宝石好きがぜひオススメしたい!「サンタマリアアクアマリン」の魅力
夏に似合う宝石といえばアクアマリン。アクアマリンは3月の誕生石ですが、あの爽やかなアクア・ブルーはむしろ真夏のファッションにぴったりですよね。
宝石の中で比較的買いやすい値段のアクアマリン。
しかし中には、とっても高級でめったにお目にかかれないようなキング・オブ・アクアマリンというべき宝石もあります。
それは、その名も美しい「サンタマリア アクアマリン」。
同じアクアマリンでも、輝き、カラー、透明度が全く違います!その美しさはまさにダイヤモンド級。
私は昔、日本円にしておよそ300万円の値札がついたサンタマリアアクアマリンを見たことがありますが、本当に本当に心が浄化される美しさでした。。。
今回は、宝石好きがぜひオススメしたい!
サンタマリアアクアマリンの魅力を熱く語ります!
まずは基本。アクアマリンとはどんな石?
アクアマリンは今からおよそ2000年前にローマ人によって名付けられました。
その語源は水を意味するAquaと海を意味するMarineからとったとか。古くからあった宝石なのですね。
アクアマリンは淡いブルーの宝石というイメージがありますが、薄いグリーンや茶色がかった石もあります。
現在市場に出回っているアクアマリンは加熱してブルーの色を引き出したものが多く、値段は平均的に見積もって3ctで3万円程度。
汗で変色することもないので、夏に気軽に身に付けられるジュエリーです。
アクアマリンとエメラルドは兄弟って知ってた?
アクアマリンの鉱物名はベリル。モース硬度は7.5〜8。
そう、ベリルといえば、あの高級な宝石、エメラルドもベリルですね。
ベリルは古くから宝石として親しまれてきた石ですが、1925年ごろ、ベリルの主要元素であるベリリウムが、X線や航空機、通信衛星などの構造部材としての用途に利用できることがわかり、資源に利用できる鉱物として広く探索されるようになりました。
ベリルに微量のクロムやバナジウムが混ざると緑色のエメラルドに、微量の鉄分が混ざるとブルーのアクアマリンになります。
そしてマンガンが混ざると真っ赤なレッドベリル(ビスクバイト)、大変貴重で別名「赤いエメラルド」と呼ばれている宝石になります。
サンタマリアアクアマリンの誕生
アクアマリンの産地はブラジル、ナイジェリア、モザンビーク、マダガスカルなど。その中で、20世紀前半、ブラジルのミナスジェラス州にあるサンタマリア・デ・イタビラ鉱山でひときわ美しい、青色の強いアクアマリンが見つかりました。
それがサンタマリアアクアマリンです。その美しさは大勢の人を魅了し、大掛かりな採掘がおこなわれたために1920年には閉山してしまいました。
その後、今度は1970年代にアフリカのモザンビーク鉱山で同様の深みのあるブルーのアクアマリンが発見され、「サンタマリアアフリカーナ」と名付けられました。
現在、サンタマリアアクアマリンもサンタマリア・アフリカーナも、どちらも大変希少価値が高く、大粒で良質の石はめったに市場に出回りません。
サンタマリアアクアマリンの美しさの秘密は
見る人を魅了してやまないサンタマリアアクアマリン。その美しさの秘密は、色の美しさだけでなく、そのカットの技術にもあるようです。
サンタマリアアクアマリンは、例えばオーバルカットにした場合、濃淡のある綺麗なブルーに見えます。
これは58面体のファセットを楕円形にカットすると、周りのカットの色が真ん中のカットの色よりも濃く見えるから。
そして原石に宝石用語で「色だまり」と呼ばれる独特の色むらがあると、よりいっそうサンタマリアアクアマリンの美しい青さに、まるで海を閉じ込めたような繊細な輝きと深みを与えます。
アクアマリンは比較的大粒の原石が見つかりますが、それを宝石用にカットするときに、石の持つ発色、テリ、シェイプ、そして職人のカット技術があってこそ、見事な輝きを持つ宝石に生まれ変わることができるのです。
最後に
私が心を奪われたサンタマリアアクアマリンとの出会いは、ミュンヘンで開催されていたインホルゲンタと呼ばれるヨーロッパのジュエリー見本市。そこにはドイツカットと呼ばれる美しい半貴石がたくさん展示されていました。
ドイツは職人の国。宝石の研磨術においても例外ではなく、特にイーダー・オーバーシュタインは、宝石の街と呼ばれるくらい半貴石の研磨で有名です。
ここにはドイツ人の真面目な国民性が生かされ、半貴石でも素晴らしいカットをすることで、貴石以上の価値を持つ石を作る職人さんがたくさんいます。
もしあなたがサンタマリアアクアマリンに出会った時は、ぜひカットの技術にも注目してみてくださいね。
カラッツ編集部 監修