ダイヤモンド4Cの「クラリティ」って?
突然ですが、あなたはダイヤモンドの品質を階級付けし、鑑定書にも記入される4Cをご存知ですか?
カラー、カット、クラリティ、カラットの頭文字をとって4Cと呼ばれています。
ほかの3つはなんとなく想像がつきますが、「クラリティ」は一般的にはあまり馴染みのない言葉ではないでしょうか?
ここでは、ダイヤモンドの美しさを左右する「クラリティ」について、ご説明していきますね。
目次
クラリティとは?
まず、クラリティとは英語で、鮮明、明快、明瞭という意味です。また他にも、「鮮やか、透明の水、澄んだ音色」などといった意味も持っています。
そして、ダイヤモンドを評価する「クラリティ」は、「透明度」を示します。
ダイヤモンドには、必ずと言っていいほどインクルージョン(内包物)やブレミッシュ(表面の特徴)があります。
その、ダイヤモンドの内部と外部の特徴の程度を表すのが「クラリティ」です。
完全に不純物のないダイヤモンドは存在しませんが、それに近いほど、クラリティのグレードは高くなります。
なぜ、インクルージョンとブレミッシュがあるの?
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地球深部の圧力と強烈な熱に炭素がさらされることで、天然のダイヤモンドが誕生します。
この過程で、インクルージョンとブレミッシュがもたらされるのです。
ブレミッシュには、自然にできた欠けや傷のほか、ダイヤモンドを研磨する際にできる表面的な結晶面の残りや、傷も含みます。
クラリティはどうやって決めるの?
4Cの基準はGIA(米国宝石学会)によって定められました。
そして、GIAクラリティスケールをもとに、クラリティの階級付けをしています。
インクルージョンやブレミッシュは非常に小さいため、訓練を受けたダイヤモンドグレーダーのみが、確認することができます。
肉眼では同じように見えても、ダイヤモンドの品質は全く違うものもあることから、専門家のグレーディングがいかに大切か?ということがうかがえますね。
クラリティのグレードを解説します
ダイヤモンドのクラリティ評価は、外部と内部の特徴の数、大きさ、レリーフ、性質、それらの位置の判定をします。
クラリティスケールは、まずは大きく6つのグレードに分けられ、そこからさらに細分化され、全部で11のグレードに階級付けされます。
では、各グレード別に解説していきましょう。
FL(フローレス)
キズや内包物が全くない、最高品質です。
FL:10倍に拡大しても、インクルージョン、ブレミッシュなどが全く見つかりません。
IF(インターナリーフローレス)
IF:10倍の拡大で、インクルージョンは全く見つかりませんが、微小の欠けなどがようやく見つかる程度です。
VVS(ベリーベリースライトリーインクルーテッド)
見つけるのに困難を要するインクルージョン、ブレミッシュがある程度です。
VVS1:熟練グレーダーが10倍の拡大で見て、ようやくインクルージョンが見つかるもの。発見はかなり困難という程の小ささです。
VVS2:VVS1と同程度ですが、比較的インクルージョンが目立つものです。
VS(ベリースライトリーインクルーテッド)
微小のインクルージョンがある程度で、見つけるのが難しいレベルのものです。
VS1:熟練グレーダーが10倍に拡大して見て、発見が少し難しい程度のインクルージョンがあります。
VS2:VS1に比べて見つけやすいインクルージョンが目立ちます。
SI(スライトリーインクルーテッド)
インクルージョンがわずかにあり、10倍にして発見できる程度のものです。
SI1:10倍にして簡単にインクルージョンが見つかるものです。
SI2:SI1と比べて、より目立つインクルージョンがあるものです。
I(インクルーテッド)
肉眼で発見できるほどのインクルージョンがあり、輝きや透明度に影響を与える可能性があります。
I1:肉眼でインクルージョンを確認する事ができます。
I2:ダイヤモンドを肉眼で上から見て、簡単にインクルージョンが発見できます。
I3:肉眼で、I1、I2よりも大きなインクルージョンを見る事ができます。
おすすめのクラリティグレード
11段階にも分けられるクラリティグレードですが、良いダイヤモンドを購入するには、どのグレードを選べば良いのでしょうか?
グレードが高いものほど希少価値が高く、価格も上がります。
最高品質のFLはほとんど市場に出回ることがなく、オークションに出品されるのをコレクターが待ちわびるほどです。
きれいなダイヤモンドを購入したい!という場合は、プロのグレーダーが10倍に拡大してやっと欠点が見つかる程度のVS2以上のものがおすすめです。
まとめ
ダイヤモンドのクラリティについて、ご説明してきました。
欠点のように言われてしまうインクルージョンとブレミッシュですが、世界に二つとして同じものはないダイヤモンドの、謂わゆる「個性」ともいえるのものだと思います。
4Cのうちのどれを優先するか?
機会があったら、いろいろなグレードのダイヤモンドを見比べてみて、自分にとっての基準を見つけてみるのも面白いと思いますよ☆
カラッツ編集部 監修