ダイヤモンドにはファンシーカラーダイヤモンドというのがあり、色の種類には、ブラウン、イエロー、ブルー、ピンクなどがあります。
ダイヤモンドの価値を決める要因のうちの一つに、カラーがあり、基本は無色透明を表すDカラーが最も高価といわれています。
ですが、ファンシーカラーダイヤモンドは、色によってはDカラーのダイヤモンドよりもはるかに希少価値が高く、海外のオークションなどでは、何億円、何十億円で落札されているものもあります。
そしてそのカラーダイヤモンドの中で、もっとも珍しく、数が少ないと言われているのがレッドダイヤモンドです。
レッドダイヤモンドがどの位希少かというと、もしかしたら世界に30個くらいしか無いのではないかといわれる程で、コレクターやジュエリー業界に従事する人間でもなかなかお目にかかることができません。
ここではそんな希少なレッドダイヤモンドについてご紹介したいと思います。
目次
レッドダイヤモンドの色と種類
大粒のレッドダイヤモンドを周囲の美しいダイヤモンドがさらに引き立てているゴージャスかつ可憐なレッドダイヤモンドリング💍約2億円です。#マツコの知らない世界 #取引先のものです https://t.co/EXwdxbAJlu
— KARATZ代表|小山慶一郎(旧RECARAT) (@keiichiro_oyama) September 18, 2019
レッドダイヤモンドは、ピンクダイヤモンドの色が濃くなったもので、色はFancy Red(ナチュラルな赤)、Fancy Purplish Red(紫がかった赤)、Fancy Orangy Red(オレンジがかった赤)の3種類があります。
その中でも、Fancy Redがもっとも価値が高いといわれています。
ピンクダイヤモンド自体、天然のものは産出量が少ない中で、レッドダイヤモンドと呼ばれるほど色が濃いものは更に珍しいという訳ですね。
そのため、普通の宝石店でレッドダイヤモンドのジュエリーが販売されているのを見ることは殆どないだろうと言えるのです。
大体クリスティーズやサザビーズなど世界の有名オークションで取引され、その取引価格は億単位です。
写真のものは「マツコの知らない世界」でも紹介された約2億円のレッドダイヤモンドです。
レッドダイヤモンドの産地
レッドダイヤモンドの主な産地として知られるのは、オーストラリアのアーガイル鉱山です。ピンクダイヤモンドが多く採れることで知られている鉱山ですね。
また、現在地球上に存在する最も大きなレッドダイヤモンドは、ブラジルのアバエテ河で発見されたといわれています。
ブラジルは、良質なピンクダイヤモンドの産地でもあるので、今後ももしかすると、更なるレッドダイヤモンドがブラジルで見つかる可能性もあるかもしれませんね。
世界最大のレッドダイヤモンド ムサイエフ・レッド
では、今ご紹介した世界最大のレッドダイヤモンドについてもう少し詳しくご紹介しましょう。
ムサイエフ・レッド
出典元:http://www.capetowndiamondmuseum.org/
現在世界最大といわれているレッドダイヤモンドはムサイエフ・レッドと呼ばれるものです。
大きさは5.11カラット、カットはトリリアントカット、クラリティはインターナリーフローレスです。
インターナリーフローレスは、上から二番目のクラリティとなり、普通のダイヤモンドでも珍しいクラスなので、レッドダイヤモンドでこのクラリティというのは、ほぼ奇跡だと思います。
ムサイエフ・レッドの発見は比較的最近で、1990年代にブラジルのミナスジェライス州にあるアバエテ河で農夫によって発見されたといわれています。
発見された時の原石の大きさは13.9ctだったそうです。
このレッドダイヤモンド原石は、その後ニューヨークのダイヤモンドディーラー、ウィリアム・ゴールドバーグ・ダイヤモンド社が買い取り、5.11ctのトリリアントカットにされました。
その際、その形からレッドシールド(赤い盾)と名付けられたといいます。
その後2001年~2002年頃、レッドシールドはロンドンの宝石社・ムサイエフジュエラーによって800万ドルで買い取られ、ムサイエフ・レッドと呼ばれるようになったということです。
一説によると、その頃から倍以上値段が上がっているのではないかといわれているそうですよ。
その他の有名なレッドダイヤモンド
匿名コレクター所有のダイヤモンド
ムサイエフ・レッドの次に大きなレッドダイヤモンドは、その詳細が明らかにされていません。
南アフリカ産の5.05ctのレッドダイヤモンドですが、匿名のコレクターが所有しているため、現在どこにあるかなどは謎に包まれています。
デ・ヤング ・レッドダイヤモンド
デ・ヤング ・レッドダイヤモンド
出典元:http://famousdiamonds.tripod.com/
5.03ctのデ・ヤング・レッドダイヤモンドは、ボストンの宝石商シドニー・デ・ヤングが所有していたといわれるレッドダイヤモンドです。
このダイヤモンド、初めはガーネットだと思われており、シドニー・デ・ヤングは帽子のピンにつけていたそうです。
しかしある時改めて鑑定してもらったところレッドダイヤモンドであることが判明。
その後シドニー・デ・ヤングはこの希少価値の高いダイヤモンドをスミソニアン博物館に寄贈します。
そのためデ・ヤング・レッドダイヤモンドは今日誰でも見ることができるようになったといいます。素晴らしいですね♪
レッドダイヤモンドの価値基準
前述したとおり、レッドダイヤモンドは希少過ぎて市場に出回ることは殆どないといわれています。
価値基準の第一はとにかく色。鮮やかでレッド味が強い程高く評価されます。
最も高い評価を付けられるのは前述したとおり、Fancy Red(ナチュラルな赤)です。
その他は一般的なダイヤモンド同様、クラリティ、カラット、カットに依って評価が変わります。
色が良いものが見つかれば普通に数億円を超えるといわれるレッドダイヤモンド。
稀に宝飾展などで目にすることはありますが、小さくて色が若干ピンク寄りのものでも遠くから見ることしか出来ないお値段が付いていた気がします。。
ちなみに写真は香港で出会った0.5ctUPのレッドダイヤモンドです。
最後に
ハンコック・レッドダイヤモンド
出典元:http://4cs.gia.edu/
5.03ctのデ・ヤング・レッドダイヤモンドの次に大きいといわれているレッドダイヤモンドは、0.95ctのハンコック・レッドと呼ばれるものだといわれています。
このことからもレッドダイヤモンドの稀少性がお分かりいただけるのではないでしょうか。
もう1ct以上のレッドダイヤモンドは発見されることは無いのでは?と一部で囁かれていますが、個人的には現存のレッドダイヤモンドを超えるものが発見され、世間を驚かせてくれるのを期待しています。
カラッツ編集部 監修