アイスブルーダイヤモンドは、清涼感のある淡いブルーと強い煌めきがまるで氷のようにクールな印象をもつダイヤモンドです。
この独特で美しいアイスブルーの色は実は天然ダイヤモンドにトリートメント処理を施したもの。
人工的に作られた色ではありますが、その魅力は多く、トリートメントダイヤモンドの中で高い人気を誇ります。
こちらではアイスブルーダイヤモンドの色の秘密や、名前の意味などをご紹介していきます。
目次
ブルーダイヤモンドについて
天然のダイヤモンドは無色だけではなく、「ファンシーカラー」と呼ばれるさまざまな色が発見されています。
ファンシーカラーの中でも黄色やブラウンは比較的多く産出していますが、ピンク、オレンジ、パープルなどは産出量が少なく、特にレッドやブルーは希少な存在です。
ブルーダイヤモンドは他のファンシーカラーダイヤモンドよりも高い価値が付くことが多く、オークションでは驚くほどの価格で取引されています。
市場に出回ることが滅多にないため、世界中のコレクターが注目しているといえるでしょう。
主に4つのタイプに分かれるといわれるダイヤモンド。
ブルーダイヤモンドは「タイプⅡb」に分類されます。
タイプⅡbは結晶の生成過程において、結晶格子構造に微量のホウ素が加わったものです。ホウ素が赤、橙、黄色を吸収するため、私達の目には青色が見えるのです。
ブルーダイヤモンドは通常灰色味を帯びており、青色の発色も薄いものから濃いものまでさまざまです。ホウ素を含む量が多いほど青色が濃くなり、サファイアのような濃い青色を呈するものもあるといいます。
ダイヤモンドにおけるトリートメント処理とは
ダイヤモンドが異なる色を呈するのは、結晶の生成途中に結晶構造が自然界の熱や放射線などによる影響を受けたためと分析されています。
これと同じ現象を人工的に施し、色を美しくすることがトリートメント処理です。
表面に色を加えただけのコーティング処理 は、クリーニングなどによる色落ちの恐れがあります。
しかし、トリートメント処理はダイヤモンドの科学的性質に合わせた方法を用いるため、色落ちなどの心配はありません。
トリートメント処理では、青のほか、ピンク、黄、オレンジ、緑、黒色など天然と同じようにさまざまな色を出したり、色を濃くすることが可能です。
もしかしたら宝石における人工処理に対して悪いイメージをおもちの方もいるかもしれませんが、人工処理自体が悪いことではありません。
特にブルーダイヤモンドのような希少性が高い宝石は、無処理天然のものは、大きさや色合いにも依りますが、簡単に手が出せない金額であることも多いです。
その点人工処理が加えられたものであれば、無処理のブルーダイヤモンドに比べるとハードルが下がるため、気軽に楽しめる良さもあります。
但し、トリートメントダイヤモンドを無処理のダイヤモンドと偽って高額に販売している業者もあると聞きますので注意は必要です。
処理について明示しているお店や信頼のおける鑑定機関の鑑定書などが付いたものを購入した方が安心できると思います。
アイスブルーダイヤモンドの魅力
純粋なイメージ
アイスブルーダイヤモンドの淡い青色は、人工処理を施したものですが、本物のダイヤモンドであることに変わりはありません。
アイスブルーは清涼感があり、山の麓に流れる水のような純粋なイメージがあるように思います。
すっきりとしたアイスブルーは他のダイヤモンドとはひと味違う個性があり、洗練された雰囲気でファッション性に優れているのではないでしょうか。
ブライダルやプレゼントに最適
アイスという言葉は日本語で「愛す」とも解釈できるため、国内では婚約・結婚指輪などのブライダルジュエリーにも使用されているそうです。
イギリスの結婚式では、花嫁が「サムシングフォー(4つのもの)」を身に着けるという伝統があります。4つのものとは、「新しい物(今後の人生)」「古い物(これまでの人生)」「借りた物(幸福をもたらす)」「青い物(純粋、誠実、愛情)」を指します。
「青い物」となるアイスブルーダイヤモンドは、縁起の良い物としてブライダルジュエリーにも最適です。純粋、誠実、愛情を象徴する宝石とされるので、プレゼントにも向いています。
天然ブルーダイヤよりも安価
天然のブルーダイヤモンドは非常に稀なうえに、大変高価です。これに比べると、アイスブルーダイヤモンドは比較的入手しやすい価格であることも魅力です。
アイスブルーダイヤモンドの名前の意味
アイスブルーダイヤモンドは水色に近い淡い青色をしており、純粋な水や雪の結晶を思い起こさせる、クールな輝きを放ちます。
ダイヤモンドはブリリアントカットを施すと、強いブリリアンスとファイアを放ちます。この煌めきと爽やかな淡いブルーが氷のような印象であることから「アイスブルー」と呼ばれるようになったといわれています。
他のブルーダイヤモンドとの違い
通常、濃青色に照射処理したダイヤモンドは、石底(キューレット)やサイドの境界線(ガードル)部分に茶色帯や色溜まりが見られることがあります。
一方、アイスブルーダイヤモンドはほぼ無色の原材料を使用するため、茶色帯や色溜まりなどが見られません。
アイスブルーダイヤモンドは天然ブルーグリーンダイヤモンドと色相が似ているものもあります。
最後に
その名の通り、氷のようにクールな印象のアイスブルーダイヤモンドは、カラーレスとも濃いブルーともひと味違う個性のあるダイヤモンドではないでしょうか。
デイリーでの使用やブライダル用ジュエリーとしても人気ですが、選ばれる際には鑑定書などでダイヤモンドが本物であることを確認されることをおすすめします。
カラッツ編集部 監修