新宿から約1時間半。特急電車を降りると、そこは宝石の街、甲府です。
今回のお目当ては、山梨ジュエリーミュージアム。
日本に「ミュージアム」は数多くありますが、「ジュエリー」のミュージアムで、しかも「入館料無料」という太っ腹なところはそれほど多くないはず。
しかもこちらの山梨ジュエリーミュージアムは、石好きさんをも満足させる「特別な体験」ができるとか♪
何でしょう?気になりますね、楽しみですね☆
ということで、今回は「山梨ジュエリーミュージアム」について徹底解説致します!
※通常館内は写真撮影禁止です。(今回は取材のため、特別に許可をいただいて撮影しております。)
目次
「山梨ジュエリーミュージアム」はどこにある?
山梨ジュエリーミュージアムは山梨県甲府市にあります。
東京都内から行く場合は、新宿駅からJR中央本線の特急を使って行くのが便利ですよ♪
特急「あずさ」と特急「かいじ」が大体30分おきに交互に走っています。
※平日と休日ではダイヤが異なります。一部変則な時間帯もあります。
「かいじ」の方が停車駅が多い分、10~15分ほど長く掛かるようですね。
時間帯によって停車駅や到着時間が若干異なることもあるようなので、行くときは事前にきちんとチェックして下さいね。
ちなみに、その他の地域から行かれる場合、静岡駅からだとJR東海道本線から身延線を乗り継いで約2時間半、松本駅からはJR特急「あずさ」で約1時間10分程度で行けるそうです。
詳しくはミュージアムのホームページでご確認ください。
今回私たちは、新宿駅10時ちょうど発の特急「あずさ」に乗って行ってきました。
甲府駅到着は11時半ころ。
おしゃべりしてたら結構あっという間という感じでしたよ♪
どうですか!?新宿から1時間足らずでこの景色!旅行気分が盛り上がりますね♪♪♪
(仕事ですよ!と横から編集のツッコミが・・)
改札を出るとちょっと雰囲気のあるオシャレな標識があります。
山梨ジュエリーミュージアムは、JR甲府駅南口から徒歩約7分。駅から割と近いので、天気が良ければ歩いて行っても苦にならない距離です。
電車を降り、改札を出て左、南口の前に伸びる平和通りをまっすぐ進みます。
すると見えてくるのがレトロな建物の山梨県議会の建物。レンガの建物が目を引きます。趣のある建物なので、思わず写真を撮りたくなります。
そこを過ぎ、左側にあるのが山梨県防災新館。山梨ジュエリーミュージアムは、この山梨県防災新館1階に併設されています。
県庁の中を通ってショートカットすることもできますが、看板などが出ている訳ではないので正直迷います。
(私たちはこれで少しぐるぐるしてしまいました・・。素直に真っ直ぐ歩いて行きましょう。。)
道路に沿って行くと、「やまなしプラザ・山梨ジュエリーミュージアム」と書かれた大きな看板があります。
道路沿いにはカフェがあり、一見美術館であることに気が付かないかもしれません。
ココから入り、カフェの脇を通ってミュージアムの方へいくこともできますが、建物に沿って左折するとミュージアムショップ側の入口に出ることもできます。
(ミュージアムショップ側の入り口の前にもう一つ大きな看板があります。)
建物の中に入り、ミュージアムの入り口はこんな感じ。中もオシャレですね♪
※通常館内は写真撮影禁止です。(今回は取材のため、特別に許可をいただいて撮影しております。)
そもそもなぜ山梨県にジュエリーミュージアムがあるの?
そうです。そこそこ!そもそもなぜ、山梨県甲府市にジュエリーミュージアムがあるのか?ですよね。
恐らく理由は冒頭にチラッとお話したとおり、山梨県甲府市が「宝石の街」だから、ということだと思うのですが。
では、そもそもなぜ山梨県甲府市が「宝石の街」になったか、ご存知ですか?
実は山梨県の宝飾産業は歴史が古く、江戸時代から上質な水晶が採掘されており、その水晶を研磨する技法が地場産業として栄え、伝承されたことがはじまりだといわれています。
そのため、水晶やメノウなどの貴石を使った美術彫刻や宝石の研磨加工、ジュエリーメーカーなどが山梨県に集積し、現在でも甲府は日本でも有数の宝石集積産地だということなのです。
実際に甲府の職人さん達にお話を聞くと、「実はオヤジの代から・・・。」という2代目3代目の人が多くてびっくり。甲府は古くから連綿と宝飾の歴史を紡いで来たのだなあと実感させられました。
山梨の職人さんの熱い情熱が伝わるミュージアム
今回私たちが訪れた日、山梨ジュエリーミュージアムでは、山梨でジュエリーを制作するクラフツマン(職人)の高度な技術を紹介する『クラフツマンの表現』という展示会が開催されていました。※2020年2月28日より新型コロナウィルス感染拡大防止のため臨時休館
水晶の坑道を思わせる薄暗い入り口(壁面に注目!)脇にはかつて山梨県で産出された水晶の原石や昔作られた貴重なジュエリーなどの展示があります。
奥の展示室にはかつて山梨で産出された水晶のほか、様々な宝石の原石や工具などが陳列されています。
そしてその脇にシンプルだけど洗練された印象の白い空間があり、個性的なジュエリーが一つ一つケースに収められて展示されています。
これぞ山梨が誇るクラフツマンたちの実力!どれも素晴らしい作品ばかりです。
さらに、山梨県が誇る名匠たちの作品が続きます。
石好きさんもきっと大満足!充実した体験プログラム
「ここでは3種類の宝石研磨体験、4種類の貴金属加工体験、そして時期によっては期間限定の特別体験プログラムをご用意しています。」
展示を堪能した後、やってきたのはお待ちかねの研磨体験プログロム♪
にこやかな笑顔で女性スタッフが説明してくれます。常時7種類の体験プログラムがあるなんて凄い!多くないですか!
(土日祝日のみ開催。日によってプログラム内容は変わります。)
こちらのミュージアムでは、「ペンダント制作」や「ストラップ制作」の他に、「カボッションカットの磨き上げ」や「石留めリングのペンダント制作」「イニシャルペンダント制作」など、マニアックな石好きさんにもたまらない体験ができます。
(金額は1,000円~4,000円。詳細は山梨ジュエリーミュージアムまで。)
そして私たちが訪れたこの日(2020年2月)には、期間限定特別体験プログラムとして、
・石留めブレスレット制作:金額 6,500円 所要時間 45分~60分
・石留めピアス・イヤリング制作:金額 ピアス3,500円 イヤリング4,000円 所要時間20~30分
が開催されていました。
なるほど~。これだけでも来る価値がありますよね。
私もさっそく「カボッションカットの磨き上げ」(金額2,000円 所要時間30分)のプログラムに参加、一緒に行った編集担当はキューブペンダント制作(金額2,000円 所要時間45~60分)に参加してみました!
(プログラムの内容は時期によって変わるそうですので詳細はホームページで確認してくださいね!)
なんとあの名匠が!自ら指導してくれる研磨体験
私たちが山梨ジュエリーミュージアムを訪れたのは2月のはじめ。
新型ウィルスの影響か否か、たまたまラッキーなことに同じ時間帯での参加者は私たち二人だけでした。
(参加人数に限りがあるため、時期や時間帯などによってはすぐに定員オーバーになってしまうことも。)
そんなほぼ「マンツーマン」の研磨体験レッスンにやってきた先生はなんと、あの深澤陽一氏。
深澤陽一氏は宝石の裏面に切子のカッティングを施した「江戸切子」ならぬ「甲州貴石切子」を「さくらインカット」で有名なシミズ貴石の清水社長と共同開発して宝石業界に新風を巻き起こした人物。
業界では知らない人はいないと言われるような方です。
石好きさんの間でも甲州貴石切子は人気が高いですよね。
「甲州貴石切子」は2017年に商標登録もされ、海外からも熱い注目を浴びているといいます。
そんな業界の有名人が、ミュージアム内にご自身の「作品」が展示されている名匠が、ニコニコしながら緑のエプロンをつけて教えてくれるなんて、このミュージアム、サービス過剰じゃないですか(@_@;)
しかし実はこちらの体験プログラム、深澤氏に限らず、宝石業界で名だたる職人の方々が、持ち回りで先生として教えて下さるのだとか。
何という贅沢。有難い限りですね。
プロの業を見ることができる「実演コーナー」も!
そして隣にある「実演工房」では、実際に製品を作っているところを見たり、質問したり、直接話を聞くことができます。
※土日・祝日のみ実施
きっと業界内ではスゴイ方たちであろう皆さんが本当に気さくに、嫌な顔ひとつせず色々教えて下さいます。
また、山梨県立宝石美術専門学校の生徒さんが練習できるスペースもあり、当日もモクモクと練習に励んでいる生徒さんが一人いらっしゃいました。
まさに宝石のAからZまで熟練の職人の方に話を聞いたり直々に伝授してもらえるなんて。
山梨ジュエリーミュージアム、本当に素晴らしいですね。
ふぅ~。楽しかったぁ、色んな角度からジュエリーを堪能できました!
でも何かちょっと疲れましたね、、お茶したい。
そんな時も大丈夫、こちらのミュージアムと同じ建物内にお土産屋さんが併設されたカフェがあります。
なんという、至れり尽くせり!
あぁ、ぶどうジュース飲みたい・・・。
高速Wi-Fiが無料♪のカフェで山梨特産品も堪能
ミュージアムの隣にある、お土産屋さんが併設されたカフェ。
窓際に座ると、テーブルには「高速Wi-Fi無料で使えます。」という案内とともに、なにやら面白そうな「甲州弁単語帳」が。
なになに、甲州弁で「こぴっと」とは「しっかり」という意味だとか。へえ~。「何をすねてるの」は「何ちんぶりかいてるだ」。。。う~ん高校生の息子が喜びそう(笑)
窓の外を見ると、遠くに山々が。空が広い。空気がきれい。自然に肩の力が抜けます。
なごむわ~、甲府。美味しいジュースを飲みながら、気がつけば1時間ほどまったり過ごしてしまいました。快く電源まで使わせて頂き、感謝感激です。
ミュージアムショップも忘れずにチェック♪
カフェでお茶をし、心も体も落ち着いたところで、最後のお楽しみ☆
ミュージアムショップでお買い物タイム♪
こちらの山梨ジュエリーミュージアムのお土産売り場には、なかなか手に入らない、甲州貴石切子のジュエリーも販売しています!
そして山梨の産地ブランドである「Koo-fu」のジュエリーも。
お手頃価格のものから高級ジュエリーまで、見てるだけでも楽しいミュージアムショップもぜひ堪能してくださいね♪
最後に
旅行というには短すぎる、身近な街、甲府。
「山梨ジュエリーミュージアム」は、思ったよりもずっと内容の濃い、ディープな感動が詰まったミュージアムでした。
なんといっても、甲府の方はとてもフレンドリー。
そして宝石を、山梨を、「大事にするぞ!」という熱いパワーがすごく伝わってきました。
なんかいいですね。温かいです。
甲府の街、東京よりも気温は寒く感じますが、心の温度はこちらのほうがホカホカなのかも・・・。
展示、体験プログラムや実演コーナー、そしてミュージアムショップまで必見の山梨ジュエリーミュージアム。あなたもぜひ、足を運んでみて下さいね♪
カラッツ編集部 監修