蓮の花のようなオレンジが特徴 パパラチアサファイアの魅力

パパラチアサファイア

サファイアと聞くと青い透明な宝石を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ここではキングオブサファイアと呼ばれるパパラチアサファイアの魅力をたっぷりとお伝えしていきます。

パパラチアサファイア

鉱物としての種類


世界4大宝石の中のひとつでもあるサファイアはルビーと同じく、コランダムという鉱物の種類です。サファイアとルビーは色も全く異なるので一見同じ仲間のように思えませんが、実はコランダムには虹を構成している色の全てが存在しています。つまり赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の7色です。このうち、赤いものをルビー、青いものをサファイアと呼んでいますが、それ以外の色のものはまとめて「ファンシーカラーサファイア」と呼ばれています。

カラーの違い

ファンシーカラーサファイアには様々な色合いのものが存在します。ルビーと色味が似ている「ピンクサファイア」や、人気の高い「オレンジサファイア」、ハチミツのような黄色からレモンのような黄色まで幅広い「イエローサファイア」などがあります。

中でもオレンジとピンクの中間色の「パパラチアサファイア」はキングオブサファイアと呼ばれており、ファンシーカラーサファイアの中ではもっとも市場価値の高いものだとされています。

なぜパパラチアサファイアが希少なのか?


ピンクがかったオレンジ色のパパラチアサファイア。パパラチアとはスリランカの言葉で「蓮の花」を意味しています。産出量がたいへん少量で、その希少性は「幻の宝石」と呼ばれているほどです。

ピンクすぎてもオレンジが強くてもパパラチアと認定することはできません。かつてはパパラチアサファイアの厳密な色の範囲が決まっておらず、各国まちまちの判断としていた時期もありました。
現在では世界共通のマスターストーンが存在していると聞きます。

パパラチアサファイアの産地


パパラチアという名称が表すとおり、主な産出地はスリランカだといわれています。かつてマダガスカル産のものが注目されたこともありましたが、天然ものではなく表面拡散処理という、表面だけを変色させるという処理を行っていたことがわかりました。

サファイアでよく行われる色味の調整


天然のもので始めからこの色合いのパパラチア色が採れるということは滅多にないため、加熱処理が一般的に行われています。ルビーやサファイアを含めコランダムにはよく使われている処理方法です。なお、この処理が施されている場合は鑑別書にその内容が記載してあります。

番外編:色石の買取価格がバラバラな理由


パパラチアサファイアからは話がそれますが、ココでは色石の買取価格についてのお話を少しさせて頂きます。
「色石を売却しようと思って数店舗に見積を出してもらったら、0円~20万円の差が出た」などという話をよく耳にします。何故そのような事が起きるのでしょうか。

色の違いは石の個性

ダイヤモンドはグレードを決めている指標がはっきりしているため、売却する場合の値段も分かりやすいのに対し、色石は店舗によって価格差が出ることも珍しくありません。
その理由の一つとしては、色石はあまりにバリエーションが多すぎるため、価格を統一するのが難しいからと言われています。
サファイアやルビー、エメラルドなどの石はその色味自体が個性になります。
つまり人間と同様に個性はその石の持ち味であり、どちらが良い悪いの判断がつけ難いからです。もちろん宝石の種類によってもっとも美しいとされる色の基準はありますが、それだけでは全ての判断が難しいのが事実なのでしょう。

店頭で正しい判断が難しい理由

もちろん鑑定機関には色石のグレードを判定する鑑定士がいますが、店頭では常に鑑定士が存在しているわけではありません。また先ほどお伝えしましたように、色石はその色味も違えば大きさも異なる上、その中にみんな違う内包物を持っているとすると、判断基準は非常に難しいというのが現状です。

そのため色石にははじめから値段をつけないという買取業者も多く存在します。これらの理由から店舗によって買取価格の差が出てくるというわけです。

色石には個性があってそれぞれの美しさは決まった尺度で測れるものではありません。人間の美しさを決まった尺度で測れないのと同じです。ご縁があって手元にいる色石はできるだけ手放さないように大切に扱ってあげてくださいね。

カラッツ編集部 監修