本ブログの読者には、「いつか海外で宝石の買い付けに行きたいなー」と思われている方も多いかと思います。
さて「初めての海外買い付け」と聞いて、皆様はどこの国をイメージされますでしょうか。
「タイ」「スリランカ」「ミャンマー」「インド」?
いやいや、オススメは実は香港なんです。
本記事ではその3つの理由と、そして「いざ行こう!」と決めた時に必要な情報について、全てご紹介しようと思います。
目次
理由① 最大の理由は税金がかからないから
香港とは何か。Wikipediaによるとこうあります。
●中華人民共和国の南部にある特別行政区
●広大なスカイライン及び深い天然の港湾を抱える自由貿易地域
「自由貿易地域」とは関税など国家の介入が行われない地域のことで、要は香港で取引をすれば税金がかかりません。
仮にタイで素晴らしい宝石商に出会い、ルースの買い付けを行いたいなーと思った場合、
タイでそのまま取引して、日本に持ち帰る
・タイで消費税:10%
・日本で消費税:8%
→ 計18%
タイで商談して香港で取引して、日本に持ち帰る。
・香港で消費税:0%
・日本で消費税:8%
→ 計8%
と、タイの消費税分10%が浮きます。
宝石のような高額品の場合、10%というのはかなりの金額になりますので、
上記の様な「じゃあ買い付けは香港で」というやり取りが、世界中で行われているのです。
理由② アジア最大の宝石展があるから
このような背景を受け、香港では宝石の展示会が盛んです。
中でも3月の下旬に同時期に行われる
は、その1つ1つが世界最大規模の宝石展。
※ 参考記事①:【2018年】世界最大!9月の香港国際ジュエリーショー|最新の色石相場レポート
※ 参考記事②:香港国際ジュエリーショー2018年注目の宝石TOP3
実際この時期の御徒町(日本最大の宝石街)では、「香港出展中のため休業」の張り紙がシャッターに貼られている店をよく見ます。
おそらく同じ張り紙が、タイでもスリランカでもミャンマーでもインドでも貼られていることでしょう。
理由③ 展示会に伴う様々な安心感
「香港での展示会で取引する」というのは何重もの意味で安心感があります。
まず香港に出展できる企業というのは、ある程度企業としての体力があることの証明です。
もちろん香港にも出展出来ないような小規模企業から仕入れる場合は、現地で買い付けするしかないですが、それは「初めての海外買い付け」にしてはちょっとリスキーです。
会場にはこのようにGIAのような鑑別機関が出している「鑑別ブース」もありますので、購入した石の真偽をその場で判定してもらうことも可能です。
またどの人間も会場に入るには事前登録やパスポート提示を厳しく求められるため、お店側からしても買い手の我々を信頼してもらいやすくなります。
「わざわざ日本から香港に来ている」という事実も、こちらの本気具合をアピールする材料になります。
こういった理由が絡まり合って、どこの国の人とであっても「取引は香港の展示会で」というのが広く宝石業界には浸透しているのです。
香港の展示会について
場所
香港インターナショナル・ダイヤモンド・ジェム・パールショーはAsiaWorld-Expoという空港のすぐ近くの会場(上記①)で、
香港インターナショナル・ジュエリー・ショーはConvention Centreという香港島の会場(上記②)で行われます。
香港では年に3〜4回の宝石展がありますが、全て上記の2つの会場のどちらかで行われます。
香港に行ったことのある人はご存知かと思いますが、香港は下記の
● 島部: 空港があるところ
● 九龍: 香港ぽい雑然としたネオン街(新宿でいう東口)
● 香港島:金融センターが集まる大都会(新宿でいう西口)
● 新界: 山とか川とかその他
の4つに分かれます(説明は分かりやすさ重視でかなり雑に書いています)。
会場はここでいう「島部」と「香港島」にそれぞれ会場があります。まずはこの大体の位置を覚えておいてください。
申込み方法・費用
展示会のホームページ内で事前登録のページを探します。大体「Visitor(ビジター)」や「Fair Info(開催概要)」のあたりにあります。
最近はこのようにアプリを事前にインストールして、アプリ内で「e-Badge」というバッジを発行するのが主流のようです。
費用は無料です。
香港攻略法
フリーSIM
香港空港に着いたら兎にも角にもまずはフリーSIMをゲットしてください。
日本で買うより絶対に安いですし、SIMの付け替えも向こうの人がやってくれます。
これで大体のことはケータイで調べれば何とかなります。
オクトパスカード
日本のsuicaです。
これで電車に自由に乗れるようになりますし、コンビニの支払いもできるようになります。
大変に便利ですので券売機でこちらも買っておきましょう。券売機は空港内のそこら中にあります。
会場への行き方①:電車
さて、早速ケータイを使ってGoogleMapなどで調べてみると、AsiaWorld-Expo(会場①の方)は空港のすぐ近くの会場で、
「エアポート・エクスプレス」という特急に乗ると一駅で着けることに気づくかと思います。しかも駅直通。
オクトパスカードがあれば乗るのもカンタンです。
なお都心である九龍/香港島へ向かう(恐らく宿はこのどちらかになると思います)ときも、この電車が安くて早くて広くて本数も多くて便利です。
会場への行き方②:バス/タクシー
もう1つの会場のConvention Centre(会場②の方)は香港島にあります。
AsiaWorld-Expo(会場①の方)からはシャトルバスが出ていますので、もし会場をハシゴするならこれが便利です。
また泊まっているところが九龍近くなら、やはり同様に会場へのシャトルバスが出ています。
泊まっているところが香港島のどこかなら、香港はそこまで広い区域ではないのでUberが便利だと思います。
九龍から香港島は海を超えるので、さすがにUberだと高くつきます(それでも3,000〜4,000円くらい)。
なお東南アジアで便利なgrabは、香港では使われていないようです。
またUber以外の町のタクシーを使う時は、残念ながらクレカ非対応のタクシーがまだまだ多いので現金が必要です。
Airbnb
最後に宿ですが、香港は非常にホテル代が高いのでAirbnbがオススメです。
Airbnbは同日に予定が混み合うと、自動で値段が高くなってしまうので、2〜3ヶ月前には場所を押さえた方が良いかと思います。
場所は、個人的にはビジネス利用なら九龍より香港島の方が、キレイで便利でオススメです。
島部や新界には泊まったことが無いのでよく分かりません。
最後に
今回、会場で見た宝石たちについては
https://twitter.com/recarat/status/1104236289354682368
こちらのTwitterのスレッドをご覧ください。
どれも美しい石ばかり。
私の個人的なイチオシは最後に投稿したこちらの特大イエローサファイアです。
https://twitter.com/recarat/status/1105387952098574336
石好きのあなたなら、行くだけできっと幸せになりますよ!
香港、オススメです。
カラッツ編集部 監修