出典元:TVアニメ『宝石の国』公式サイト
読めば読むほど面白い「宝石の国」。
主人公は硬度3半のフォスですが、実は影のNO.2と思われる重要なキャラクターが今回解説する硬度2の「シンシャ」。
別名「賢者の石」と言われる鉱物です。
「地球上で最も毒性が強い鉱物」と言われるシンシャ。
宝石の国の漫画のファンから、「シンシャから出る液体の毒は何ですか?」という質問がありましたが、それを含めてシンシャの謎、こちらで徹底解説します!
シンシャの毒の成分とは
宝石の国に出てくるキャラクターは全て実在する鉱物。
その中でもシンシャは知ってしまえば皆さんの周りで必ず見つかる鉱物です。
「えっ!でもシンシャって毒物なんでしょ?」
そうです。シンシャは地球上で最も危険な鉱物の1つ。気になる成分は「硫化水銀」。
そう、昔の体温計の中にあった銀色の液体、あれがシンシャです!
実はすごいシンシャの力
シンシャの硬度はフォスよりも柔らかい硬度2。
しかしボルツ並みに戦闘能力が高いと言われる理由は、猛毒である水銀を無尽蔵に生み出せるから。
その猛毒ゆえに金剛先生からも
「与えられる仕事が思いつかない」
と言われ、たった一人で夜中の見張り番をします。
「隣にいるだけで落ち着かない」
「いるだけで、迷惑」
と仲間から言われてしまうシンシャですが、実はとんでもないパワーを秘めているのです。
シンシャは毒にも薬にもなる
猛毒と言われる水銀。
加熱した蒸気を吸い込むと体がブルブル震えて、感覚障害を起こし、死に至ることもあります。
水銀中毒で有名な病気があの「水俣病」。どれだけ怖い病気かわかりますよね。
しかしこのシンシャ、水に溶けない硫化水銀ですから、これ自体はさほど危険ではありません。
綺麗な朱色は弥生時代から顔料として顔に塗ったり、神社の赤い鳥居の塗料として使われていました。
漆器の赤い色にもシンシャは使われているといいます。
実はシンシャは漢方薬の成分
そしてこのシンシャは昔中国で不老長寿の薬としても使われていました。
古代中国で栄華を極めた秦の始皇帝も、水銀を配合した霊薬を飲んで不老不死を望んだようですが、逆に短命で世を去ってしまったと言われています。
猛毒と思われる水銀ですが、実は現在でも漢方薬の成分として普通に販売されています。
高血圧に効くとされる「牛黄清心丸」の中には高濃度の水銀が処方されていますから、シンシャは毒にも薬にもなる不思議な鉱物と言えますよね。
シンシャには秘密がある
出典元:TVアニメ『宝石の国』公式サイト |
宝石の国の中で、最初から金剛先生の秘密を知っていたらしいシンシャ。
フォスに誘われても「先生がかわいそうだ」と月に行こうとしなかった優しい性格です。
もともとシンシャ、水銀は中世ヨーロッパ時代、銅や鉄を金に変えようとする錬金術師たちが、「触媒」として注目していた鉱物です。
不老不死の薬を作るために必要な「賢者の石」と呼ばれていたくらいですから、まだまだ隠された秘密があるのではないでしょうか。
「聡明で思慮深い性格」というアニメ内の設定と毒を自在に生み出す能力は、まるで魔法使いのよう。
宝石の国の中ではまだ明かされていませんが、シンシャが月に行けば、フォスよりもとんでもないパワーを発揮しそうな気がします。
最後に
出典元:TVアニメ『宝石の国』公式サイト |
いかがですか。
実は主人公のフォスよりも隠れファンが多いシンシャ。
「どうしたって暗い」だの「賢いと動けないこともある」と言われるキャラクターですが、宝石の国の中では主人公フォスの原動力になった存在でした。
どんどんターミネーターのように変化して行くフォスの、良い意味でのストッパーになりそうなのがシンシャ。
月人の望みを達成するために金剛先生を裏切ろうとするフォスをシンシャはどう思っているのでしょうか?宝石の国、これからも楽しみです!
カラッツ編集部 監修