虹色の光が幻想的で人気のあるレインボームーンストーン。
実はこの宝石、ホワイトラブラドライトなど、ムーンストーンとは別の宝石って知っていましたか?
宝石業界では、ある宝石に、見た目が似ている別の人気石の宝石名を付けて販売する、ということがよくあります。
そして一部の宝石はいつしかそれが一般的な流通名として根付いてしまう、ということもあります。
そこで今回は、種類によって「レインボームーンストーン」や「ブルームーンストーン」という流通名ももつ、ラブラドライトという宝石にスポットライトを当てて、ムーンストーンとの違いや価値も交えながら、その魅力についてお話ししたいと思います!
ラブラドライトの特徴

角度を変えるとブルーやレインボーなど多彩な光が見える宝石、ラブラドライト。
最初に発見されたカナダのラブラドール地方に由来して名付けられたといいます。
ラブラドル長石や曹灰長石(そうかいちょうせき)とも呼ばれる、長石グループ(フェルスパー)の中の斜長石の一種です。
長石グループにはラブラドライトの他にムーンストーンやサンストーン、アマゾナイトなどがあります。
モース硬度は6~6.5。
冒頭でもお伝えしたとおり、“ブルーやレインボーの多彩な色の光”が幻想的に見えるのがラブラドライトの一番の特徴です。
このラブラドライトに起こる光学効果にはラブラドレッセンスとシラーの2種類があります。
ただし、シラーの光が宝石の表面にあらわれるまでに「ラブラドレッセンス化する」といわれており、実際に目に見える効果はラブラドレッセンスの方のみだとか。。。
何だかややこしい感じもしますが・・・
つまりは、いずれにしてもラブラドライトが光って見えるのはラブラドレッセンスの効果によるもの、ということのようです。
ちなみに、このラブラドレッセンスが鮮やかにみられるものを「スペクトロライト」と呼び、フィンランド・ユレマ(Ylämaa)産のものが有名です。
ラブラドライトというと、ラブラドレッセンスを示すものが印象的ですが、中にはこの効果を示さない透明度の高いオレンジ、イエロー、グリーン、ブルーのものもあり、これらはファセットカットに研磨されることが多いと聞きます。
色
ラブラドレッセンスを示すものの地色はグレーやブラック、クリアなどが多く、ラブラドレッセンスはブルーやレインボーなど多彩な光が見えることが多いです。
産地
マダガスカル、フィンランド、ロシア、インド、メキシコなど。
ラブラドライトの価値

価値があるとされるラブラドライトは、特徴的である、「ラブラドレッセンス」が明確に見えるもの。

さらに、白濁がなく透明度の高い状態で「ラブラドレッセンス」が見えるものは特に高品質とされます。

グレーの地色のものが一般的ですが、ブラックの地色のものもあり、透明感はなくともラブラドレッセンスが美しく見えることから、どちらも高く評価されています。
またラブラドレッセンスの色によっても人気に違いがみられます。
イエローやグリーン、レッドが人気で、ブルー、ディープブルー、レインボー、ピンク、パープルと続きます。
ラブラドライトとムーンストーンとの違いとは?

上の画像は左がラブラドライト、右がムーンストーンです。
ラブラドライトもムーンストーンも2つとも、特徴のある幻想的な光の効果を楽しむことが出来る宝石です。

二つの宝石の大きな違いはラブラドライトの光の効果が「ラブラドレッセンス」であるのに対し、ムーンストーンに見られる効果は「アデュラレッセンス」というところです。
「ラブラドレッセンス」はブルーやレインボーなど多彩な光が見えるのに対し、「アデュラレッセンス」は優しくホワイトからブルーの光を放つものが多いです。

ホワイトやブルーの光の中に少しでも違う色が見られたり、線状のインクルージョンが確認出来た場合はラブラドライトの可能性が高いといえます。
しかし実際にラブラドライトかムーンストーンかをきちんと見分けるには専門の機器を使って屈折率や地色などを調べる必要があります。
レインボームーンストーンとは?

レインボームーンストーンとはクリアカラーの地色にブルーや多彩な色のラブラドレッセンスが浮かぶ、人気の宝石のことです。
しかしこの宝石、ムーンストーンと名がついているものの、実はホワイトラブラドライトやアンデシンラブラドライトのこと。
見た目が似ているという理由から、ムーンストーンの人気や知名度にあやかって「レインボームーンストーン」と名付けて販売され、それがいつしか根付いて、今では一般的な流通名として受け入れられています。
ラブラドライトの価格相場
ラブラドライトは、種類によっても価格相場が異なります。
カラッツSTOREで過去も含め販売されていたものを例にご紹介しましょう。

こちらのルースは、64.950ctで5,980円(税込)です。
このようなダークな地色にラブラドレッセンスが見えるタイプのものは大きいルースも多く、比較的お値打ちだったりするので、大きいルースを手に入れたい方には狙い目かもしれません。
ただ、クラックが多いのも特徴の一つのため、取り扱いには注意が必要です。
こちらのホワイトラブラドライトは、7.594ctで2,980円(税込)です。※現在は販売終了しております。
このようなホワイトラブラドライトは、透明度やラブラドレッセンスの出方などによっても価格が変わります。
こちらもクラックがあるものが多いです。
次にご紹介するのは、通称レインボームーンストーンと呼ばれるラブラドライトです。
こちらのルースは1.950ctで9,800円(税込)。※現在は販売終了しております。
虹色の輝きが美しいですね。
そしてこちらは通称ブルームーンストーンと呼ばれるもので、1.500ctで5,980円(税込)でした。※現在は販売終了しております。
ムーンストーンに似た青い光が魅惑的なルースですね。
最後に

ムーンストーンと混同されがちなラブラドライトですが、グレーや黒の地色にカラフルな光が見られるものは、単色の光を放つムーンストーンとは見た目が明らかに違うので混同されることはないといえます。
しかし、ホワイトラブラドライトとなるとモノによっては非常に似ているため注意が必要です。
種類によって異なる顔を見せるラブラドライトは、他の宝石にはない独特な魅力をもつ宝石だと思います。
さまざまな光や色がありますので、お好みの一品を見つけてみてくださいね。
カラッツ編集部 監修