「ダイヤモンドが青く光ってる!!」
カラオケでご機嫌で熱唱しているとき、ふと自分の指輪を見たらなんと透明なダイヤが青色に。
これってかなりビックリしませんか? ナニコレ〜!このダイヤモンド、もしかして偽物?
そう思ったアナタ、果たしてそのダイヤモンドが偽物か本物か、調べる方法をご紹介しましょう。
青く光るのは本物の証!?
そうです。結論から言えば、そのダイヤモンドは本物の可能性が非常に高いです。安心してください。天然のダイヤモンドの中には、およそ3割程度ですが、特殊な光の下では「青く光る」石があるのです。これを
「ダイヤの蛍光性」
と呼びます。英語でFluorescence(フローレッセンス)と言われています。
そしてその特殊な光とは、「ブラックライト」のこと。偽札を調べるときに使うアレですね。このブラックライトを使ってそのダイヤモンドが本物か偽物かを調べる「長短波両用紫外線ライト」と呼ばれる機械もあります。
カラオケ店でダイヤモンドが青く光って見えたのは、お店の照明にこのブラックライトが使われていたからでしょう。おそらく白いシャツを着ていたら、そのシャツも青く蛍光して見えたはずです。
どうして青く光るの?
蛍光ダイヤモンドはおよそ9割の石が青く光りますが、緑や黄色に光る石もあります。
ダイヤモンドの誕生は約33億年前。地球の深い場所でおよそ6万気圧、2,000 度にも達する高圧高温で結晶してできた炭素の同素体です。
ダイヤモンドの主な成分は炭素ですが、それ以外に窒素・水素・硼素など様々な物質が混ざりあって結晶化します。ダイヤモンドには、実は全く同じ成分で形成されている石は一つも無いのです。
ダイヤモンドが青く蛍光する理由は、結晶化するときに窒素が混入したことが原因だと考えられています。他の色に光る理由についてはっきりとは分かっていません。
他の宝石も青く光るの?
ここまでくると、ダイヤモンド以外の宝石も青く光るんじゃないの?と思いますよね。
正解です!ブラックライトを当てて青く光るのは天然の証の可能性が高いです。この蛍光性という特徴は、ルビーやフローライト、オパール、スピネルといった宝石にも当てはまります。
ルビーだと、赤色の蛍光性、フローライトだと青色の蛍光性になります。
例えばスピネルをこの「長短波両用紫外線ライト」と呼ばれる機械でチェックしてみましょう。
この機械は左のボタンを押すと短波紫外線蛍光が出て、右のボタンを押すと長波紫外線蛍光が出ますが、一般的に「短波で強く光ると合成や処理石」と疑うことが通説です。
天然の宝石の場合は弱めの光ですが、合成石だと強い光になるとか。写真は合成スピネルですが、白く濁ったブルーに光っていますよね!これは偽物の証拠です。
鑑定書をチェックしよう!
もしお持ちなら、ダイヤモンドの鑑定書を見てみてください。ダイヤモンドの4Cと呼ばれる独特の基準が記載されていますよね。
よく見ると、鑑定書には蛍光性についても記載されています。蛍光性はGIAのマスターストーンと比較して、蛍光の強さは5段階、色の程度は7段階に分けて判定し、鑑定書に記載しています。
蛍光の強さと、色の程度の7段階はこちらの記事を参考にしてください。
基本的に、蛍光の有る無しでダイヤモンドが「良い、悪い」と評価されることはありません。しかし白く膜がかかったような、 油っぽく見える青く蛍光するダイヤモンドは、
「Oily (オイリー)」
と呼ばれてあまり評価は高くありません。その多くは、蛍光性がVERY STRONG BLUEのものが多く、本来の色の判断が難しくなり、カラー評価に影響が出るからです。
しかし蛍光性が強いダイヤモンドはかなりレア。それを珍重するマニアもいますから、国によって蛍光するダイヤモンドの評価はマチマチなようですね。
最後に
いかがですか。青く蛍光するダイヤモンドは天然ダイヤモンドの証拠です。人工のダイヤモンドには強く蛍光する石はないので、むしろ喜んでいいかも。
基本的には、強い青色の蛍光性のあるダイヤモンドは天然の証ですが、最近では一部のダイヤモンドの処理石でも蛍光反応のある場合があるので注意が必要です。
また、天然の黄色っぽいダイヤモンドに、プラス青の蛍光性があると、お互いの色を打消すために透明度の高い石に見えることもあります。
1つとして同じ石がないダイヤモンド。アナタのそのダイヤモンドは、アナタだけが持つ宝物です。
カラッツ編集部 監修