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ミネショが100倍楽しくなる!「石の辞典」の著者、矢作ちはるさんにインタビューしてみました!

石の辞典

こんにちは、ライターのgirigiriです。

突然ですが
4月末の発売後1ヶ月間に渡り、Amazonでベストセラー1位に選ばれていた

「石の辞典」という本、ご存知ですか?

この本の私の第一印象はとにかく
表紙の鉱物のイラストがキレイ……。

写真かと見間違うようなその美しい鉱物画に思わず目を奪われてしまいました。

「そう、この本、実は挿絵がイラストのみなんです。一切写真は使われていません。イラストレーターの内田有美さんに1点、1点、描いてもらいました。」

そう言って微笑むのは作者の矢作ちはるさん。

矢作ちはる
都内を中心に鉱物の原画展やトークイベントを開催中。
9月13日まで、京都にある恵文社一乗寺店にて原画展をしています。

旅行と鉱物が大好きな矢作さん。
小学1年生のときから石に興味をもっていたそうです。

石の辞典
上の写真で本と一緒に写っている鉱物たちはすべて彼女の私物。世界中を旅して歩いた記憶がギュッと詰まった宝物たちなんだそう。

私にとっての石は、旅の記憶を閉じ込めたタイムカプセルのようなものだ。同じものが2つとして存在しないからこそ、手にした石に運命のようなものを感じる。
(矢作ちはる『石の辞典』より抜粋)

旅好きな著者が書いた「石の辞典」。色んな意味で、この本には石好きに嬉しい仕掛けが施されています。

この本を読めば、ミネショが100倍楽しくなるはず!

先日インタビューした時の内容も交えて、さっそくご紹介しましょう♪

徹底的にこだわったのは「ライトに読めること」

矢作ちはる インタビュー風景

この本、タイトルは「石の辞典」ですが、

辞典の割には、文章が短くて「コンパクト」にまとまっています。

どうですか、この空白の多さ!

うーん、読みやすい!

しかし内容はちゃんと濃い目。

イラストと共に、石の詳細な成分の説明から世界各地の石にまつわる文化・伝承・名づけの由来まで記載されています。

にしてもこのイラスト、本当にリアルだと思いませんか?

石の辞典 原画素材
どちらが実物か分かりますか?

「イラストレーターの内田さんは、見たままをそのまま透明感を持って描いてくれるんですよね。写真以上に石の色や形、硬さなどの質感が伝わってくるので、従来の辞典のように文章で内容を伝える必要はないと思うんです。まずイラストのビジュアルで癒やされ、簡潔な文章で納得してもらいたい。例えば、夜寝る前にパッと開いた部分だけちょっと読んでみる、そんな「癒やされつつライトに読める」ようにこだわりました。」

なるほど。辞典でありながらも内容は固くない!

そしてハードカバーの表紙を開けば、1ページごとに1点の鉱物画

石の辞典 クリソコラ

このイラストは見る人の心を癒やしてくれる気がします。

確かに枕元に置いて寝る前にさらっと読むのも良いかも。

「内田さんのこのイラストって、静かな佇まいじゃないですか。だからそれに合わせて文体もシンプルに書くようにしたんです。」

イラストに合わせて文体も変える!スゴイです。矢作さんはそこまで考えてこの本を1年かけて完成させたそうです。

手のひらサイズ+軽さが嬉しい!

石の辞典 手のひら

そしてこちらの「石の辞典」、もう一つの大きなこだわりポイントはコンパクトさ。
まさに手のひらサイズとっても軽い!

これは持ち歩きに便利ですね。カバンの中に1冊入れて、ミネショに持っていけますね!

「鉱物系の辞典って、私もこの本を作るにあたって色々参考にさせてもらったんですが、どれも大きくてとっても重いんですよね。軽いのってあまりないんですよ!今回こだわったのはまさにそこで、女性向けの、軽くて持ち運びしやすい辞典にしたかったんです。」

確かに辞典や図鑑的なものって基本的に大きかったり、厚かったり、とにかく重いものが多いですよね。

軽くて持ち運びしやすい。確かにそんな辞典はあんまり見たことなかったかも。

辞典は重いもの、という概念を覆すこの軽さ、嬉しいですね♪

矢作ちはる インタビュー風景

鉱物のモース硬度がすぐにわかる!

モース硬度
そして忘れてはならないポイントがココ!

「実はこの本はいわゆる「あいうえお順」には並んでいません。鉱物にはモース硬度という、石の硬さを示す基準があります。このモース硬度は、鉱物を取り扱うときには必要な知識。ですから、この本はモース硬度が低いソープストーンから始まって、最後は自然界で最も硬いダイヤモンドで終わるように並んでいます。

なるほど。つまり、この本はページをめくるたびに、石がどんどん硬さを増していくということ。

石の辞典 硬度

ちなみにこのページでは、モース硬度は矢印で記した左ページの一番端に書かれている「5」という数字です。

つまり、この鉱物ダイオプテーズはモース硬度が5、ナイフでようやくキズが付く程度の硬さ、ということですね!

石の世界を旅したくなる!

ターコイズペンダント
旅行が大好きな矢作さん。

上の写真のペンダントは、以前シルクロードを旅しながら石売りをしているという商人から矢作さんが買いとったという、アンティークのターコイズ。チベット人がお守りとして、先祖代々2000年もの間受け継いできたものなのだそうです。

この「石の辞典」は、石の説明の中でその石が採掘された国の様子や伝説なども文章に盛り込まれています。そのため自然とその石の「背景」が伝わる仕組み。

「あぁ、この場所に実際に行ってみたい!」

という気持ちになります。

自分が大事にしている石の生まれ故郷、この本で調べて現地に行ってみるのも素敵かもしれませんね!

石の入門書としても最適

「この本は、雷鳥社さんの辞典シリーズの1冊なのですが、石に詳しくない人でも楽しめるような辞典にしたいという構想もあって、専門家じゃないほうが柔らかく書けるんじゃないか、ということで、私にお話を頂いたんです。」

矢作さん自身は、特定の企業には属さずに「ワタリドリ製作所」の名義で活動するフリーランスのライター兼プランナー。

子供の頃から石は好きでも、いわゆる専門家ではありません。でもだからこそ石好きさんの目線がわかっているように思います。

「石をどう見ると楽しめるかとか、お母さんが子供に説明しやすいようにとか、読む人にとって石の入門書になるような本にしたいと思いました。」

確かに、この本は固い専門用語は少ないですね。難しい内容になりがちな部分はイラストを使って平易に紹介されていますので、子供にもわかりやすい本だと思います。

矢作さんがミネラルショーで撮影した、世界各国の鉱物

最後に

「この本は、電車の中で読んで、読んでいる姿を人に見せたい。」

そう言ったのはカラッツのあるスタッフ。

そうそう、そのとおり!この本は絶対カバーを掛けずに読みたい!

この本のイラストも、本の大きさも、一言でいうと

「オシャレ女子」

を演出するのにぴったり。

矢作さん自身、

「あぁ、こんなきれいな石があるのね、フムフム。」

と旅行先のお供にしてもらったり、

「雨の日や疲れた日の休日に、パラリと読んで癒やされる。」

ようなイメージで本を楽しんで頂けたら、とおっしゃっていました。

軽くて内容も装丁も大満足の「石の辞典」。

1日の終わりにそっとページをめくりたくなるような、忙しい毎日の中で、ふと空を見上げてみたくなるような、誰かの宝物になるような。そんな本づくりを目指しています。
(矢作ちはるさんtwitterより引用)

矢作さんのそんな想いがぎゅっと詰まった「石の辞典」。

ミネラルショーのお供に、旅行に、癒やされたい夜にもオススメの1冊です!

終始笑顔でお話くださった矢作さん。本当に素敵な方でした。

石の辞典
ちゃっかりサインも頂きました

*矢作ちはるさんhttps://twitter.com/wataridoribook

「石の辞典」
著者:矢作ちはる
挿絵:内田有美
出版:雷鳥社

カラッツ編集部 監修