美しい青色の宝石 アクアマリン

美しい青色の宝石 アクアマリン

まるでスカイブルーの海のように、清涼で澄みきった青色のアクアマリン。見つめているだけで清々しい気持ちになれる、まるで海そのもののような宝石。海からの贈り物アクアマリンについてのお話しをご紹介します。

アクアマリンってどんな宝石?

アクアマリンはエメラルドと同じ鉱物ベリルに属しますが、わずかな鉄を含むことで、美しいブルーを発色します。硬度は7.5。エメラルドとは対照的にキズやインクルージョンが少なく耐久性に優れ、結晶が大きいのが特長です。見る方向によっては青色と無色が見える二色性という特質を持ちます。

最も人気のサンタマリアアクアマリン

アクアマリン

最も人気のあるアクアマリンは『サンタマリア』と呼ばれる、鮮やかで濃い青色をしたものです。ブラジルのサンタマリア鉱山で産出されていましたが、90年代に閉山。新たにアフリカのモザンビークで同質のものが発見され『サンタマリア・アフリカーナ』と名付けられました。

アクアマリンは他にもスリランカ、ロシア、マダガスカルなど多くの国で産出されていますが、大抵のものには熱処理をして色のエンハンスが行われています。

世界最大のアクアマリンは?

大きさは?

世界で一番大きなアクアマリンの結晶は、『ザ・ドム・ペドロ・アクアマリン』です。高さ約35㎝、幅10㎝。10,363カラットという大きさです。原石の大きさは91㎝以上で、重量は45㎏もありました。

発見場所と名の由来は?

巨大なアクアマリンは、1980年頃、ブラジルのミナスジェイラス州にあるペドラアズールの鉱山で発見されました。『ザ・ドム・ペドロ』という名称は、ペドロアズール鉱山とブラジルのペドロ皇帝に敬意を表して付けられたものだそうです。

誰がカットしたの?

『ザ・ドム・ペドロ』は1993年にドイツの熟練研磨士ベルンド・ムーンシュタイナーによってオベリスク(記念碑)型にカットされます。ムーンシュタイナーは、このカットデザインを『オンダス・マルティマス(Ondas Maritimas)=海の波』と名付けました。

ファンタジーカットを発明したムーンシュタイナーの代表作とも言われるこの作品は、世界中の研磨士の注目を浴び、大変素晴らしい芸術作として高く評価されています。現在は、アメリカのスミソニアン博物館に展示されています。

アクアマリンの「伝説」

アクアマリンという名の由来

アクアマリンという名称はラテン語の水(aqua) と海(marine)が由来です。和名は藍玉。3月の誕生石であり、古くから海の神として知られています。

紀元前でのアクアマリン

古代、アクアマリンは身につけるだけでポジティブなパワーを与えてくれると信じられていました。紀元前2年頃、魔術師ダミゲロンが有名な「石について」という古典を執筆。文中では「アクアマリンを水に入れて飲むと、目の損傷を始め、全ての病に効果的である」と記述しています。古代ローマでは目の病気や胃、肝臓、喉に効果があると信じられたそうです。

古代ローマでのアクアマリン

古代ローマでは、アクアマリンは海の神ネプチューンに捧げられました。ギリシャ神話に登場する海の怪物セイレーン。美しい歌声を持つセイレーンの宝石箱からブルーの宝石がこぼれ落ち、海岸に流されます。これを拾ったのが、ネプチューンでした。船乗りたちは、アクアマリンにネプチューンの姿を彫り、海の危険から保護してくれる護符として大切に身につけるようになったのです。

中世ヨーロッパでのアクアマリン

1377年に詩人ウイリアム・ラングランドが「農夫ピアズの幻想」を出版し、中世英文学の代表作となります。作中では、アクアマリンは解毒作用があると書かれています。当時は王侯貴族の間で毒を盛る事件が横行しており、解毒作用があると言われたアクアマリンは、高い需要がありました。当時はどうやらジュエリーとして身につけるだけで効果があると信じられていたようです。

まとめ

健康的な若さや、幸福な結婚生活などの象徴としても知られるアクアマリン。夜になるとキャンドルの光の下で美しく輝くことから、『夜の女王』や『希望の光』という異名もあるほど。欧米では結婚19周年記念に贈る宝石であり、ウエディングギフトとしても人気の高い宝石なのですよ。

カラッツ編集部 監修