『宝石おりがみ》(日本文芸社発行)予約受付中※楽天ブックス限定先着特典有

アクアマリンの歴史と言い伝え

アクアマリン 原石

3月の誕生石としても広く知られるアクアマリン。

アクアマリンと聞いて、あなたはどんなことを思い浮かべますか?
瑞々しいブルーの色合い?それとも透明感のある輝きでしょうか。

古来より世界中で愛され、長い歴史をもつアクアマリンには、さまざまな言い伝えや興味深い逸話が数多く残されています

アクアマリンの歴史言い伝えについて少し掘り下げて、お話していきましょう。

アクアマリンとは?

アクアマリン ルース

アクアマリンは、鉱物としてはベリルに属します

ベリルは、ブルーはアクアマリン、グリーンはエメラルド、ピンクはモルガナイトなどと、色によって異なる名前で呼ばれます。

古くから広く知られるアクアマリンとエメラルドは実は兄妹のような関係にあるのですね。

最近では、特徴的なインクルージョン(内包物)が入ったものなども見かけるようになりました。

アベンチュリンアクアマリン ルース
画像:アベンチュリンアクアマリン

コケのように見える内包物を含むものは「モスアクアマリン」などとして流通していることもあり、インクルージョン好きの私としては、たまらない魅力を感じます。

▽カラッツSTOREのアクアマリンはコチラ▽

アクアマリンについてもっと詳しく知りたい方は下記記事もご参照ください。

アクアマリン

3月の誕生石アクアマリンとは?色、意味、石言葉、言い伝えなど

アクアマリンの歴史

確認できる一番古い記録は紀元前5世紀頃の古代ギリシャのものといいます。

ギリシャ神話の中にも登場し、「海の精霊が持っていた宝物が嵐などで陸に打ち上げられたもの」と記されています。

「アクアマリン」という名前は今から約2000年ほど前にローマ人によって名付けられたといわれ、由来はラテン語の「水(Aqua)」と「海の(Marinus)」という言葉。

アクアマリンの色が海水青色と表現されたりするのも、これらに紐づいてのことかもしれませんね。

中世ヨーロッパでは夜会用の宝石としてアクアマリンを好んで身に着ける人が多かったそう。ロウソクなど夜の照明のなかでとりわけ美しく輝くアクアマリンを楽しんだといいます。

宝石愛好家としても知られるロシアのエカテリーナ2世が特に愛したのもアメジストとアクアマリンだったと伝わっています。

アクアマリンの言い伝え

アクアマリンには様々な伝説や言い伝えも残されています。

海難から逃れるお守り

最も有名なのは、海難防止などやはり海にまつわるもの

アクアマリンには波を落ち着かせる力があると信じられたことから、航海の安全を守る石として長く船乗りたちに愛されてきました。

古代ローマの漁師たちは海難防止だけでなく豊漁のお守りとしてもアクアマリンを愛し、ヨーロッパの海兵たちは軍の船に乗る際アクアマリンのインタリオを身に着けていたと伝わります。

幸福や愛情をもたらすお守り

アクアマリンは「幸福・健康・富の象徴」として大事にされてきたという言い伝えもあります。

「持つ人の精神を鎮め、穏やかで平和な気持ちを導く」力があると信じられていたことから、幸せな結婚をもたらすためのお守りとしても愛されてきたそうです。

アクアマリンの石言葉の一つに「幸福」がありますが、これらの言い伝えなどと関係があるのかもしれませんね。

古代インドにおける言い伝え

古代インドでは、アクアマリンは、自分の思ったことを言葉にする表現力を支配していると信じられ、コミュニケーション能力に影響を及ぼすものと考えられていたそうです。

他にも、外部からの刺激を「知」に結び付ける働きがある、など、様々な力があると信じられていたようですよ。

最後に

アクアマリン ルース 原石 ジュエリー
人類の長い歴史のなかで、多くの人に色々な思いや目的をもって身に着けられ続けてきたアクアマリン。

豊漁や、海難防止のお守りなどとしても長く愛されてきました。

現在のような造船や操舵の技術がなかった古代の船乗りたちにとって、海が荒れることは何より恐ろしいことだったように思います。

きっとお守りであるアクアマリンを心の拠り所として、航海の度に大切に身に付けていたのでしょうね。

個人的には、愛のお守りとしても大事にされてきた、という話にもとても興味を覚えました。

歴史を知るとその宝石に対する親しみが強くなる気がします。

手元のアクアマリンを見ながら、古代に思いを馳せてみるのも良いかもしれませんね。

カラッツ編集部 監修

<この記事の主な参考書籍・参考サイト>

『起源がわかる宝石大全』
著者:諏訪恭一、門馬綱一、西本昌司、宮脇律郎/発行:ナツメ社
◆『岩石と宝石の大図鑑』
監修:ジェフリー・E・ポスト博士/著者:ロナルド・ルイス・ボネウィッツ 訳:青木正博/発行:誠文堂新光社
『パワーストーン百科全書』
著者:八川シズエ/発行:中央アート出版社  ほか
———–
https://www.gia.edu/

▽参考書籍・参考サイト一覧▽