわり、ダイヤモンドを採掘するためには、町がひとつ出来上がるほどの莫大な費用がかかるのです。
ダイヤモンドは二通り。原石は買える?
「ダイヤモンドの原石を買ってみたい!」
そう思う方は、オンラインで買うこともできます。
ただし、宝石には適さない原石が売られていることもあるので、注意が必要です。
ダイヤモンドには大きく分けて二通りあります。宝石として加工されているものと、それ以外のものです。地球上で一番硬い鉱物とされるダイヤモンドは、宝石としてだけではなく工業用としても広く使われているのですね。
こんなにあった!工業用ダイヤモンドの使い道
では具体的にどんなものに使われているのでしょうか?
実は普段使っている、意外なものにダイヤモンドが使われていたりします。
レコード針
レコード針にダイヤモンドが使われているという話は有名なのでご存じだった方も多いかもしれません。
現在流通しているレコード針のほとんどが、ダイヤモンドチップでできています。
ダイヤモンドチップの大きさは0.25×0.6ミリというとても小さなものです。
ダイヤモンドカッター
刃先にダイヤモンドの細かい粒子が埋め込まれたダイヤモンドカッターは、電気のこぎりなどの切断機に取り付ける丸いプレート状の刃です。
石、瓦、レンガ、タイルなどを切断する時に使います。
ダイヤモンドドリル
ダイヤモンドドリルは、金属、木材、樹脂などに穴を開けるのに使われるほか、歯医者さんで歯を削るためのドリルとしても使用されています。
研磨用
ガラスやレンズ、金属、コンクリート、そしてダイヤモンドの研磨は、ダイヤモンドの粉末を使って研磨します。
世界で最も硬いダイヤモンドは、ダイヤモンドでしか研磨できないという訳ですね。
人工衛星の窓
1978年にアメリカが金星に向けて打ち上げた人工衛星「パイオニア」の窓に、なんとダイヤモンドが使われています。
なぜダイヤモンドが使われたかと言うと、金星の超温高の中で耐えうる素材はダイヤモンドのほかに何一つないから、という理由からだったそうです。
まとめ
現代の生活において、ダイヤモンドは普段感じている以上になくてはならない存在となっています。
「家にはダイヤモンドなんてないわ」と思っている方もいるかもしれませんが、実はそんなことはないんです。
家庭にある電化製品のほとんどにダイヤモンドが使用されています。私たちは、知らず知らずのうちにダイヤモンドとともに生活をしているのですね。
高嶺の花のように思えるダイヤモンドですが、色々調べてみるうち想像以上に生活に密接していることを知り、もっと身近に感じることができました。
みなさんも良かったら自分の身の回りのダイヤモンドを探してみてくださいね。
カラッツ編集部 監修