ジューンブライドという言葉から、どことなく幸福のイメージがある6月。
日本では梅雨の季節でもありジメジメした日も多いですが、夏を本格的に感じ始める頃でもありますね。
そんな6月の誕生石にはどんなものがあるのでしょうか。
2021年12月の改訂により、増えたという噂も聞きましたよ。
今回は6月の誕生石について、それぞれの特徴、価値、歴史、石言葉などご紹介したいと思います!
▶6月以外の誕生石と誕生日石についてはこちらから
目次
6月の誕生石は何がある?
6月の誕生石といえば、かつては真珠とムーンストーンの2つでした。
しかし、冒頭でも少し触れたように、2021年12月に全国宝石卸商協同組合より改訂が発表され、幾つかの月の誕生石が追加されたなか、6月の誕生石も1つ増え、3つになりました。
追加されたのはアレキサンドライト。カラーチェンジが特徴的な宝石です。
誕生石が増えるのは、選択肢が増えて嬉しいことですよね。
しかも6月の誕生石はそれぞれに特徴やイメージが大きく異なり、選ぶ楽しさも味わうことができるのではないでしょうか。
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
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6月の誕生日石については別記事にてチェック下さいね。
6月の誕生石 真珠(パール)
6月の誕生石の一つ目に挙げられることも多い真珠。
貝から生まれる神秘的な宝石です。
かつて世界の王族貴族や富裕層の人たちは、真珠を富や権力の象徴として大切にし、子孫へ受け継いでいったといわれています。
真珠にはどことなく気品あふれる雰囲気を感じますよね。
特徴
真珠は、海や湖、川などに棲む貝の中で作られる有機質の宝石です。
貝が中に入り込んだ異物から身を守るために、貝殻と同じ成分を輩出して異物をくるむことで作られていくそうですよ。
真珠には、自然に形成される天然真珠と、人間が管理する養殖真珠があります。
養殖真珠で主なものは、真円形のアコヤ真珠や南洋真珠、半円形のマベ真珠など。
主に湖などで養殖される、淡水真珠もありますね。
一方、今のところ工業的に養殖をすることが難しく天然が多いとされるのは、コンクパールやメロパールなどで、この2つは希少価値高く扱われます。
他にも様々な形のバロック真珠などもあります。
どれも、有機質の宝石特有の温かさや繊細さを感じますね。
歴史・言い伝え
真珠について記された最も古い文献は中国にあるそうで、紀元前2206年までさかのぼります。
古代エジプトのクレオパトラが真珠を酢に溶かして飲んだ、などという逸話も有名で、昔から世界中の人々が真珠を愛していたことが窺えます。
日本は古くから真珠の産地として有名で、中国の歴史書「魏志倭人伝」やマルコ・ポーロの「東方見聞録」などに、真珠が日本の特産品であることが記されているとか。
アメリカ大陸を発見したコロンブスは、真珠を身に着けている原住民が何人もいることに気づき、ベネズエラやパナマに天然真珠の産地があることを突き止めたそうです。
その後、ヨーロッパで需要が高まり、乱獲や開発などの影響で、各地の天然真珠産地が衰退してしまいました。
養殖真珠の歴史
真珠の養殖は、数百年前に中国で始まったといわれています。アコヤ真珠も淡水真珠も養殖していますが、淡水真珠が特に有名です。
無錫の太湖などでは、カラス貝による真珠養殖が盛んですね。
日本では、株式会社ミキモトの創業者である御木本幸吉氏が、明治21年(1888年)にアコヤ貝の養殖を、2年後には真珠養殖の試験を始め、明治26年(1893年)、初めて半円真珠の養殖に成功しました。
そして明治38年(1905年)以降、西川藤吉、見瀬辰平、御木本幸吉らによって、真円真珠の養殖にも成功しました。
御木本氏の養殖真珠が工業的に出回り始めたのは大正の中期頃からで、その後ヨーロッパで大きな話題となりました。
当初、養殖真珠は模造品だとする声が大きく、その後パリ裁判で争われ、天然真珠と変わりがないという判決が大正13年(1924年)に下されました。
御木本パールが宝石真珠として世界に認められたという、歴史的な瞬間でした。
価値
真珠の価値は、大きさ、形、色、テリ(光沢)、表面や真珠層の質などで決まります。
サイズが大きくて真円で、テリがあって真珠層が厚く、表面に傷がないものに価値があります。
真珠の色は母貝の種類によっても変わります。
最も一般的なアコヤ真珠の場合、ホワイトが人気も需要も高く、高品質なものは花珠と呼ばれ、価値が上がるのだそうです。
一方、黒蝶真珠の場合、最高級といわれるのはピーコックカラーと呼ばれる、赤みのあるグリーン掛かった黒真珠。まさに孔雀の羽根のような色合いをもつものです。
2つ以上の真珠が使われたジュエリーの場合は、品質が同じでマッチしているかどうか、という視点も大切です。
石言葉
真珠の石言葉は「富」「健康」「長寿」です。
日本の皇室でも世界の王室でも、フォーマルな場で真珠のジュエリーを身に着けている姿を目にすることは今でも多いように思います。高品質な真珠はまさに富の象徴、という感じでしょう。
アコヤ真珠に代表されるような白い真珠には上品で清楚なイメージがありますが、南洋真珠のように大きくてゴールドの色合いのものはゴージャスな輝きも感じます。
また、真珠は古くから粉にして薬として用いられていたことでも有名で、今でも化粧品などに使われることがあります。
そのあたりからも真珠には健康や長寿というイメージが大きいのかもしれませんね。
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真珠(パール)について、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参照ください。
6月の誕生石 ムーンストーン
6月の誕生石の2つ目にご紹介するのは、ムーンストーンです。
しっとりとした6月の夜空に浮かぶ月を思わせる、優しい光の宝石ですね。
ムーンストーンの和名は月長石。
東西問わず、古くから月と関連付けられていました。
数ある長石の中でも人気が高い宝石の一つ、ムーンストーンについてもご紹介していきましょう。
特徴
ムーンストーンは、長石の中でアデュラレッセンスという光学効果を示すものに付けられた宝石名です。
アデュラレッセンスは、シラーやシーンと呼ばれることもありますね。
ホワイトやブルーなどの光がポワンと浮き出て、まさに月の光のようです。
石を傾けると、その光がコロコロと動くのですが、それはまるで蓮の葉に溜まった水玉が転がるようで、見ていて全く飽きることがありません。
ムーンストーンというと、最も一般的なのは地色がミルキーホワイトのものかと思いますが、他にも、オレンジ、ブラック、グリーンのものやキャッツアイ効果、スター効果を示すものもあります。
歴史・言い伝え
ムーンストーンは昔から色々な国で月に関係している宝石と考えられていました。
ローマ神話やギリシャ神話では月の女神と関連があるといわれ、インドのヒンドゥー教では、月の光が固まってできた宝石だと考えられていたそうです。
満月の時にムーンストーンを口に含むと未来を予知できる、という伝説もあるそうですよ。試してみたくなりますね。
ムーンストーンのジュエリーは、1890年代から1910年代のアールヌーボーや、1960年代のフラワーチャイルド、1990年代のニューエイジなどの時代に多く作られたようです。
独特で素敵なデザインが多いので良かったら探してみてくださいね。
価値
ムーンストーンの価値はアデュラレッセンス(シラー、シーン)が美しく現れるもの、有色のものは地色が鮮やかでサイズが大きく、透明度が高いものに高い価値が認められます。
中でも最も価値が高いとされるのは、ミルキーブルーの光が浮かぶブルームーンストーンと呼ばれるもの。
ブルームーンストーンの地色はカラーレスに近いほど価値が高く、ミルキーブルーの光は濃いほど良いとされています。
石の中央に、ブルーの光がバランスよく浮き出ることも重要です。
しかし、唯一産出されていたスリランカの鉱山が閉山したことから、現在は殆ど市場に出回らないといわれ、価値が益々高まっています。
同じ長石の中で似たような効果を示すものが通称ブルームーンストーンとして出回ることは多くあります。
天然石であること、長石の一種であることは変わりませんが、厳密にはムーンストーンとは別の種類であり、価値も異なります。
万が一、相場よりも高値で販売されている場合は、本来のブルームーンストーンか否か、念のため確認した方が良いかもしれません。
石言葉
ムーンストーンの石言葉は、「愛の予感」「健康」「幸運」です。
月を象徴する宝石ムーンストーンを持つことで、月が満ちるように愛も満ちると考えられていたのかもしれませんね。
月の引力によって海が満ちたり引いたりするように、ムーンストーンにも健康や幸運を引き寄せるパワーがあるように感じます。
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ムーンストーンについて、もっと詳しく知りたい方は下記記事もご参照ください。
6月の誕生石 アレキサンドライト
日本の誕生石として、正式に加わることになったアレキサンドライト。
その劇的なカラーチェンジは、しばしば「昼はエメラルド、夜はルビー」と表現されます。
アレキサンドライトには、一つの宝石の中に全く違う二つの宝石が眠っているような不思議さと神秘さがあるように思います。
それでは、6月の誕生石に新しく加わったアレキサンドライトについても見てみましょう。
特徴
アレキサンドライトの特徴は何といっても、光源によってカラーチェンジすることでしょう。
この効果は主にカラーチェンジ効果や変色効果などと呼ばれますが、その代表的な宝石がアレキサンドライトであることから、「アレキサンドライト効果」と呼ばれることもあります。
また、カラーチェンジする他の宝石を「アレキタイプ◯◯◯◯」と呼ぶこともありますね。
変色効果のある宝石は他にもあるのですが、アレキサンドライトには特別な美しさがあるように思います。
アレキサンドライトがカラーチェンジする理由は、クロムの作用によるのだそうですよ。
クロムが絶妙なバランスで配合されることで、太陽光や蛍光灯の下ではグリーン系、白熱灯やろうそくの光の下ではレッド系に変化すると考えられています。
また、アレキサンドライトには見る角度によって色が変わって見える強い多色性や紫外線で蛍光するという特徴もあります。
太陽光の下で、グリーンの中にチラチラと赤色の光が走るのが見えたり、表情が色々変わって面白いですよ。
中には、キャッツアイ効果をもつアレキサンドライトキャッツアイもあります。
歴史・言い伝え
アレキサンドライトが発見されたのは1830年、ロシアのウラル山脈にあるエメラルド鉱山だったといわれています。
グリーンの結晶だったため、最初はエメラルドだと思われていたそうですが、光によって劇的にカラーチェンジすることがわかり、違う鉱物であることが判明しました。
そこで、当時の皇帝だったニコライ1世に献上されることになり、皇帝の若い息子であるアレキサンドル2世にちなんで「アレキサンドライト」と名付けられたそうです。
アレキサンドライトが発見された日がアレキサンドル2世の誕生日だった、という説もあります。
ロシアのアレキサンドライトは高い品質を誇っていたのですが、すぐに掘りつくされてしまったそうで、現在ではブラジル、スリランカ、東アフリカの国々が主な産地となっています。
価値
アレキサンドライトの価値は、カラーチェンジで決まると言っても過言ではありません。
地色が鮮やかで、劇的にカラーチェンジする程、価値が高まります。
太陽光や蛍光灯の下ではグリーン~ブルーグリーン、ろうそくや白熱灯の下ではレッド~レッドパープルに変化するものに高い価値が認められます。
イエローグリーンや薄いグリーンのアレキサンドライトは、変色後はブラウンやレッドブラウンであることが多く、鮮やかさがありません。
濃い色の方が良いとされますが、暗すぎるアレキサンドライトは黒っぽくなり輝きも足りません。
ロシア産やブラジル産のアレキサンドライトは美しい色と劇的なカラーチェンジが備わっているものが多く、品質が高いことで有名です。
石言葉
アレキサンドライトの石言葉は「安らぎ」と「情熱」です。
相反する言葉のように感じますが、アレキサンドライトが持つ二つの色を表していると考えられます。
昼間、グリーンに光るアレキサンドライトからは、穏やかな安らぎを感じるでしょう。
夜の光に照らされ赤く変化するアキサンドライトは、まさに情熱的な輝きを発しています。
硬度が高いアレキサンドライトは日常使いのジュエリーにも適しています。光によって変わる色で安らぎを得たり、情熱を感じたりすることができるでしょう。
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最後に
6月の誕生石についてお話しました。
6月の誕生石は、貝から作られる真珠、月を象徴するムーンストーン、皇帝に献上された宝石アレキサンドライト、それぞれ個性豊かな宝石たちです。
それぞれ石言葉も違うので、ピンとくる言葉や願いに合った誕生石を身に着けるのも良いと思います。
自分へのプレゼント、家族や友人への贈り物、エンゲージリング、お守りなど、誕生石は様々なシーンで活躍しています。
身に着ける者を幸せに導き、身を守ってくれるとも言われていますね。
6月生まれの皆さまに素敵な誕生石との出会いがありますように!
カラッツ編集部 監修